「NHKをぶっ壊す」ではなく「解体」・・・?まだまだ続く陰謀論デモの次なる標的は(前編)
やや日刊カルト新聞の藤倉善郎総裁との対談動画が公開されました。実話BUNKAタブーチャンネルの企画です。
「陰謀論と排外主義」の制作秘話、新年早々の黒猫ドラネコ炎上の件、放射能の話、ウォッチャーの「取材」についてなど、ぶっちゃけトークを展開しています。ぜひ、お時間のある時にご視聴と拡散、よろしくお願いします。
昨年から続く「解体デモ」。その標的は省庁だけではない。「NHK解体デモ」が1月某日、渋谷放送センター前で行われた。
韓流グループを紅白歌合戦に出場させたという怒りから火がつき、「NHKは反日で局内は外国人だらけ」(以前からこの界隈で信じられている珍説)として「ネットDE真実」な人達が、いつもの感じで「もうこうなったらデモしかない!」と実行に移された形だ。
財務省解体と違って長続きするわけではないし、いつも通り放っておいて大丈夫ではあるのだが、今後のためにどのような様子だったかを詳しくレポートしていこう。
日の丸と全身ドジャース
NHK渋谷放送センター西門前は騒然とした。井の頭通りの狭い歩道に、50人ほどが横並びに広がり、建物に向かって「偏向報道を許さない」「日本から出て行け」などと叫びを上げていた。
最近はもう見飽きたが、この手のデモでは日本国旗がこれでもかと振られる。今回は特に、大きな旭日旗も多めだった。なぜ彼らがNHKに向かって必死に日の丸を振っているのかは分からない。魔除けのような感覚だろうか。
彼らは、NHKが反日メディアだと信じているから、この行動を恐れると本気で考えているのかもしれない。以前、外国人ヘイトが溢れる街宣の現場で、差別的な演説に抗議する方々に向かって、日の丸を片手に「君が代」を歌いながら不気味に迫っていった人達を思い出す。
(現地の様子)
参加者はやはり中高年が多めだ。反ワクチン・デモや、モスク建設反対デモに来ている顔ぶれがずらりと並んだ。思わず「ああ、いつメンだな」と安心してしまう。いや安心してはいかんのだが。
デモ隊のそこら中で、「おお、君も来たのか」という再会を喜び合う声が上がっていた。陰謀論デモは必ずこうなる。
それらを見てニッコリしていると、私に対しても笑顔で会釈があった。「いつも見る人だ」と思われたのか、受け入れてもらえている感はある。この人達はみんなこうして繋がりを作っていくのだろう。アットホームな雰囲気だ。
みなさん決して悪人ではないのだ。「中にいる中国人韓国人は出て来い」「NHKは売国。地球から出ていけ」などの奇声を上げていることをのぞけば・・・。
スピーカーが三つほどあり、それぞれ好きなように主張を繰り広げたので、何を言っているのかは近寄らないとほとんど聞き取れなかった。これでは駐車場を挟んで50メートルは先にある建物内に何も思いが届くはずもない。
いつも通り、全ては自己満足の世界である。
(対岸から見たNHK前デモ)
(手作り感のあるプラカード)
「NHKは電話に出ない。解約させないつもりだ」という主張を地声で叫んでいた男性がいた。
どんどんノってきたようで、日の丸の旗を振ったりプラカードを持ったり、並んだデモ隊の前をウロウロしながら「解約のー電話にーでーろよー!」とリズム感を出してきた。
全身ブルーの出で立ちは、よく見るとジャンパーもトレーナーも帽子も、全てがロサンゼルス・ドジャースのものだった。大谷ファンであることだけは疑いようがない。
しかし、NHKを解約したら気軽にメジャーリーグ中継が見られなくなるのではないか。彼の中で一体どう折り合いをつけているのだろう。それと「お前らどこの国の放送局だ!」などの罵声が飛ぶ中で、思いっきりメジャーリーグ公認グッズの服を着た人がいるのはとてもシュールだった。
(ドジャースコーデの人)
あの党首の旗も
昼過ぎから始まったこのデモは、時間が経つにつれて人数も集まってきた。ピーク時で90人ほどはいたのではないだろうか。
激しく叫びながらも参加者同士の会話は常に笑顔。互いに愛想よく思い思いのチラシなども配りあっていた。相変わらず反ワクチンな内容で「解毒のために発酵食品を」みたいな紙がばら撒かれている。こういう属性の人達なのだ。なるほど、「ワクチンの毒には納豆と味噌汁を」か・・・そんなんでいいならワクチン打てるやないか。
おっと、またチラシが一枚きた。ありがとうござ・・・あ・・・。
(「芸能人の自殺はみんな不審死だ勢」も来ている)
こっわ。
大音量で垂れ流されるスピーチの内容もどんどんエスカレートし、「私は200万円の収入しかないんだよ。なんで公共放送の方が年収が高いんだ」のようなことを言う人までいた。周囲も同調して、「そうだ!受信料を返して迷惑料を払え!」とか言い出している。
ま、そういう超ハイレベルな話(?)は置いといて、今回の注目ポイントは立花孝志の逮捕後では初めてのNHK前デモということだった。「不当逮捕だ」とか「NHKが圧力をかけたんだろ」とかを言い出す輩がいないかを確認したかった。
しかし、スピーチの全てが聞きとれていたわけではないにせよ、立花逮捕に言及していた様子はなかった。私の考えすぎだったようだ。陰謀論の先を行ってしまうのは悪い癖である。
実は、こうした「NHK解体」デモと「NHKをぶっ壊す」とは、容易には結びつかないのだ。以前もこの場所で反ワクチン・陰謀論集団が主催のデモが行なわれていたが、そこにNHKから国民を守る党は現れなかった。
しかし、そんなことを考えながらカメラを構えていると、一人の男性がプラカードを掲げているのが分かった。
い、いた・・・。
今ちょうど、この人のことを考えたくなくても考えていたところだ。あまりにも出来過ぎな話ではないか。まるでチェ・ゲバラのような絵柄で「抗議活動の象徴」になっているようだ。そうこなくっちゃ。こんな瞬間を撮れるのがウォッチャーとしての喜びである。
何枚もプラカードを持っているようなので、ちょっと近寄って撮影させてもらうことにした。
この人が出したもう一枚のプラカードにはなんと