「池田としえ副総理!原口議員を総理に!」反ワクチン集会、遺族に配慮なく大爆笑の講演

あーあもう、むちゃくちゃだよ…
黒猫ドラネコ 2025.02.16
サポートメンバー限定

***

2月11日、建国記念の日。

「私たちは売りたくない!現役社員の想いをうけて今父親が立ち上がる!~多くの日本人と共有すべき課題とは?~」と銘打った集会が、埼玉県川越市のやまぶき会館ホールで開催された。

反ワクチンのいつメンによるイベント。

ここに例の捏造本「私たちは売りたくない!」の著者「チームK」の由来となった亡き製薬会社元社員のお父様が登壇するのだ。

反ワク界隈が「お父様の叫びを聞きに来い!」とかなんとか言っていたので、仕方ないから参加することにした。

え、だって聞きに来いって言ったやん。来たけど何か…?

都心から電車で1時間半ほどの素敵な観光地。こんな形で初めて訪れるとは思わなかった。

川越駅から少し離れた会場にバスで到着して受付を済ませる。500人収容のホールはすぐ埋まった。空席の数から考えると400人以上は入ったと思われる。

女性がやや多め。やはり中高年や高齢者が目立ち、いつもの反ワク集会と同様の客層だった。

あの国会議員がサプライズ登場

時間になり、反ワクチンでおなじみ「有志議員の会」から、三郷市議と川越市議の女性が司会として立った。反ワク市議二人の掛け合いでイベントは進んでいく。

な、なんと! ここで「緊急サプライズ企画」の告知が。この講演終了後、本川越駅まで「mRNAワクチン反対のパレード」をするとのこと。ひい。

「参加したことがない方は、今回デモデビューですね。あ、デモでなくてパレードですね。パレードデビューでご参加いただければ!」と司会は大はしゃぎだ。

祝日の小江戸を震え上がらせた反ワク大行進については後述する。

ここでさらなるサプライズ。参議院議員の川田龍平氏(立憲民主党)が来ており、司会に「ぜひ」と促されて登壇することになった。

川田議員は微笑みながら「参加させていただきありがとうございます」と挨拶。「ワクチン遺族」へ思いを寄せ、「何としてもレプリコンワクチンを止めなきゃいけない」などと語った。

(反ワク集会で挨拶に立った川田龍平議員)

(反ワク集会で挨拶に立った川田龍平議員)

自身の薬害エイズの経験も交え、「国会議員になっていながら今回のワクチン被害を防げなかったことは忸怩たる思い。このワクチンは生物製剤(?)で、mRNAという本来わかっていないものを接種させられ続けている」「打てば打つだけ感染する。有効性もわからなくなっている」とし、参議院予算委員会で問題を追及すると話した。

会場は拍手喝采だ。あーあ…。

ちなみに、川田議員は午前中までで帰って行った。午後の超絶・陰謀論大回転の惨劇を予期していたのかもしれない。

喜怒哀楽の会場

さて、講演のトップバッターは反ワクチンの動画配信者・藤江成光氏。

司会から「知らない人はいない我らがスーパーインフルエンサー」と大仰な紹介をされながら、なんと名前の読みを間違えられていて「なりみつではなく、まさみつといいます…」という散々なスタート。

画像や映像を駆使した1時間の講演は、「国の公式資料で分かる空前絶後のワクチン被害」とのタイトルで、厚労省のデータなどから「こうに違いない」と分析した内容。「私たちは売りたくない!」に掲載されていたものも多かった。

藤江氏は厚労大臣の会見に毎回のように出て質問しているらしく、「鋭い指摘」を誇示する内容が印象的だった。映像では、藤江氏からの皮肉の入った質問に武見前大臣らが思わず「ふっ」と笑った様子にキラキラエフェクトと効果音をつけて煽るなど、元々のYouTube登録者が多いのであろう会場を沸かせていた。

(反ワクチン配信者の藤江氏)

(反ワクチン配信者の藤江氏)

(藤江氏による厚労大臣記者会見の様子の映像)

(藤江氏による厚労大臣記者会見の様子の映像)

次いで、集会タイトルにもなっている「ワクチン遺族」の67歳のお父様の登壇だ。今回のメインと言ってもいい。

「息子よ帰って来い!」なる表題とは裏腹に、穏やかなスピーチ。亡くなるまで勤めていたMeiji Seika ファルマには感謝しているが、安全性の分からないワクチンなら止めてもらいたいということで、「一人一人がちゃんと情報を調べてほしい」との思いなどが語られた。

息子さんのことを話せる場があること、名前が残る出版はありがたいと述べた。チームではなく一人だったことがバレた「チームK」については、最後まで「著者の方たち」と呼んでいた。騒動を知らないのか、主催者への気遣いなのかは分からない。

こうした場は初めてらしく最後まで緊張気味だったが、思い出話に無念さをにじませる語りには、会場中で目頭を押さえる様子が見られた。

(遺族の登壇に合わせて本を紹介する司会の市議二人)

(遺族の登壇に合わせて本を紹介する司会の市議二人)

この直後、予定にはなかった別のご遺族も登壇し、テレビの取材を受けたが放送されなかったという怒りを表明。

ざわつく会場から「まったく酷い話!」と叫びも上がるなど、結束を強くする午前の部となった。

グダグダ、ウトウトのち爆笑

40分ほどの昼休憩。

ロビーで販売の1000円のトンカツ弁当とタコスセットはあっという間に売り切れた。

池田としえ市議のサイン本や松葉茶の販売などもあり、そこに「インパクトある絵で怖がらせましょう」みたいなこと言いながら反ワクチラシを配る奴もいてクソ怖い。

(池田市議のサイン本販売)

(池田市議のサイン本販売)

(物販コーナー)

(物販コーナー)

ホール内は飲食禁止のため、外のベンチや地べたで食事にありつく反ワクさんたち。

いたたまれなくなって戻ったホールでは、まばらな客席に向けて司会が「昼食をとれない人は私と一緒にファスティングしましょう。デトックスです」みたいに言い放った。

客席左前方では、ウォッチャーに(ある意味)人気の某・反ワク女性が「ワクチン遺族」に挨拶しながら馴れ馴れしくベタベタ触っている。

すごい空気感だ。

なぜ僕はせっかくの祝日にこんな所にいるんだろう。(自分で来たんだろ)

午後の部は、名古屋大学名誉教授・小島勢二氏の「コロナ禍の5年間を振り返る」からスタート。

いきなり機器トラブルで藤江氏や池田市議ら反ワクインフルエンサーが集合し「ああでもないこうでもない」と15分ほどグダグダが続く。司会も時間を繋ごうと主催者の男性などを呼んで挨拶させるも、カバーしきれていない。

なぜ僕はせっかくの祝日にこんな所に(略)

(機器トラブルで集合する反ワク配信者たち)

(機器トラブルで集合する反ワク配信者たち)

ようやくスクリーンが表示され、理系の反ワクさん(意外といるタイプ)にとってはおそらく貴重なデータいっぱいの話が1時間半ほど続いた。

ただ、藤江氏の講演とかぶる部分もあり、特に盛り上がる時間もない研究報告的な内容。やはり昼食後の会場の大半はウトウトと…。

無理もない。これは完全に講演順の構成ミスだ。

しかし! グダグダのウトウトのスヤァで集会が終わるわけがなかった。

本番はここからだ。覚悟はいいか読者のみんな。(これ潜入記事のたびに言ってない?)

ここで船瀬俊介氏の出番である。

著書「買ってはいけない」などで知名度を得て、今や陰謀論界隈の重鎮。「日本が危ない!正気になれ!」とのテーマで「大人気ジャーナリスト」と紹介され登壇すると、会場からは早くもクスクスと笑いが漏れた。

とぼけた独特のキャラクターから繰り出される陰謀論トーク。ハンカチ片手にしんみりしていた先ほどのご遺族の講演とは別世界だ。

(会場を大笑いさせた船瀬氏)

(会場を大笑いさせた船瀬氏)

船瀬氏は、タイムリーなUSAIDの話題で「世界中のメディアは全部ディープステートの悪魔勢力の言うことを聞かせたものを使っていた」などと楽しそうに語りまくる。

かと思えば、話題は先の日米首脳会談へ。石破総理に失望したとして、妙案をぶち上げた。

「日本のリーダーは女性にならないと。もう池田としえ副総理は決まり!」

「原口一博議員に会った時、救国内閣の総理大臣になってくれと言った!頑張りまーすって言ってたけどね!」

これには観客が「おおおー!」と大ウケ。盛大な拍手が起…ああもうだめだ、なにもかもおしまいだ。

接種者を笑い、顔をしかめる遺族

船瀬氏と反ワクさんの心の交流は止まらない。

「全てのワクチンは生物兵器」「西田敏行もレプリコン三日後に死んだ」に留まらず「不正選挙」「バイデン前大統領は偽物と入れ替わった」「オバマ元大統領の妻は実は男性」など、コラ画像も使ったオーソドックスな陰謀論が披露され、会場も会場で「これ知ってる!」と大盛り上がり。

珍説連打の極めつけは、とっくに否定されている安倍元首相銃撃の際の「スナイパー小屋」だった。

もう説明はいいや。疲れた。

(バイデン偽者説を話す船瀬氏)

(バイデン偽者説を話す船瀬氏)

(ミシェル夫人は男性だと話す船瀬氏)

(ミシェル夫人は男性だと話す船瀬氏)

(「スナイパー小屋」を紹介する船瀬氏)

(「スナイパー小屋」を紹介する船瀬氏)

客席は終始うれしそうだったが、個人的に胸クソ悪い部分も多かった。

その一つが病気の話だ。

船瀬氏は「抗がん剤は猛毒」として、亡くなった森永卓郎氏を引き合いに出し「あんなに賢いのに洗脳されて悔しい」と話した。ステージ4のがん患者の老人に「治療をやめなさい」と言ってがんを消して医者を驚かせたことがあると豪語。

「セルフヒーリング」だかなんだかを紹介し「医療が人を殺す」「野生動物は病院に行かないから元気」などの謎理論を披露していた。

「ほぉ…」とか感心してんじゃないよ客も…。

さらに最悪だったのは、「コロナは人類皆殺し計画」「ウイルスは存在しない」の持論に付随した、ワクチン接種希望者への「ゴキブリが並んでいる」などの表現だ。

「打ったら死ぬに決まってるのに」のような無配慮な言葉が連発された。

「インディアンと同じように皆殺しで日本をいただきますよという計画。殺すため打ってるんだから死ぬのは当たり前!」「なのにワクチン打って死んだと驚いている。驚いていることに私は驚いてるよ!」

船瀬氏が漫談口調でそう言うと、会場から「あははは!」と大笑いが起こった。

見渡すと、前方に座っていたご遺族が口を一文字に結んで顔をしかめていた。他にも渋い表情の人もいるにはいたが…。

どうして船瀬氏なんて呼んだのか。こうなることは分かっていただろうに。

(船瀬氏の講演の様子)

(船瀬氏の講演の様子)

そんな講演を受けての司会者の感想が「胸のすくような思いで、元気をいただいて明るく立ち向かっていこうという気持ちになりました」だって。

本当にどうしようもないな。

偉大な指導者

さあ講演のラストを飾るは池田としえ日野市議。

司会者から「我らがヒーローで偉大な指導者、心から尊敬を申し上げております」と、キムふふふんみたいな紹介を受け、満を持して登壇だ。

そんな池田センセイは「ワクチンは基本的に毒」「ファイザーはマフィア」「HPVワクチンも嘘っぱち」と「ビル・ゲイツがー」みたいなお得意の話もしたが、およそ2時間の多くをなぜか経済の話に費やした。

製薬会社も含め「株式資本が諸悪の根源」みたいな話だったが、長いので割愛する(オイ!)

(池田市議の講演)

(池田市議の講演)

船瀬氏の影響かは知らないが、日本の海底に巨大な資源が眠っているので狙われているとのことで、「採掘船ちきゅう号」が人工地震を起こすみたいな話も平気でしていた。

そういうスライドを255枚も用意したそうで、やはり時間オーバー。

司会が「先生このへんで…」と話しかけるも、「としえ先生が教えるこの世界の仕組み」の演説は止まらない。

終盤はスライドがフラッシュ暗算みたいにパッパッと移り変わり、それまで真剣だった会場も思わずクスクス笑った。

なお、「どんどんSNSに上げて」という講演もあった中、司会から「池田先生の時だけはダメ」みたいなアナウンスがあった。

公人である議員の活動を公表できない理由が分からないので謹んで無視させていただく。

(池田先生の講演)

(池田先生の講演)

(池田先生の講演おわり)

(池田先生の講演おわり)

小江戸に響く「ワクワクチンチン♪」

うおお!6時間半をなんとか乗り切ったぞ!

いや待て。今から本川越駅までパレードが始まるんだったな…。

寒風ふきすさぶ会場前に並んだのは40人ほど。帰る方向は同じはずなのに、留まった人は少ない。ちょっと寂しい。

「mRNAワクチン中止を求める国民連合」の横断幕が広げられ、ワイワイ交流しつつ並んでいく参加者たち。

そこに「じゃあみんな、パレードよろしくね!」と声をかけて去っていく池田としえ先生。

へいへいへーい! 偉大な指導者ァ!!

(限定部分は行進の様子と黒猫の総括。ご興味ある方はぜひメンバー登録をお願いします)

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、1302文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
ついに裁判開始。Meiji SeikaファルマVS原口一博議員の争点と...
誰でも
【書評】これぞ一家に一冊の良書。「食品の『これ、買うべき?』がわかる本...
サポートメンバー限定
三浦ゆえさん山田ノジルさん勝訴確定。「不法行為が認められてよかった」…...
読者限定
「参政党は陰謀論政党なのか?」自問自答の講演会開催(詳報)
サポートメンバー限定
陰謀論集団QAJFのABEMA出演についてと、元メンバーとの裁判進捗報...
誰でも
<インタビュー>「スピリチュアル教祖になった主婦~天使さまと呼ばないで...
サポートメンバー限定
【報告】陰謀論集団QAJFのEriを名誉毀損で訴え、勝ちました
誰でも
トンデモウォッチで真実を見抜け 新春スピ陰謀論ミーティング2025開催...