三浦ゆえさん山田ノジルさん勝訴確定。「不法行為が認められてよかった」…社会学者・橋迫瑞穂氏からの名誉毀損で
編集者の三浦ゆえさんとライターの山田ノジルさんが、社会学者の橋迫瑞穂氏を訴えた裁判が、このほど終わった。
先月29日、橋迫氏の控訴が棄却され、当然ながら今月の期限までに上告もなく、三浦さんノジルさんの勝訴がようやく確定した。

(控訴棄却後、裁判所前で喜ぶお二人)
誹謗中傷とプライバシー侵害を受けて悩み苦しみ、やむを得ず訴訟に踏み切ることになって、慣れない裁判に時間と労力を費やしたお二人。
2022年夏からの二年半にも及ぶ戦いを良い結果で終えられたことに、心からの祝福を送りたい。
本当にお疲れ様でした。
この事件を簡単にまとめると、橋迫氏がX(旧Twitter)上で、三浦さんノジルさんに対して攻撃的な投稿を繰り返し、二人がそのことを相談したくて別の編集者に送ったメール(私信)までも橋迫氏によって公にされてしまったものだ。
▽過去記事なども参照ください
昨年5月30日に判決が出た後も、被告の橋迫瑞穂氏は、訴訟に至った原因や本質を周囲に誤解させるような内容をたびたび投稿していたという。
さらに、どういう事情なのか知らないが、原告の代理人・神原弁護士に対しても被告から直接連絡があったようだ。(当然ながら応対せず、代理人を通すように通達したそう)
その後の橋迫氏からの控訴に、付帯控訴(原告側も同時にさらに請求する手続き)をしたのもこうした経緯があってのことだった。
▽お二人からの報告などはnoteに
裁判を終えて二人から
今回は初めての裁判を終えたお二人に、当ニュースレター用のコメントをいただいた。
【三浦ゆえさん】

(一審の判決から控訴審までに)ご自分の都合よく事実をねじ曲げ、あるいは印象操作するような発信をしないでほしいと、投稿の削除をお願いする内容証明を橋迫瑞穂氏に送りました。
橋迫氏はその返事も代理人を通してではなく、自らX上で投稿する形で応じました。提訴してからこのかた、終始『ツイバト』を仕掛けてくるような姿勢でとても困ってしまいました。こちらはそうではなくて裁判をしているので…。
判決が出るまで私たちがずっと黙っていたのも、これが裁判だからです。元々、事実と違うことを発信され(第三者へ相談した)メールまでもXで晒されることになり、白黒つけたいと思っての提訴でした。
橋迫氏の不法行為が裁判ではっきりと認められたのは、何より良かったと思います。
橋迫氏にかぎらず、誹謗中傷をするすべての人に、一度立ち止まって投稿しないという選択肢があります。投稿したということは100パーセントその人に責任があることです。
膨大で執拗な誹謗中傷を一方的に受け続け、私たちが黙っている間も、相手側の支持者の方々(フォロワー)には、こちらが悪者や卑怯者と思われたこともたくさんあったと思うので辛かったのですが、そのことも含めて(裁判所に)提出し、こちらの実情を訴えることができたのは良かったと思っています。
初めての裁判は分からないことだらけでしたが、神原弁護士には準備書面など丁寧に色々と教えていただいて、分からないながらも山田ノジルさんと力を合わせて2年半、やることはやりきった感じです。
(裁判所に)和解を勧められ、何度か検討もしたのですが、結果的に判決で決着がつけられてよかったです。
【山田ノジルさん】

「相手を突然訴えた」という印象をお持ちの方もいると思うので、そこについて少しお話を。
トラブルが発生した場合、SNS上やメール等で直接話し合うという解決法もありますが、今回の場合は代理人を通し、裁判という方法を選んで正解であったと改めて実感しています。
以前から、当事者のみで解決を目指すには難しい相手であると感じていたからです。 それは過去(2019年)に、橋迫氏から”山田の記事は自分の論文を剽窃したものではないのか”との問い合わせメンション及びDMが、山田・三浦へ送られてきた出来事も含まれます。
そこに示された要求やアクションの数々が、全く理解不能なものでした(剽窃疑惑の件は、三浦とともに唖然としているわずか20分ほどの間に、”自分の勘違いだった”と、三浦へのDM及びメンションにて連絡が届いていたようです)
その後もたびたび思い込みとしか言いようがない投稿を確認しています。「直接(もしくは知人を交えての)交渉」という選択は考えられませんでした。
提訴して裁判が始まってからも、準備書面や陳述書や被告尋問で、被告の一貫性のない主張や思い込みが多々見られました。(中には明らかな人違いでは?と思うようなものもあり、資料=証拠を参照しないのかと大変驚いた部分も)
もし、裁判以外の解決方法を探っていたら? 想像すると、途方もない徒労に終わっただろうと恐怖すら覚えます。
裁判は費用も手間も時間もかかりとても大変なものですが、SNS上の一方的な発信を放置していいとも思えず、こうした結末となりました。 初めての裁判ということもあり、手続きや書面づくりのコツなどを含め、驚きしかないと言える2年半でした。
きめ細かく納得のいくまで支えてくださった神原弁護士、そして応援してくださったたくさんの方々に感謝を申し上げます。
黒猫の所感
私からも言いたい。
橋迫氏の発信だけを見ている方がこれを読むことがあれば、この機会にぜひ三浦さんノジルさんが公開している訴状、判決書、そして抗議書や控訴までの流れをきちんと追って読んでもらいたい。
ひいき目があることは仕方がない(それは私でも誰でもそうだ)が、できれば公平な目線で。
そうすれば裁判に至った経緯がはっきりと分かるからだ。何が起きて、橋迫氏が何をして、二人がどんな思いで司法に頼って、しっかりと審判が下されたことも明白になっている。
▽三浦ゆえさん、山田ノジルさんによる裁判報告用のnote
この裁判を追ってきた私としても疑問は尽きない。そもそも、何も悪くない二人がなぜここまで執拗な攻撃を受けなければならなかったのか。