映画評「偏向報道」。ややネタバレあり・・・っていうか何これ。偏向してんの監督やろ
「ぜんぜん客が入っていないらしい」「なんかアレな感じの人達ばかり褒めている」という評判を聞きつけ、仕事明けの眠い目をこすって観てきた。
映画「偏向報道」である。
おぎのきんしろう監督・脚本。NHKから国民を守る党の立花孝志の支持者で、元テレビマンのようだ。
wikiによると、テレビ局で働いていた時にやらせ演出をした人物とのこと。退職後、自身が知る「テレビ業界の闇」を映画にしたということだろう。
池袋の小劇場シネマロサにて、1日に2回上映されている。
池袋といえば最近は大型電気店オープンに際してのなぜか汚い話題ばかりが投下されてSNSを賑わせているが、池袋自体はなんでもあって交通の便もよく、いや、その便は便利の便だから意味が違うんだけど、個人的には大好きな街である。いや、大が好きなわけではなくて、ええ。
しかしなんなんだろうねアレ。お店がかわいそう過ぎるけど、みんな下品な話題が好きなんだなあ・・・。
本当に面白くない
ともかく、今回の映画については知人から「酷いらしい」「今の池袋にふさわしい」とか聞いていたので、本当にそうなのか確かめたくなるのがトンデモウォッチャーの性癖である。こんなのを観ようか迷っている人がいるのかどうか知らんけど、代わりに観て感想を書いてあげようという次第だ。
結論から言おう。本当に面白くない映画だった。
映画作りに挑戦すること自体は悪くない。N党だろうが参政党だろうが黒猫ドラネコだろうが、クリエイティブなことはいつ誰だってやっていい。そして自分が作ったものや書いたもの、描いたものを悪く言われるのはみんな嫌だろう。しかし、何にせよ評価は人がするものである。人それぞれの見方や好みがあって、賛否があって然るべきだ。
要するに思ったまま率直に悪く言うが、ここは受け入れていただきたい。
とりあえず、あらすじを紹介する。
県知事がパワハラをしているとの怪文書がテレビ局に届いたことから、報道番組スタッフ(時東ぁみ)が取材する。県庁で撮った「やらせ」インタビュー素材でトラブル。番組制作会社を辞めていた行動的な主人公・鈴子(鳥居みゆき)は、捏造インタビューの被害者から相談を受け、業界に戻り、報道番組に殴り込みをかける。そこでは再び県知事のパワハラや市長の行動を貶めようとする思惑がうごめいて・・・。
こうしたテレビ局内での力関係やスタッフの葛藤、報道の裏側を描いたお話だ。
モチーフはさすがN党支持の監督らしく、兵庫県知事のパワハラを巡る騒動であることは間違いない。おぎの監督自身もそれを隠していないから、斎藤元彦知事の支持者やN党周辺がこぞってこの映画を絶賛しているというわけである。
まあしかし、とにかく酷かった。これを高評価している人は普段から映画とかあまり見ていないんじゃないのか。何が酷いって全部だ。話の内容、展開、セリフ、音楽、スカッとできるはずのラストまでも。
とにかく90分間「なんじゃそりゃ」「ひっどいな今の演出」とニヤニヤした。だからもっと開き直って、いっそコメディとして突き抜けて作っていればまだ楽しめたはずだ。
しかし、これは「報道には裏がある」を突きつけたいらしい社会派フィクションである。難しい題材に対して、何もかも足りないことは明らかだった。
観客に見せたい「テレビ局の裏側」があまりにステレオタイプで珍妙な人々。知っている身としては「今どきそんな局員おるかい」とツッコミを禁じ得ない。監督自身が体験していたことなんだろうか。いくらなんでも誇張し過ぎだ。
こんなので「やっぱりマスゴミがー」と憎悪を滾らせて「よくぞ作ってくれた!」と喜ぶ人にはいいのかも知れんが、よく考えてみてほしい。そうだよ、これ「作って」んのよ。いくらフィクションだからって、ダメな部分をやり過ぎちゃって真実味を持たせずにいたら台無しだと思わないか。表現者としてどうなんだ。
ねえ監督さんよ。これだと、どう考えても偏向してんのアンタやで・・・。
一応は褒める点も探そう。時東ぁみの演技がそこそこ上手だったこと。あとは主演の鳥居みゆきが無理せずに鳥居みゆきで、型破りなキャラがほどよく生きていた。精いっぱい探しても良いと評価できるのはそれぐらいだと思う。
キャストに罪はないと思いたい。お仕事として依頼を受けたから出ているだけだ。鳥居みゆきは個人的に芸人としても好きだし、こんな作品で見るのは残念というか。たぶん、仕事を選ばないところがあると思うから気をつけてほしい。
このままだと反ワクチンさんとかと絡んだりしてしまわな・・・・・・、あ。

(吉野敏明チャンネルよりスクショ)
わーお。もうだめかもしれんねえ・・・。ま、いいや。
色んな「いらない」
さて、この作品の肝となる知事のパワハラ疑惑について。
どうにも意味不明なシーンがあった。序盤に県庁周辺での「そんなの聞いたことない」という感じのインタビューが連発され「実際はパワハラなんてなかったのでは」を印象づけられる場面だ。ここで、なんと