ついに発売「限界地方政治~民主主義崩壊を読み解く6つの視点~」

ぜひ宜しくお願いします!
黒猫ドラネコ 2026.07.04
誰でも

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7月1日、ついに「限界地方政治 ~民主主義崩壊を読み解く6つの視点~」(扶桑社新書)が発売となりました。

前評判が高く、発売日に重版が決定しています。

前作「陰謀論と排外主義」に続き、早くもベストセラーに。「共著は売れない」と聞いたことがありますが、このシリーズは扶桑社新書の看板になるのではないでしょうか。

Amazonランキングの新書部門では堂々の1位。漫画を含む全ての本の順位でも50位以内に入っており、出版不況をものともしない大人気です。

ありがたいことに今回も執筆に参加させていただきました。「参政党のことなら黒猫だ」と、ご指名があり、著者陣の末席をオレンジ色で汚しております。表紙もオレンジだし、手前味噌ながら…と共著の場合はあまり言わない方がいいのかもしれませんが、ともかく自分以外の章がむちゃくちゃ勉強になりました。

端的に「なんかやばい」を、しっかり言語化して具体例を挙げて伝えてくれる本だと思います。

ということで、せっかくなので今回は書評がてら、ごく簡単にではありますが各章の印象に残るフレーズを取り上げていきます。

未読の方はぜひ参考にしてください。

(以下敬称略)

▽はじめに(編者)

『かつてなら到底「まともな政治」とは見なされなかったはずの言動が、SNSでは「既得権への反抗」や「本音」として消費され、時に熱狂的な支持すら獲得してしまう』

編集Tの思いがほとばしる前書き。2ページの全部が全部、今の社会を憂う良い文章だ。しょっぱなから「印象に残るフレーズを取り上げる」なんてしなきゃよかった。この本を出すにあたっての熱い気持ちが伝わってくる。それでいて自分の名前は出さない慎ましさ。前作「陰謀論と排外主義」もそうだが、ただひたすら、いろんな意味で強い人たちをとりまとめ、その論考を世に出そうと奔走している。活字の世界はこういう人に支えられているのだ。

▽第1章 誰が「田久保眞紀市長」を生み出したのか?(清義明)

『つまり田久保は、移住者と地元民のハイブリッドのみならず、右と左のハイブリッドでもあったのだ』

静岡県伊東市でのあの騒動は何だったのか。ケーススタディとして取り上げる、どこにも出ていない分析。この章があるだけで、すでにこの本の価値はある。メガソーラーや図書館建設の問題など、自分の足を使って、伊東の地域性や歴史まで踏まえながら掴んでいる。清義明はルポライターであり紀行文の名手であると感じる。この共著の直前に出版した「忘れられた旭日旗」(扶桑社)も、各国を歩いて仕入れた新しいエピソードに溢れていてかなり面白い。

▽第2章 参政党はなぜ「地方で9割当選」を可能にしたのか?(黒猫ドラネコ)

『地方選挙に新興勢力が現れて活性化する。そのこと自体は悪いことではないから、余計に「参政党でさえなければ……」と嘆きたくなる』

いよいよやべえ奴らが躍進してしまった25年夏の参院選直後の集会。そこで明かされた「自信」とは。これまでを振り返りつつ、来春の統一地方選での地獄を予見する。ぜひ読んで感想をください。もっと知りたい人は「参政党と大陰謀論時代」(文春新書)も読んでね。

▽第3章 「維新一党独裁」の実情(松本創)

『法律や制度の盲点を突き、「グレーだが違法ではない」やり方で思い通りに事を運ぶ狡猾と独善が、維新には脈々と受け継がれてきた』

大阪に渦巻くおかしな空気感はなんとなく知っていたが、これほど無法地帯のような状態とは。この政党が今は政権与党なのよな…。エグい事例と取材の成果が記されている。ここまで地方政治の汚濁をしっかり定点観察する人がいるのは頼もしい。維新の「粗製濫造」は参政党と大いに重なる部分だ。ちなみに、参政党・神谷代表の「維新の名付け親は自分」から始まる嘘か本当か分からん維新との仲違いの武勇伝は講演での鉄板ネタ。今も言っているのだろうか。

▽第4章 NHKから国民を守る党が破壊した地方政治(選挙ウォッチャーちだい)

『右でも左でもない「下」の層を開拓すれば票を獲得できるという事実を広く認知させた』

比類ないN国党キラー・ちだいの真骨頂。立花孝志が知らしめた選挙ハックについてが書かれている。参政党もそうだが、政治参加することは全く悪くないのに、胡散臭い奴、のちに逮捕される奴、差別的な奴らが悪びれもせず「一発逆転」を狙う流れを作ったのが本当に罪深い。あの人もあの人もN国党の出身であることや、石丸伸二、福永活也、平野雨竜まで幅広く、ネットを騒がせる人の名前がいっぱい出てくる。ウォッチャーには楽しい章だ。いや、しかしこの現実はしんどい。いいちこ水割りでも飲まなきゃやってられないよ。

▽第5章 地方政治はなぜ”荒れて見える”のか?(畠山理仁)

『地方政治は、かつてないほど「可視化される」時代に入っている』

最もページ数は短いが、へずまりゅう、河合ゆうすけらヘイター地方議員のこともしっかり取り上げていて、非常に濃い。なぜあんな候補者が票を集めるのか、選挙の変化、有権者の在り方についてを学ぶことができる。畠山はどんな人も「泡沫候補」とは呼ばないことで有名。候補者一人一人の物語を今日も追い続ける選挙ライターの矜持が垣間見える章だ。SNS選挙の項では、出ると思っていた「あの政党」の名前が一切なかった。そこに静かな怒りを感じるのは私だけだろうか。

▽第6章 兵庫県問題が浮き彫りにする「民主主義そのものの危うさ」(菅野完)

『民主主義は壊れてなどいない。暴走さえしていない。あれが民主主義本来の姿なのだ』

ファンもアンチも多く、激しい人だが、書き手はこうあるべきと思わされる。それが菅野完だ。この人の凄みと面白さは食わず嫌いをせずに読めば分かる。例えば246ページ。斎藤元彦兵庫県知事の性質を取り上げた項で、なんと一切の改行がない。「目を離すな」「集中を切るな」と言われているようだ。そんなページはここだけではない。「加害のショー」「セックス&バイオレンス」……。兵庫県問題とその異常性はこの本の最大のテーマである。圧倒的な説得力とともに情報が叩き込まれ、「民主主義は怖い」を突きつけられる。

***

あらためて、今の政治のおかしさが全て把握できる、ガイドのような1冊だ。現代の記録としても貴重な本だと思う。「なんで選挙がこうなってんの」と絶望している人だけでなく、問題意識の薄い人にもぜひ勧めてもらいたい。

多くの有権者に読んでもらえたら、少しは世の中が変わるかもしれない。

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