日本の危機に立ち向かう…?反ワクチンさんが国内外から大集合。GHFのキックオフミーティング(詳細レポート・前編)
雨は上がっても曇天が続く日曜の正午過ぎ。虎ノ門ヒルズ駅を上がってすぐの綺麗なビルに、中高年や高齢者が次々と吸い込まれていった。
入口前に立つおば様が「コロナワクチン被害者数の最新データでーす」とか言いながら、機械的に延々とチラシを配っていた。
「ああ、また私はこんなところに来てしまったんだな…」と実感する。
6月15日、虎ノ門ニッショーホールで開催された「一般社団法人ガーディアンズフォーヘルスアンドフリーダム(GHF)」のキックオフイベントである。

(せめて綺麗な画像を、と撮った会場前のアジサイ)
GHFとは
まず「GHF」について説明しておこう。
簡単に言えば、これまで反ワクチン界隈で君臨してきた「ワールドカウンシルフォーヘルス(WCH)ジャパン」の後継団体にあたる。
WCHは、海外の反ワク派らによって「世界保健機構(WHO)に替わる組織を」と発足し、イベルメクチンなどの効果を謳い、ワクチンなんてダメだから民間療法とかでなんとかしよう★
みたいな考えの人達の集まりだった。
昨年5月31日、日比谷公園におよそ1万人を集めた「WHOから命をまもる国民運動大決起集会」では、WCHジャパン代表で医学博士の柳澤厚生氏が登壇。
「皆さんは光の戦士です」と発したのが記憶に新しい。
その柳澤氏がGHFでも代表を務める。
もともとWCHも柳澤氏の尽力で日本支部があった。これらの団体には、同氏が長く会長を務めた国際オーソモレキュラー医学会が深くかかわっている。
オーソモレキュラーとは「ビタミンCを摂りまくれ」みたいな療法のこと。当然、日本では医療としての信用度が極めて低いものだ。
トンデモバスターでおなじみ五本木クリニックの桑満おさむ先生によると、「いかにも自然派のみなさんが喜びそうな栄養学風のトンデモ系ニセ医学」である。
WCHジャパンが、何故このたびGHFになったのか。
詳しく書いても仕方ないが、昨秋頃にWCH本部とジャパンとの間でゴタゴタがあったのだ。内輪揉めはこの界隈の文化みたいなもの。
そういうわけで「改称」して臨む今回の再出発の記念イベントには、様々なゲストが出演。さながら反ワク界隈オールスター感謝祭だった。
それじゃ、張り切ってレポートするよ!(毎度おなじみカラ元気)
会場の様子は
受付のある2階エントランスへ。
反ワクさんの好きそうなチラシが所狭しと置かれている。寄付をすると金額に応じたTシャツやバッジなどのGHFグッズがもらえると呼び掛けられていた。
「ワクチン被害者の会」の支援ブースなどもあった。

(チラシの数々)

(寄付でもらえるグッズ)
おそらく出演者が推奨しているのであろう高そうな化粧品や書籍などが売られている。
飲食物の類は全くなかった。場内は飲食禁止で、「近くのコンビニはこちら」と書かれたマップの紙が貼られていた。
ここに来るのは『添加物の害がどうちゃら』みたいな客層だからコンビニはマズいのでは…。文句を言われないか、なぜかこっちが心配になる。
名前を告げて受付を済ませ、3階にあるホールへ。この手の集団が使った会場の中で、最も綺麗な施設だと感じた。改修して昨年オープンしたばかりらしい。
幸いにして椅子の座り心地も良い。手ごろな位置に座り、受付でもらったスケジュール表などを確認した。

(ホール前にも貼られていたプログラム)
ここから7時間もの長丁場だ。先着順3000円のチケット代を払って日曜日をこれに費やす。
こういう身を削ったレポートはもっと読まれてもいいのでは…とか、なぜ僕はいつも無意識のうちにこんなイベントを予約してしまうのだろう…とか、色々と頭をよぎる。
客席はいつも通り中高年・高齢者ばかりが目に付いた。
そこらじゅうで再会を喜ぶ声、オーガニックカフェやサプリの勧誘などがあり、これまでのアレな集会に比較して女性の比率が高めだった。
後列の半分から後ろは入れないようにしており、お客さんはホールの前方にギュッと詰め込まれたような形。およそ200席ほどが埋まっていた。

(ホール内の様子)
多様性は尊重するけど…?
開始時間のブザーが鳴って司会が登場。反ワクさんお気に入りの映画を製作した女性だ。進行は上手だった。
「歴史的瞬間とも言える一日」などの言葉があり、会場が暗くなった。
さあいよいよ始まるぞ。ドキドキ…。ギリリ(奥歯を噛み締める音)
まず挨拶に立ったのは佐々木みのり氏。昨年の衆院選で日本保守党から立候補した肛門科医である。反ワク界隈で屈指のインフルエンサーにしてGHFの副代表は、「7つの理念」を掲げた。
ざっくりとした「自由と人権」などの内容と、しっかり「ワクチン中止」「電磁波、除草剤、食品添加物など様々な環境問題への啓発活動」が説明された。
うーむ、知ってはいたが色々お察しだこれは。

(挨拶する佐々木みのり氏)

(GHFの行動理念と方向性)
最悪だったのは、「多様性を尊重」「少数派を支援する」とか言いながら「ここで言う多様性とは、いま流行りのLGBTではございません」とわざわざ断りを入れたこと。
初手からむき出しの差別心をブチかましてきた。ただ「そうなるわな」とも思った。反ワクさん含むこういう右寄りの人たちは、左派の運動と繋がりがちなLGBTが嫌いなのだ。
「それでは開幕です」。佐々木氏の宣言でスクリーンにプロモーションが流れる。
恐怖を煽るようなBGM。海外のどこかで次々と倒れる人、飢えた子ども達、そして「プロビデンスの目」などが映って、次々と文字が浮かび上がった。
「それは富を簒奪し、環境を破壊し、命を奪う」
「26人の富豪が地球の人口半分と同じ富を有する」
「民主主義を謳う国々は、あのウイルスの登場により一晩で全体主義へと変貌」
「洗脳を思わせるメディアの大合唱、安全性の不確かな遺伝子製剤」
「むき出しのグローバリズム…」
そこに「光の戦士」を思わせる、GHFのシンボルマークが登場。風になびくと、音楽が壮大なイメージを漂わせるものに変わり、また文字が表れた。
「私たちは立ち上がる。簡単でなくても、できることが必ずある」
「日本中が、そして世界が力を結集させる時。グローバリズムと戦う意志…」
「GHF~私たちは声を上げることにした~」
不思議と拍手は起こらなかった。聴衆はすっかり映像に入り込み、それぞれの決意に目を潤ませ、拳を握り、何度も頷いていた。
なんやこの怖すぎる雰囲気は。つらい…。まだ始まったばかりやぞ…。

(GHFのシンボルマーク)
とんでもないメッセージ
震えたついでだ。こちらの都合だが、順番を前後して取り上げよう。
今回のイベントではゲスト登壇の合間に、海外から届いた祝電のような映像を流していた。
事前の告知で「シークレットでスペシャルゲストがビデオ出演!」と大仰に書かれていたのが、一般の方はまるで知らないし知る必要もないタイ系ドイツ人の反ワク医師だった。
「うんうん。そうくるよね」と少し笑顔になる。
で、スクリーンにアップになったその医師は何度も「日本の皆さん」と呼びかけ、語った。
他の海外ゲストは字幕だけだったのに、なぜかこの人には日本語翻訳された低い声がついていた。
「日本のワクチン製造業者や推奨者は権力と金銭の私利私欲のために行動する犯罪者。完全に腐敗して、もはや日本人とは言えない存在」
「mRNAワクチンは危険、それ以外のことに耳を貸さないで」
「mRNAワクチンは必ず崩れ去ります。世界に示してください。ワクチンがもたらした計り知れない苦しみが正当性のない犯罪的な承認で引き起こされたことを」
「日本で開発が進められている自己増殖型RNAワクチンも前例と同様に犯罪的かつマフィアのようなプロセスで進められている」
「今こそ行動してください。過去と現在のワクチン犯罪に加担してきた者たちに、方向転換を迫りましょう」
「叶わなければ、あなた自身、あなたを愛する人々、そして私たちの子や孫たちの人生から彼らを追放してください」
「日本という素晴らしい国の岸辺の遠くで、恥と屈辱のうちに朽ち果てることこそが、彼らにふさわしい運命なのです」
「海外の大物医師」から「ワクチンを奨めた者たちを許すな」と、まるで「行動を促す」ようなメッセージの連打。それが終わると、なぜか会場からは鳴り止まない拍手が沸き起こって…
ひいいいッ!! こ、公安ー!早く来てくれえッ!!
知ってはいたけど、ワイはなんちゅう所に来てしもうたんや…。
(以下の限定部分では、主に前半にあった講演を簡単に取り上げていきます。登壇者は次の通りです。黒木良和氏、原口真一氏、池田としえ氏、河添恵子氏、藤沢明徳氏)
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