大集合「光の戦士」1万人。「WHOから命を守る」日比谷公園の反ワクチン大会、詳報(前編)

日比谷公園での反ワクチン大集会のレポート(前編)です
黒猫ドラネコ 2024.06.03
サポートメンバー限定
***

月末の金曜午後、日比谷公園は湿気と騒音に包まれた。

隣接する厚生労働省に向け、陰謀論集団「日本列島百万人プロジェクト」が罵声を浴びせている。その横でカウンター・デモをするのは毎度おなじみ流浪の反ワクチン活動家、塚口洋佑。相変わらず性能の良いスピーカーで罵声に罵声をかぶせていた。

「厚労省は薬害を認めろー!」(百万人プロジェクト)

「お前らみたいのがいるからトンデモ陰謀論って言われるんだ!」(塚口)

なぜ両者は対立するのか。何を言っているのか。詳しくは聞き取れない。そして、私が今回ここに来た目的はこれじゃない。地下鉄の駅から上がってすぐにこの光景である。

先が思いやられる。

(厚労省前にいた百万人プロジェクト)

(厚労省前にいた百万人プロジェクト)

5月31日午後、日比谷公園で「WHOから命をまもる国民運動、大決起集会」が開催された。

夜までの3部制で、講演の最中に銀座に向けてデモ隊が続々と行進をしていく予定になっている。

わらわらと集まる「ネットで真実に目覚めた」らしい中高年が、右寄りなインフルエンサー達によって反政府的な思想を焚き付けられるイベントの第2回。

4月13日(土)に池袋で過去最大規模の反ワクデモ行進をしたあの集団だ。ええ、またしても、開催されてしまったんですよこれが。

懸念されていた台風はそれたが、曇り空の下に「パンデミック条約反対」「WHO脱退」などを掲げて反ワクチン・陰謀論者さんたちが大集結した。

ねえ台風さん。あなたって、来てもいい時に限って来ないよね。

▽前回の参考

厳密に言えば、今回から諸事情により主催者が変わっている。前回のような仕切りでは厳しいと思ったこともあるのだろうか。

WCH(反ワクさんたちがWHOに代わる組織にしたい集団)日本支部のシャツを着たおじさんおばさん達がスタッフとしてほぼメインで仕切るようになっていた。

(列を整備していたスタッフ)

(列を整備していたスタッフ)

配られまくる大紀元

13時から野外大音楽堂で決起集会(講演会)だ。

11時すぎには、参加したい中高年と高齢者で公園内は溢れかえっていた。金曜日の昼なので年齢層がこうなるのは仕方ないが、それにしても盛況だ。

音楽堂の入り口に向けて横4人ずつで並ばされ、その列は蛇行して折り返しもあり、500メートル以上は伸びていた。

参加人数についての詳しい分析はサポートメンバー限定部分に書く。ピーク時でおよそ1万人は集まっていたようだ。

午前中のうちに雨はほぼ止んだが、木々から雫はずっと落ちて来る。そんな中をみんな(私以外)希望に満ちた表情で並んで待っていた。

(日比谷公園音楽堂前の行列)

(日比谷公園音楽堂前の行列)

参加者の列に張り付くようにして、前回の集会にも取材に来ていた大紀元(中国の気功集団・法輪功のメディア)による頑張れ反ワクチンみたいな特集号が配られまくった。

並んでいたおよそ1時間半で、計7回も違う人から「もらいましたか」と声をかけられる。配布する人員と段ボール箱の多さで、この運動に力を入れているのがよく分かる。

それだけならいい(よくはない)が、同じく打倒中共思想らしき「新中国連邦」とかいう集団による「ウィルスは中国共産党の生物兵器」的なチラシも、片言の日本語のおそらく中国人の方々から延々と配られまくっていた。

そして今回の講演会に登壇する名誉教授らの著書宣伝チラシなどもバンバカ渡されるもんだから、並んでいるだけで紙の束を抱えるハメに。

さらにはWCHスタッフのおば様たちによる「レプリコンワクチンを止める署名活動」が襲って来た。

おそろしいほどに軽々しく個人情報を書いていく高齢者たち。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

ここはいろいろと怖い。いや、知ってたけど。

(署名活動しまくるスタッフ)

(署名活動しまくるスタッフ)

目につく色んな人たち

肌寒い中を1時間半も並んだのに、3053人のキャパしかない野外音楽堂に無事に入れるかどうかが心配だった。(いや、もっと心配することあるだろってのはナシで)

行列の中団ぐらいにいて、この先の列の長さなどを見越して計算すると、私たちの前にもう3000人ぐらいはいるはず。つまりギリギリである。

やはり心配そうにしていた隣のおばあ様から「私たちの前で打ち切られたらどうしよう。うふふふ」と声をかけられた。なんだ反ワクチンババア!などとは言わず、「そうですよねえ…せっかく長時間並んでいるのに」とか真剣に同調した。動機は全く異なるが、中に入りたいのは一緒だ。

で、そんなところにタイミングよく私が最も信頼しているウォッチャーさんが「おや、やっぱりいますね黒猫サン」とばかりに現れた。

どうやら歩きながら列を数えている最中だったらしく、心配する私に「ここまでぐらいは入れそうですよ」と教えてくれた。

それを聞いていたおばあ様が「あの…いま入れそうって…?」とすごく希望に満ちた表情で聞いてきたので、「あの人が言うなら間違いないです。きっと入れますよ!」と私も40年の人生におけるベストスマイルで親指を立てておいた。

入れるんだ。よかった。

ん?よかった……のか?

延々と続く大紀元ニュースなどチラシ配りの爆撃をいなしながら、こんな自分を見つめ直したくて遠くを眺めていると、デモ行進用に作ったと思しきエグみのある旗やプラカードなども次々に視界に不法侵入してくる。

底辺陰謀論ユーチューバーらしき男性がウロウロして自撮り棒を持って列に沿ってライブ中継し、酸化グラフェンがどうのとか言っている。

そして、そういうブツブツ言いながらスマホを掲げる手合いは何人も現認できる。うわぁ…。

「百万人プロジェクト」のメンバーが雨でびしょ濡れのまま颯爽と歩いてきた。つばさの党デモで演説していたおじさんもいる。

あんた、ここにも所属してんのかよ。なんなんだよ…。

参政党シャツを着た野郎が生まれて初めて長い棒を持ったガキみたいに日本国旗を掲げながら嬉しそうに駆け回っている。

誰か殴れよもう…。

旭日旗も多数あり、国旗をマントにしたおじさんがいたり、全身トランプ氏応援コーデのおじさんがいたり…。時間を忘れてすごく楽しかった。

…ごめん。嘘だ。

自分に嘘をつかないとやってられない。寒いし長いし怖い。頼むから早く進んでくれ。

(百万人プロジェクトの主催者毛利氏とつばさの党デモにもいたおじさん)

(百万人プロジェクトの主催者毛利氏とつばさの党デモにもいたおじさん)

(エグみのある旗)

(エグみのある旗)

(主張強めのプラカード)

(主張強めのプラカード)

(サポートメンバー限定部分にはさらにいろんな画像を載せます)

音楽堂内へ

ようやく列がじわじわと動き、予定を少し過ぎた13時すぎに音楽堂へ。

入り口では丸型うちわが無料で配られ、そして、なんと皆様お待ちかねの大紀元ニュースも配られた。って、もうええわ!

入場時に募金をした人はWCH缶バッジがもらえるらしいので、みんな募金箱に群がっていた。

それを横目に私はにっこりと微笑みながら中へと入る。

やはり私たちの周辺で満席になったらしく、残ったわずかな隙間にギリギリに座ることができた。

ああ、よかった…のか?

収容3053人と言っても、木でできた横長の簡素な席なのでアバウト。ぎゅうぎゅうに詰められた。

とりあえず見渡す限りの反ワクチン中高年さんたちを見下ろせるのは前回にはなかったことで、壮観ではあった。

(反ワクチンさんで満席になった日比谷音楽堂)

(反ワクチンさんで満席になった日比谷音楽堂)

WCHの旗はもちろん、チャンネル桜、国守衆(新党くにもり)、ごぼうの党など色とりどりののぼりがステージ脇や後方で揺れている。

なぜここに、あの参政党の旗がないのだろう。

所属区議会議員や党アドバイザーが何人もここに来ているのに。こういうところでヘタレっぷりを見せてどうする。ちゃんと突き抜けられないからお前らはダメなんだよ。

とか思っていると、「ワクチン人体実験阻止」などの数々のキャッチフレーズがかかれた幕の下がったステージに女性司会者が登場した。

いよいよ講演会の始まり。司会者は子供番組ぐらいに優しく「みなさぁん、こんにちわぁ~」みたいな声のトーン。まるで集まった人の知性に合わs(自主規制)

ここからが本当の地獄だ。

(ステージ上に書かれたいろいろ)

(ステージ上に書かれたいろいろ)

「独立記念日に」「光の戦士」

このイベントの共同代表などを務める井上正康(名誉教授)河添恵子(作家)柳澤厚生(WCH日本支部代表)林千勝(現代史研究家)の各氏が登壇した。

反ワクチンさんにとってヒーローたちである。

まずは林氏が「5月31日を日本の新たな独立記念日にしようではありませんか」などと開式を宣言。

会場からは大きな拍手と指笛が鳴り響いた。思わず涙ぐむ人もいる。

早く日本から独立して無人島にでも新しい国を作ってくれないだろうかと思っていると、それぞれの短めのスピーチが始まった。

柳澤氏が「皆さんは光の戦士です。皆さんと一緒にいる幸せを噛み締めています」などと述べた。

「光の戦士」についてはこちらの画像を参考にどうぞ。

(WCHテーマソングの歌詞に登場する「光の戦士」)

(WCHテーマソングの歌詞に登場する「光の戦士」)

はい、とても参考になりましたね(?)

柳澤氏は「私たちの次のゴールはWHO脱退になる」などと述べていた。

しかし、そんなのよりコクがあったのは河添氏の演説だ。ちなみにこの人はいつものことである。「政府や厚労省、WHOはすべて悪魔と思ってください」と述べそのまま会場に「悪魔に従いますか?」と問う。客席から「従わなーい!」と感極まったような声も上がった。

河添氏は続けて「ディープステート(DS)は怖がらせるいろんなプログラムを持っていますが、我々が強い人間なら困るわけです」「人体実験で多くの人に死んでもらおうとしている。その手足になっているのは岸田というクソたちです」と言い、「そうだあ!」と会場から歓声が上がっていた。

次いで「ワクチン被害者の会」から、ご遺族も登壇してスピーチ。こんなやべえ話ばかりが飛び交うところに上げてやるなよとはいつも思うのだが…。

そして、体調不良により欠席となったらしい馬渕睦夫氏(元駐ウクライナ大使)からの「政府が国賊という未曽有の事態」「日本国民は立ち上がりました。おめでとうございます」という内容の手紙が司会者から披露された。

国内最高の反ワクチン国会議員であられる原口一博氏(立憲民主党)の講演もあったのだが、これは後編で重点的に扱うので一旦、後回しにさせていただこう。

「3発目の原爆」

開式宣言をした林氏が再び演台に立った。

「有休をとって参加している人は?」の質問には会場の7割ほどが挙手。

林氏によって「日本を代表するジャーナリスト」と会場最前列にいた山口敬之氏(元TBS記者)が紹介され、山口氏は立ち上がって拍手に応えた。

都知事選出馬を正式発表した田母神俊雄氏(元航空幕僚長)も、林氏から「日本の安全保障の父、田母神閣下」と紹介されて拍手を浴びた。

今のところは反ワクチンさんの投票先としては一番手になるんだろうな。

大歓声を浴びてずっとノリノリの林氏は、「(ワクチンによる)超過死亡数は日本人が無差別爆撃を受けたようなもの」と力強く語り、お気に入りのフレーズなのか「レプリコンワクチンは日本人に向けられた3発目の原子爆弾です!」と述べた。

そして「残念ながら3発目は日本政府、日本のメーカー、日本の医師たちによって日本中に落とされます!」といった内容を叫び、これには客席から大拍手とともに「そうだあ!」と雄たけびが起こっていた。

シュプレヒコールなど身振り手振りのパフォーマンスで盛り上げ続けた林氏。音楽堂から見上げることができる厚労省ビルを指して「今のままなら厚労省は解体!その戦犯は…武見・武見・武見ぃー!」と厚労大臣の名を叫ぶと、会場中からも「タケミ・タケミ・タケミィー!!」と声が上がった。

そんな流れで、「政府の隠蔽体質」という内容に移り、陰謀論なんかじゃない的なニュアンスで、林氏は陰謀論界隈で定番になっている日本航空123便墜落事故(実は撃ち落とされたとする説)を持ち出した。観客の多くは「ネットDE真実」さんなので分かっている、否、目覚めて氣付いているのだ。

そして、林氏が安倍晋三元首相暗殺の真相を探れ(真犯人は別にいるとの説)と匂わせると、なんとここであのジャーナリスト山口氏が、呼ばれてもいないのに自ら興奮気味に客席の方を向いて立ち上がった。そして「お前らもっと騒げ!」とばかりに両腕を何度も大きく振って拍手を煽ったのだ。

うおおおおお!と会場が沸く。舞台上から林氏が山口氏を指して叫ぶ。「ジャーナリズムは命かけなきゃダメなんです!(追究しているのは山口氏)一人だけです!」

そんなエールには地鳴りでも起こったかのような大歓声が

……あの、もういいかなこのへんで。(白目)

このあと、なぜか林氏の音頭で「ニッポンチャチャチャ」を5回やった。会場は「これだよこれ」みたいな喜びようだ。

林氏ファンの間では定番なのかもしれないが、初見には何がなんだかさっぱり分からない。内輪ネタはちゃんと説明してからにしてくれんかな……。

(ジャーナリスト山口氏、田母神氏らも盛り上がった最前列ゲスト席)

(ジャーナリスト山口氏、田母神氏らも盛り上がった最前列ゲスト席)

(反ワクチンさんたちを盛り上げた林氏)

(反ワクチンさんたちを盛り上げた林氏)

「あの人」が名曲とともに登場!?

さてさて、メインディッシュである。(まだあんのよ)

これまでの登壇者の時にはほぼ無音だったのに、なぜか林氏が退場する時になって突如として、会場のスピーカーから音楽が流れ始めた。

「林氏のテーマソングでもあります」と司会から紹介があったのは、

「YAH YAH YAH」(1993年、CHAGE and あの人)

懐かしい名曲が日比谷公園大音楽堂に響き渡る。

なぜか曲はしばらく続き、次の人物の登場までに不思議な間隔ができていた。

心なしか、司会者が舞台袖に目をやり、何か入場のタイミングを確認しているように見えた。

あれ? なんだこの時間は。こ、これは…もしかして…。一気にざわつく会場。

まさか…ついにこの曲の「あの人」がこの集会に参戦するのではないか!? 

そんな会場の情動を背負いながら、司会者は「さあ、そして皆さまぁ? この国民運動の応援団長でございます!基調講演のラストはこの方でございます!!」とすごく嬉しそうに煽ってきた。

あ!これはきっとそうに違いない…!

レッサーパンダみたいに次々と客席から立ち上がる人達。みんなドキドキだ。しっかりスマホを構え、ハンカチを準備して泣きそうになっているおば様もいる。大ファンでドストライクの世代だろう。

この界隈に堕ちてき、ゲフンゲフン、同調してくれている大物歌手のあの人だ。これはもう間違いない。誰だってそう思う流れ。

「え、ウソ、ウソ!?マジ!?」「うわあ、嬉しい!」など大はしゃぎの歓喜の声があちらこちらから上がり、「きゃああああッ!」という歓声と拍手で観客席が揺れる。

YAH YAH YAHのコールと、「殴りにいこうかー!」の名フレーズとともに、憎きWHO、日本政府、厚労省、そしてDSの悪魔にみんな(私以外)で拳を振り上げる準備はもう万端だ!

さあ来たぞ!

司会「お呼び、いたしましょう~!

舞台袖から! ああ、あの、あの真っ赤なシャツ!軽快なステップを踏むかのようにして手を振りながら、ついに現れたその人は!

司会「池田としえ日野市議会議員でいらっしゃいます!」

……ん?

全てが停まったように思える瞬間はたしかにあった。

そして一応、日本の反ワクチン活動の生き字引である池田先生に失礼のないよう「お、おお…おおおおー!」と歓声が上がって時は動き出す。

パンデミック条約反対がどうとか反ワクチンがどうとかは関係ない。誰も口には出さないが、会場のみんな(私含む)のツッコミ思念は、いま一つになってステージに注がれた。

(…お前かい!!!)

(YAH YAH YAHに乗って登場した池田としえ日野市議)

(YAH YAH YAHに乗って登場した池田としえ日野市議)

***

▽次回配信では、原口議員による「ワクチンは兵器」などの講演の模様や、議員らも参加してのデモ行進、そして世界各国の光の戦士が本領を発揮した夜の部をお届けします。

▽あの院長が逮捕された迷惑系ユーチューバーらと一緒に来場? あの元議員と都知事候補者の禁断の反ワクマッチングが成立!? 熱いバトルなど内容も盛りだくさんの後編をお待ちください。

▽以下のサポートメンバー限定部分では、参加人数についての分析、公園内で見た光景などを加工なしの画像で振り返ります。

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