詳細レポート「水からの伝言」を崇めるフェス。ブルース・リーの娘ら出演、波動と祈りを捧げた世界水まつりin江戸(後編)
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疑似科学の洪水
講演に続いて「水と環境パネルディスカッション『水が情報を記憶する』って本当ですか?」が始まった。いや本当ではないですよ。
短めのプレゼンのリレーのような形式で、まずは「オフィス・マサルエモト」顧問のおじ様が登場した。スクリーンを使い、ノーベル賞(生理学・医学)を受賞した故リュック・モンタニエ博士が「水の情報記憶」に関する研究を行っていたことが取り上げられた。

(モンタニエ博士の研究を紹介するスクリーン)
モンタニエ博士といえば、優秀な学者が闇堕ちした代表例と言っても過言ではない。
エイズウイルスの発見などで人類に多大な貢献をした一方で、晩年には疑似科学にがっつり傾倒し、その権威を大きく損なって「ノーベル賞の地位を利用して自分の知識分野外の危険な健康メッセージを広めている」と非難を浴びた。
反ワクチン勢にも勝手に利用されまくっているので、こういう場所で名前を見ると「ああ・・・やっぱりな」と落胆してしまう。
ほとんどの観客がそうした事実を知らないようだ。「有名な博士が研究をしていたんです」といった具合に紹介され、客席は「おおー」「ほぉ」と沸いていた。
仮説と事実を元にした図解が始まり、「いらすと屋」なども駆使しながら話がどんどん進んでいった。やはり途中で「エーテル」「宇宙」「チャクラ」などがどっさり登場。とりあえず「水はすごい」という結論だった。はあ・・・。

(研究のまとめ)
続いてはお待ちかね、EM菌の出番である。正式名称は「有用微生物群」。EMはEffective(有用な)Microorganisms(微生物たち)の略。もともと雑菌のかたまりだから肥料としては使えなくはないのだろうが、次々と生み出されている関連商品の多くの効果が科学的根拠に乏しく「放射能も除去する」などの誇大広告でひんしゅくをかっている疑似科学である。
浴衣を着たスキンヘッドのおじ様が登壇。スクリーンにそのプロフィールが映された。「(株)EM生活」の関係者だそうだ。あとで確認すると、紹介文の左端に小さく関係団体の項目があり、その最後に「ミロクコミュニティ救世神教」とあった。ひい。
EM菌は、自然農法を推奨する「世界救世教」が使用することで国内外に拡がったのだが、「ミロクー」はその派生団体である。こうしたEM菌を推進する方々の宗教的な側面やカルト性が忌避される要因の一つになっている。
ここからEM菌の会社の大宣伝が始まった。EM菌を使った「地球トイレ」という活動をしているようで、野外コンサートの仮設トイレなどで「匂いがしなくなった」と評判を呼んでいることがPRされる。
EM野菜(EM菌を使って育てた野菜)を食べると善玉菌が増え、その排泄にEM菌を使ったトイレを利用し、下水から川や海へと循環して「地球蘇生」を目指すのだとか。

(「地球蘇生」の解説)
こうした話から、だいぶスピった展開になり、「大和魂」とか「与えた縁が自分に戻ってくる」だとかの精神性の話になっていった。
着実に宣伝活動が進んでいると感じた。EM菌は今なお、その効能を信じる教師が学校のプールに撒かせたりするケースがあり、みんなで海に撒いたという話が美談として取り上げられ、関連商品が被災地に配られたりもしている。善意にくるまれたトンデモが社会に溶け込もうとしていないか、教育界や自治体はしっかりと見極めてもらいたい。
疑似科学の洪水のような時間はまだまだ続く。これぞ水攻めだ。司会者の江本(息子)から、このイベントの本筋「水からの伝言」が紹介された。
江本勝の書籍は40カ国語に翻訳され、70カ国で販売されているのだとか。
もはや説明不要だろうが、スクリーンには「水に音楽を聴かせた時の結晶の形の違い」などが取り上げられた。ヘビメタを聴かせると激しくなり、「イマジン」を聴かせるとまるで平和を思わせるクローバーのような鮮やかな形になったという。

(これが噂の「水伝」)
「水に音を響かせた」ことで何らかの影響が出たと検証するなら、百万歩譲って信じられなくもない。が、この次に紹介されたのは「水に言葉を見せる」だった。
「ありがとう」を見せると綺麗な結晶で「ばかやろう」を見せるとグズグズになったという写真が大きく映された。
「愛・感謝」を見せると最も美しい結晶になったそうだ。んなアホな。

(らしいです。ふぅん)
「水に聴かせる」までは聞いたことがあったけど、「水に見せる」ってなんだ。視覚はないだろ。いや待て待て、聴覚もないわ。こんな当たり前のツッコミをさせるなよ。悲しくなるだろうが。
ここまでくると無理やりの擁護も無理だが、いや、百億歩譲って水面に文字が反射したことによる何らかの影響が・・・うーん、ないなあ。
私などがツッコんでも仕方ない。これらのバカバカしさについては「水は答えを知っている」(江本勝)の秀逸な反証本「水はなんにも知らないよ」(左巻健男)をご覧いただきたい。
ニセ科学を見抜く知識が身につく名著である。これまでも何度か薦めてきたが、今はKindle Unlimitedなら無料でも読める。本来はこっちが70カ国で販売されるべきだろう。
「ウチュウのムゲンのチカラが・・・」
さて、水まつりの目玉「世界との交流」が始まった。
まずはビデオメッセージ。なんとブルース・リーの娘であるシャノン・リーが登場し、スクリーン越しに世界水まつりへの熱いメッセージが送られた。
父ブルース・リーと水との関わりは深いそうで(水との関わりが薄い人間なんかいるのかという疑問はさておき)、「父は水から知恵を得ていました」というエピソードが

