奇祭!「トランプ必勝祈願」デモ、巨大神輿が銀座~東京駅前を練り歩く

道行く方々が注目したデモについて行きました
黒猫ドラネコ 2024.09.27
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いよいよ米大統領選まで残り2カ月を切った三連休初日の21日(土曜日)、ドナルド・トランプ氏を応援する集団により「必勝祈願デモ行進」が大々的に開催された。

どこで? 東京で…。

アメリカ人が来てるの? いや全員日本人だと思う…。

…あの、なんかごめんな……。

正午を回ると、日比谷公園の中幸門付近に高齢者たちが続々と集結。その数は最終的におよそ150人に膨らんだ。すぐ前の車道で圧倒的な存在感を見せたのは、3メートル以上はあろうかという巨大「トランプ神輿」だ。

(日比谷公園前の道路に停められたトランプ神輿)

(日比谷公園前の道路に停められたトランプ神輿)

集合時間の12時半過ぎ、五列縦隊を作った参加者に向け、山ほど用意されていた横断幕や旗やプラカードなどが次々に配布されていった。

元からTRUMP2024と書かれたキャップを被り、Tシャツなどを着て駆けつけた人が大多数。みんな何かしらトランプ氏に関連するグッズを装備していることになった。

こうしたものがしっかり準備されているのは凄い。その情熱を他に向けられないものか。

(デモ隊に配られた旗や横断幕)

(デモ隊に配られた旗や横断幕)

熱心なウォッチャーたちは神輿を組み立てる時間に間に合わなかったことを悔しがっていた。

この日のために分解されて福岡からフェリーで上京したという巨大トランプは、元美術講師の男性が3年がかりで造ったものだそうだ。試作を経て、ついにこのほどホンモノが完成したらしい。

プロトタイプからは大幅に改良されており、両腕が上下に動く(手動で棒を持ち上げる)ギミックがついた。そして青い目がピカピカ光る仕様。背中には観音のごとくピンクのハートマークを後光としたメラニア夫人像が鎮座していた。まるでデモ隊を守護するかのように…。

誰もが唸る精巧な作りもさることながら、材料費でかかった100万円以上は全て自腹なのだそうだ。ひええ~。

その情熱を他に向けられないものか。いや、かくいう私も何を詳しく取材しているんだか。

巨大トランプの前にトランプグッズまみれで並ぶ高齢者メインのデモ隊。その周囲をぐるりとウォッチャー、警備の公的機関の方々などが取り囲んだ。

この行進は実は初めてではない。3、4年前にも各地で開催され、一部で話題にはなっていたものだ。

そしてデモ隊の中には、ちらほら知った顔もあった。

すっかり国内の反ワクチン集団の主流と化した通称「国民連合」の立ち上げにも尽力した元自衛官・佐藤和夫氏。反ワクデモに参加していた中高年の面々はもちろん、揃いのシャツを着た幸福の科学信者の方々、ウォッチャーにはおなじみのサンクチュアリ教会の信者男性、そして「安倍元総理暗殺の真犯人は別にいる」の講演で司会を務めていた男性まで。ラエリアン・ムーブメントのネックレスをした人物もいて、話しかけられたウォッチャーもいたらしい。

カルトと陰謀論の宝石箱や~。

これぞトランプ応援団の皆さん、という軍勢である。こんなこと書くとすぐに「印象操作だ」とかなんとか言われるが、実際そうなんだからこれはもう仕方がない。

(藤倉記者がこうした参加者を網羅して動画を公開しているのでぜひご覧ください)

並んでいた参加者が拍手して沸いたのは、幸福の科学の元幹部・及川幸久氏の登場だった。

反ワクチン・陰謀論界隈のインフルエンサーとなって絶頂期を迎えている御仁。参加者が興奮気味にツーショット写真や本にサインを求め始める。

そのどさくさに紛れて(?)、幸福の科学を長年追い続けてきた藤倉氏も、及川氏とにこやかに記念撮影に成功。巨大トランプさんも優しく見守ったこの歴史的シーンにウォッチャー勢が沸いた。

しかし、誰かに耳打ちされて気付いた及川氏がすぐ戻ってきて「あんた藤倉…さん?」と大慌て。

いやあ、こんな熱い現場はなかなかないよ。

(及川氏=奥=にツッコまれながら談笑する藤倉記者)

(及川氏=奥=にツッコまれながら談笑する藤倉記者)

さあ時刻は開始予定の13時を回った。

まずは厳かにアメリカ合衆国国歌『星条旗』がトランペットで響きわたる。警察車両に先導されながら、及川氏、佐藤氏らを先頭にゆっくりと歩きはじめた一団。目を閉じて何やら感慨深げな参加者もいた。

緊張感を漂わせるデモ隊とは対照的に、「うおおお!始まったぞおおお!」と盛り上がるのはウォッチャー陣ばかり。

ベストショットを狙って、私服の公的機関の方々とともに歩道を駆けていく。

「トランプ大統領とともに!」「メイクアメリカグレートアゲイン!」などのシュプレヒコールが響いてきた。

お前らほぼ全員日本人やろがい、とは誰もツッコまない。

沿道ではアメリカ人らしき初老のご夫婦が興味深そうに一緒について歩いていた。

偏見で申し訳ないが、入れ墨だらけのワイルドな風貌だったのでトランプ支持者かもしれない。実は最後までいたのだが、デモ隊に招き入れられるようなことはなかった。

最初の方で二人と目が合ったので一応、「入らないの?」みたいにジェスチャーをしてあげたが、遠慮するように首を振って笑っていた。

(ついに日比谷公園を出発したデモ隊)

(ついに日比谷公園を出発したデモ隊)

銀座は騒然

日比谷公園前は内幸町から新橋方面への細い道に人通りは少ない。だが、すぐに有楽町へと抜けていく西銀座の大通りに入ると、やはり土曜日の昼下がりで賑わっていた。

行きかう人々がみんな等しく「ギョッ」とした表情を見せる。通り沿いの店内から口をあんぐりと開けて見つめる人もいた。

道行く人の視線に満足そうに手を振ったり、サムズアップしたりしながら、どう見ても日本人だらけの集団が「メイクアメリカグレートアゲイン!」を連呼しながら歩いていく。なかなかの絵面だ。

平和ボケした銀座の日本人どもを恐怖のどん底に叩き落してやれぃ!食らえ!トランプパーンチ!腕ぐいーん!(やめとけ)

沿道には外国人観光客も多く、「なんだあれは!」という感じで嬉しそうにスマホで写真や動画を撮りまくっていた。

どうか、これが日本の日常だとは思わないでほしい。(まあ毎週末のようにこの手のトンデモ・デモは行われているのだが…)

そんな調子でデモ隊は数寄屋橋交差点に到達。数千もの好奇、ドン引き、嘲笑が綯交(ないまぜ)となって注ぎながら、不二家の名物大看板も巨大トランプ氏を見下ろす圧巻の構図だ。

ここぞとばかりにトランプの青い目がビカビカと光り始める。(ずっと光っていたのかもしれんけど現認したのはこの辺から)

それを見て爆笑する若者たちの声が「トランプ報道はとても偏っている!印象操作に騙されるなー!」などの爆音にかき消されていく。ここでのトランプの印象を作ってるのはあんたらなんやで…。

有楽町付近ではスピーカーから「バイデン政権でアメリカは弱くなった!」とのコールが響いた。

日本語が分かるらしい白人男性が「日本人ってアメリカが弱くなったと思ってるの?」と隣の日本人らしき女性に尋ね、「いや、あの人たちだけじゃない?」と困らせていた。

ずんずんと東京駅前まで進むデモ隊。

ふふふ、お前ら知っているか? 高速バスのロータリーやタクシー乗り場があるのでそっち側でついて歩いて行っても意味がないんだぜ。いい絵が撮りたいなら向かい側の沿道を行くのさ。トンデモ・デモ行進観察のプロにとっちゃ常識よ。

…暇なの? とか言うなお前ら。クソ忙しいなりに工夫して時間作ってこういうのを日々観察する苦行を自分に課してんだよこっちは。(前世のカルマか何か背負ってんのかな)

(東京駅前を行くデモ隊)

(東京駅前を行くデモ隊)

「トランプは児童人身売買を暴いて子どもたちを救った!」だのなんだのを叫びながらデモ隊はプラカードと巨大な腕を振り振り、ぶんぶんと進んだ。

さきの暗殺未遂を受けて叫んだという「ファイト!ファイト!ファイト!」の掛け声に合わせ、大きな青い目がまるでアメリカと日本の未来を照らすかのように輝いている。

いや、ごめん、こういうのを書いてみたかっただけである。

ああ、この高揚感…。最高の行進だ。トランプさん、ありがとう(やめろっての)

最終地点の常盤橋公園へと進む。

新札の顔となった渋沢栄一氏の銅像と、ごく一部の人達がもうドル札の顔でもいいと思っているであろうトランプさんの夢のコラボがここで実現した。

(トランプ神輿にドン引きしたような渋沢栄一像)

(トランプ神輿にドン引きしたような渋沢栄一像)

(▽以下はサポートメンバー限定。終着地での集会の様子と写真多めでお送りします。)

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