ゆうこく連合と原口一博氏の反ワクチンな日々(特別企画)

これまでどういう活動をしてきたかをまとめます。
黒猫ドラネコ 2026.01.25
誰でも

どうも、黒猫ドラネコです。

おかげさまで「トンデモ観察記」は5年目を迎え、メール登録者総数2万6000人を突破しました。信じられないような社会的地位のある方が読んでくれていたり、公的機関の方々が参考にしてくださっていたりと、そんな話を聞くたび身が引き締まる思いです。

今回は衆院選直前の特別企画として、取り上げておいた方がいい集団の動きについて、これまでの情報をまとめます。当レター読者なら何度も目にしたことでしょう。

元総務大臣でもある原口一博議員の「ゆうこく連合」です。

立憲民主党と公明党が合体した中道改革連合を拒んだ原口氏は、自らが作っていた団体を政党化するとして独立しました。

当初は賛同議員がおらず、公職選挙法上の政党要件は満たせない見込みでした。が、24日に元名古屋市長の河村たかし氏との合流と、参政党を離れた鈴木あつし氏らを集めて「減税日本・ゆうこく連合」を結成したことを発表。来たる衆院選には28人の候補者擁立を目指しているとのことです。

そもそも「ゆうこく連合」とはどんな属性の集団なのか。正確に把握しているのは、原口氏を除いては歴戦のウォッチャー諸氏だけでしょう。ネットニュースなどでも「原口新党」ぐらいのざっくりしたイメージでしか報じられていません。

そこで、これまでに原口氏と「ゆうこく連合」が登場した当レターの記事などを貼りながら振り返っていきます。各メディアの方々はぜひご活用ください。

選挙に向けてはさらに、毎回恒例の「26年衆院選の反ワク・スピ・陰謀論者な候補者一覧」も企画しています。ぜひメール登録して次回以降の配信をお待ちください。

私の活動と発信を支えてくださるサポートメンバー登録も待ちしております。引き続き、トンデモ集団などについて有益な情報をたくさん流せるように頑張ります。

また、衆院選投開票日の2月8日(日)には、気鋭の陰謀論研究家でもあるライター雨宮純さんと恒例のトークライブを開催します。場所はネイキッドロフト横浜で昼12時開場です。

このタイミングでの開催は全くの偶然で、日時的に選挙の話は多くできませんが、最新の陰謀論集団の動向や、スピ・ビジネスの定点観測の成果など楽しく語りたいと思います。

お近くの方はぜひ投票に行った後にお立ち寄りください。

来場チケット、ライブ配信チケット(あとから視聴可能)が好評発売中です。ご購入よろしくお願いします。

***
ゆうこく連合と原口先生

ゆうこく連合とは何か。もう簡潔に言っちゃうけど、「原口ファンの反ワクチン集団」である。これにて今回のレターを終わりにしてもいいぐらいだ。

前回の2024年第50回衆院選を前に、原口一博議員が289小選挙区に支部を作るとか言って立ち上げた政治団体。正確な活動開始時期は不明だが、とりあえず陰謀論ウォッチャーの面々が把握して「なんか原口パイセンが政治団体を作ったらしいぞ」「立憲民主党さん、これどうすんのよ・・・」みたいになっていたのが24年秋頃だった。

それまでの原口先生といえば、反ワクチン・デモ行進などに顔を見せ、その集団のインフルエンサーらに受け入れられて喜ばれていた人だった。

印象深いのは24年5月、日比谷公園に1万人近くを集めた(反ワクさんたちの中では10万人ぐらい来たことになっている)「光の戦士」大集会である。

(記事内に前編のリンクあり)

「WHO脱退」をテーマにしたこのイベントで、原口先生は日比谷公園野外音楽堂のステージに登場。新型コロナワクチン接種について「国会議員の一人として皆さんにお詫び申し上げます」と勝手に謝罪し、「止められるはずだった…亡くならなくてよかった救えた命を分かっていながら(ワクチンを)止めない政府を、倒そうじゃありませんか!」と叫び、集まった反ワクさんたちを熱狂させていた。

その後のデモ行進では「ワクチンやめますか、それとも人間やめますか」などと書いた不穏なプラカードとともに歩いたが、予定があったのか数百メートルほどで離脱した。

(デモ行進する原口氏)

(デモ行進する原口氏)

こうした一連の反ワクチン集会は24年春頃から活発化していた。

反ワクの医師や議員、インフルエンサーらで構成される「WHOから命を守る国民運動」と「mRNAワクチン中止を求める国民連合」(通称・国民連合、国民運動)をはじめ、反ワクさんたちがWHOに代わる組織として期待する食事療法をメインとした代替医療の団体「WCHJ(World Council for Health Japan=ワールドカウンシルフォーヘルス・ジャパン)」が結集。

そこに新党くにもり(チャンネル桜)が保守系思想のエッセンスを加えた形で、日本史上初のワクチン反対大集団を形成していた。

なお、この集団の中には参政党アドバイザーを務めたり、党のイベントで講演したりするような人物も多いが、参政党自体は表向きはこれらにほぼ加担していない。そもそも参政党はゴリゴリの反ワクチン・陰謀論者さんたちに「ビジネス反ワク」「ビジネス陰謀論」と見なされて嫌われている。

このへんの関係性はぜひ抑えておいてほしい。

ついでに、WCHJが内部崩壊してGHF(Guardians for Health and Freedom=ガーディアンズフォーヘルスアンドフリーダム)になったことも覚えてくれたら、貴方も立派なトンデモウォッチャーだ。ぜひ頑張ってほしい(?)

(原口先生が映像出演したWCHゲストの集会)

こうした反ワク集団の動きに呼応するかのように、原口先生は製薬大手のMeiji Seikaファルマが手がけたワクチン(レプリコンワクチン)について「日本人はモルモット」などと罵詈雑言を吐き散らかし、出版までしてしまった。

ただ、実はこのような言説は原口先生が最初に発したものではなく、反ワク界隈では当たり前のように飛び交っていたものだ。特に「国民運動」と称して開催される反ワク大会の中心人物である作家・林千勝氏らはもっと激しい言葉を使いまくっている。

ちなみに林氏は「ワクチンは3発目の原爆だ」と言いながらも、「広島長崎に落とされたのは原爆ではなかった」と主張している(後述)。いったい何を言っているか分からないと思うが、分かろうとしなくて大丈夫。そういう人なのだとだけ覚えておけばいい。

で、原口先生の「ゆうこく連合」が本格的にそういう反ワク大会の中でお目見えしたのは、24年秋に開催された有明でのイベント。ここにたくさんの旗が立てられて宣伝されていた。

その有明大会は、反ワクさんたちが映画を撮るんだと意気込んでいた一大イベントだったが、バイト代を払ってデモ行進要員を動員したことが発覚する。盛り上がりを水増ししたいと考えたのであろうタニマチ的存在(夜の町を仕切る御方)が暗躍し、本来の目的で集まった反ワクさんと変わらない規模のカネ目的の若者が公園を埋め尽くすことになった。

このバイト動員は、社会問題になっていた「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」の加担も報じられるなど大騒動に発展。あんなに楽しそうだった反ワク大会はここで社会的に死んだ。

そんなサクラ騒動のインパクトによって、「ゆうこく連合」本格お披露目はウォッチャー勢でさえもどうでもよくなり、「ゆうこくの旗の龍のシンボルが反ワク陰謀論集団『神真都Q』にちょっと似ているよな」ぐらいの雑な印象にとどまっていた。

(ゆうこく連合と神真都Qのシンボル)

(ゆうこく連合と神真都Qのシンボル)

ただ、これ以降のゆうこく連合は原口人脈もあって、政界関係者と反ワク・陰謀論者さん達を着実に結びつけていく。

その影響力は立憲民主党内だけにとどまらない。SNS上には超党派の交流勉強会などの情報が出回り始めた。私のもとに「あれってなんなんすか?」と記者やメディア関係者からの問い合わせが来るようになった。「立憲民主党はなぜ放置しているんですかね?」との質問には「こっちが聞きてえよ・・・」と返していたことを思い出す。

(SNSに出回ったゆうこく連合の勉強会情報)

(SNSに出回ったゆうこく連合の勉強会情報)

ゆうこく連合の水面下での動きはひとまず置いといて、この24年秋には、原口先生たちに言われ放題だったMeiji Seika ファルマが対応を始めていた。同社はレプリコンワクチンへのデマを発信していた反ワク「国民連合」メンバーの一部と原口氏への警告を発し、それでも謝罪撤回をしなかった原口氏への提訴を発表した。

これに黙っていなかったのが、一連の反ワク集会にデモのノウハウを供給し続ける新党くにもりである。

「原口先生を提訴するなら俺らも被告に加えろ!」みたいなことを言いながらMeiji Seikaファルマ本社前でデモ活動をやってしまう。原口氏がこれをどういう心境で見ていたのかは分からない。

このように、まるで悪の組織であるかのように反ワクさんたちの怒りが向けられてしまっていたMeiji Seika ファルマであるが、毅然とした対応を続けた。本当に頭が下がる。

原口氏提訴とともに界隈に打撃を与えたのは、反ワクチンさんたちのバイブルとなっていた「私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭」(方丈社)の欺瞞を暴いたことだろう。

Meiji Seika ファルマ社員「有志チーム」がワクチン接種後に亡くなった同僚を思って書いたという触れ込みの本だったが、このチーム結成が全くの捏造。単純に反ワク活動に傾倒していた社員一人によって書かれたという社内調査が詳らかにされる。しかも、その社員と亡き同僚は接点がなかったという報告まで。それなのにまるで親しげだったかのように書かれていたもんだから、かなりの胸クソ案件であった。

サクラ騒動に続き、このような「やっぱり反ワクチンの人達って・・・」な事実が発覚したにもかかわらず、反ワクさんたちは「知るかそんなもん」とばかりの開き直りを見せ、翌25年にも集会を繰り広げる。

この界隈の重鎮・池田としえ氏(元日野市議)をゲストに開催された2月の川越での集会では、「原口先生を総理に!」との主張もあった。ウケ狙いではあったものの、マジでそう思っている人もいるのが恐ろしい。

で、そんなごくごく一部の人類の熱い応援はともかく、原口先生はMeiji Seika ファルマにマジで提訴されてしまう。

25年3月の第一回期日を前に、なんと先生は毎朝恒例のライブ配信などでほとんど裁判開始の告知を出さなかった。「総理になって!」ぐらいに思ってくれている人達に支援を求めないという謎の戦法。だから第一回の裁判傍聴にそういう感じの人は来ていなかったし、ゆうこく連合らしき方々も見当たらなかった。

もしかして、あまり騒がずにそっとしておいて欲しいのか・・・?

さて、25年のトンデモさん達のトレンドは財務省などの「省庁解体」だった。

ブームに便乗する形で、有明サクラ騒動で社会的にお亡くなりになったはずの反ワク「国民運動」は起死回生のイベントを企画。厚労省などをターゲットにした省庁解体のデモとともに、500人限定ではあったが、銀座方面への大行進を実施した。24年と同じく日比谷公園からスタート。ゆうこく連合の旗を掲げる梯団も練り歩いた。

ウォッチャーの誰もが見逃していたが、ここには原口先生もしっかり参加していた。しかし、特に声を発するわけでもなく、先頭の林千勝氏らに迎えられて少しの距離だけ行進するという参戦の仕方であった。しかも自分が立ち上げたゆうこく連合の梯団と一緒に歩いたシーンは確認されていない。

あんたが立ち上げた団体とちゃうんか・・・?

そんなお茶目(?)な原口先生ではあるが、トンデモ界隈の集会などに招かれるたびにゆうこく連合の宣伝はして回っていた。

黒猫ドラネコ
@kurodoraneko15
「日本と世界の真実を(略)」イベント。4時間半の講演会に約200人の高齢者が集結。池田としえ日野市議が「ワクチンは危険極まりない毒」「川崎病もワクチン病」などと語り、原口一博議員(立民)は自身がMeijiSeikaファルマから訴えられたことに「こんな国あり得ない。勝ちましょう皆さん!」と叫んだ
2025/05/27 18:31
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黒猫ドラネコ
@kurodoraneko15
こちらの講演会で原口一博議員にマイクをつけていた人。ほんの一瞬だったけどナメてもらっちゃ困る。撮るよこういう場面は。
黒猫ドラネコ @kurodoraneko15
「日本と世界の真実を(略)」イベント。4時間半の講演会に約200人の高齢者が集結。池田としえ日野市議が「ワクチンは危険極まりない毒」「川崎病もワクチン病」などと語り、原口一博議員(立民)は自身がMeijiSeikaファルマから訴えられたことに「こんな国あり得ない。勝ちましょう皆さん!」と叫んだ https://t.co/BoMEnR6wxG
2025/05/27 22:06
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この頃には多くの人が「本当にあるの?」と半信半疑だったが、しかし25年6月には参院選に向け、ゆうこく連合の各支部集会の発信は本格化していく。

さいたま市内で支援者120人ほどを集めたイベントでは、真偽のほどは不明ながら、原口先生により「全国で3万人超」との支持者の規模が公表された。

黒猫ドラネコ
@kurodoraneko15
立憲民主党の内部に突如として出現した「ゆうこく連合」。主に原口一博氏の支持者で構成される「立民の中の参政党的な人達」の講演会は4日、さいたま市内で中高年120人ほどが参加して開催された。原口議員のほか川田龍平議員、小宮山泰子議員が演説。反ワクチンの主張で持ちきりになった。(続)
2025/06/04 22:06
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X上にはゆうこく連合の各都道府県支部アカウントが散見されるようになり、原口先生の活躍抜きでも一定の盛り上がりを見せていた。

一応は立憲民主党内部にできた集団(もちろん党外からも参加可能のはず)なので、原口先生の属する党を応援する部隊であるべきだが、ゆうこく支部アカウントは25年夏の参院選で「私達の選挙区では参政党の候補者を支援します」みたいな宣言をする始末だった。これを立民が放置していたことは意味が分からなすぎる。

とにかく、選挙の争点でもなんでもなかった「ワクチンの害」について触れてくれる候補者を応援する集団になっていた。

原口 一博
@kharaguchi
「富永あけみさんは、ワクチンについて触れなかったので参政党候補を応援しました。」ある佐賀1区ゆうこく連合世話人。

その結果、富永あけみさんは、落選しました。自民党の候補が当選しました。
2025/10/25 01:04
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9月開催の反ワク大会には、すっかり世間的に興味が薄れたワクチンの話題だけでなく、「エボラ研究施設を作るな」という主張が加わった。だが、これも結局「エボラの恐怖を煽って国民にワクチンを打たせようとしているんだぁ」みたいな陰謀論的な反ワク説である。

この集会には原口先生ももちろん参加した。講演の登壇前には、ゆうこく連合のシャツを着た一団から挨拶される場面もあった。

このイベントは、ご覧の通り「南京虐殺は嘘」「原爆は偽造だった」のような珍説が発せられたホンモノたちの集まりであった。

著名な国会議員でありながら、そういう場所にほいほい参加し、アレな人達と関わってはお墨付けを与えてしまう原口先生に、立憲民主党はしっかり対処しないといけなかった。

私が原口先生の動きをXで投稿するたび、いつも立民の議員さんや関係者から多数のいいねがついていた。やはり党内から「どうにかしろ」という声が集まっていたようで、執行部が動いていたという情報もある。しかし、今となっては何もかも遅い。

中道改革連合の結成に合わせて「嫌になったから自ら出て行ってやった」と、ある種の「信念」みたいなものを世間にアピールされてしまった。そのうえ知名度の高い河村氏らと合流することで、泡沫政党扱いとはならずに大きく取り上げられている。新党としては好スタートだ。

案の定、当レターで取り上げてきた反ワクさん達も続々と集まっていた。

黒猫ドラネコ
@kurodoraneko15
原口一博のゆうこく連合。記者会見には村上康文、吉野敏明、林千勝、石田和靖、原口、水島総、石濱哲信が並び、一昨年からの反ワクチン国民運動のメンツそのまま。もはや反ワク・陰謀論・排外主義者のオールスター感謝祭です。参政党を凌駕する「ネットDE真実」な方々が国政に入り込もうとしています
2026/01/20 15:58
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日本の政治は「原口新党」の誕生で新たなフェーズに入ってしまうかもしれない。

「こんなもん誰も信じないだろ」と楽観視はできないはずだ。参政党みたいなのを支持してしまうような有権者も一定数いて、何のきっかけではじけて躍進するか分からない時代である。

メディアの皆様には、しっかり「反ワクチン・陰謀論界隈」の動きをチェックする機能を携えてもらいたい。私も協力は惜しまない。

(黒猫ドラネコ)

(ちょっと可愛いデザインやめれ)

(ちょっと可愛いデザインやめれ)

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ゆうこく連合についてはこちらもぜひ参考に。この界隈に詳しいウォッチャーはまだまだたくさんいます。

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