【潜入ルポ】目覚めた中高年の春祭り!チェロやバレエから「参政党は世界の潮流」「我々が明治維新の志士」参政党政治資金パーティー2023①

参政党の第3回政治資金パーティー潜入ルポ①です
黒猫ドラネコ 2023.03.06
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今回から参政党の政治資金パーティー潜入ルポを連載します。

ご期待に応え、3月4日(土)のお昼から新宿区内のホールでおこなわれた「春のBAN政り(まつり)」に入り込んできました。

え、去年の夏も見たって?

仕方ねえだろ、今年の春もやっちまったんだから!こっちだって見たくて見てんじゃねえんだよ!グローバル勢力とか世界統一政府とかビル・ゲイツとかの工作員としての仕事があるんだよ!(ヤケクソ)

参政党員の皆様へ。

今回は表に出したくない情報がたくさん含まれるから「BANまつり」なのでしょうね。

でも、「与党になる」なんて国政政党が、公開できないようなことを言うって時点でおかしいと思いません?政治に限って言えば、国民に向けて正しいことを言っているならそこまで少数派にはならないと思いますし、世の中がおかしくて自分達が正しいんだってのはただの傲慢ですよ。私はそんな集団に政治をやって欲しくないですね。現政権がどうなのかってのは置いといて。

自分達だけが知っているとの優越感を持ちたいなら別ですが、いちいち「タブー」だの「真実なのにみんな気付いていない」だ何だのと誤魔化してないで堂々としていればいいんですよ。その論調で選挙にも出るんでしょう?

BANされる!言論統制だ!って、自分らだけで喚いてないで、なにかおかしくないのか、別の意見から判断してみませんか。賛同者のなれ合いばかりじゃなく、違う目線からの感想も読んで知ってみないと不健全でしょうよ。

だいたい4回ぐらいでまとめようと思います。

大半を無料で読めますが、有料部分も設けます。もしよかったらご祝儀でも、原稿料としてでもいいので有料購読していただけたら幸いです。最速で記事が届き、これまで配信した記事も全文読めるようになってお得です。

参政党員さんは10万人ぐらいらしいので、登録者20万人を目指して頑張ります。党員がきちんと反対意見からも学ぼうという意欲のある人ばかりだといいですね。

皆さまもぜひご検討を宜しくお願いします。大切に活用させていただきます。

(今回の有料部分)

▽府知事選出馬、吉野敏明氏の「タブー」は居眠り続出!

どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

はじまりはじまりー

**************

行列のできるパーティー

 穏やかな日差しが注ぐ土曜日の午後。

 風はまだ冷たいが、春はすぐそこだ。学生の町、高田馬場。みんな新たな芽吹きに期待を膨らませるように歩いている。

 芝生では子ども達が無邪気にはしゃいでいた。それを眺めながら私はため息をつく。遊び場をぐるりと囲むほどの行列が伸びているのだ。階段を上らされ、目的地の会場の真上にある公園である。入り口まで200メートル以上はある。ああ…。

(長蛇の列。この広場の真下が会場)

(長蛇の列。この広場の真下が会場)

 本日はこちらベルサール高田馬場で、国政政党になってしまったトンデモ集団、参政党が「春のBAN政り」と称して政治資金パーティーを開催する。

 仕切りが悪すぎて20分前だ。オレンジ色のジャケットを着たスタッフが「一般席はこちらへお並びください」と慌ただしく叫び、走る。一般席は事前決済で2万円だ。万券を2枚出してこんなに並ばされるイベントを私は知らない。果たしてこれで開始に間に合うのか。

 前に並ぶおば様達3人組も「大丈夫かしら」と心配そうだ。「でもこれが参政党よね」とキャッキャウフフの笑いが広がる。やかましいわ。最近の参政党員はそれを言えば済むと思ってるフシがある。

 QRコードの出し方が分からないと言って揉めているご年配の方をたくさん見る。それで入り口が混んで進まないのだろうか。こんな高齢者ばかりなのにQRコードで入場なんかやらせるんじゃねえよ……。

 なんとか辿り着いた受付。大混雑の中、にこやかなスタッフにスマホ画面のコードを読み取ってもらう。パンフレットと小さな記念品の箱を受け取った。 「参政党ゴレンジャー(幹部)」のキーホルダーだ。

(配られたパンフレットとキーホルダー)

(配られたパンフレットとキーホルダー)

 昨年8月に幕張メッセでおこなわれた第2回政治資金パーティー「予祝」では一般来場者には全く何も渡されなかったので、ここは進歩しているのだろう。

 前回は鮮やかなオレンジ色だった再入場用のリボンのリストバンドが今回は緑色だったことだけが解せない。そこは党カラーにこだわれよ…。どんな事情か知りたくもないけど。

 ロビーが狭いので、物販コーナーの行列がぎゅうぎゅうのギッチギチになっている。党グッズが詰まった1万円の福袋や、5000円分購入特典の優先入場パスには商魂を感じた。

 一方で、すぐそばのゆとりを持った机とイスが複数用意されているスペースは寄付受付コーナー。お金持ちにはとても見えないご老人や中年の方々にスタッフ一人ずつがぴったり付いている。山王工業の一之倉ばりのマンツーマン徹底マーク。政治にはお金が必要なのだなあ。

 エスカレーターで地下に降りるとすぐ「腸レボリューション」として無添加、玄米食のお弁当などが売っていた。客の需要を完璧に分かっている。その隣は有名な芋ようかんの舟和。普通に美味しい浅草の老舗だし、甘味にこだわるのは許せる。その隣ではなぜかペットフードを売っていて「無添加100パーセントの魚」みたいなことが書いている。それはただの魚だろ。

 この3店舗だけの意味が全く分からない。「序・破・Q」みたいな感じなんだろうか。出店のセンスが下界とは違い過ぎる。でもこれが参政党よね。

 ようやく会場に入れたのは開始5分前。広々としたホールだ。どうやら開始は10分ほど遅れるそうだ。

 前回の幕張メッセは二階やアリーナがある巨大コンサートホールだった。今回はステージを臨んで全てが平置きイス。政治資金パーティーっぽさは増した気がする。

(会場内部、観客席の様子。年齢層が高い)

(会場内部、観客席の様子。年齢層が高い)

 歩き回って数えてみるとおよそ2000席ほど。国政政党となってすぐで興奮冷めやらなかった昨夏のパーティーから、規模は3分の1ほどになっていた。単身で来たらしき方々の年齢層はやはり高い。見たところ若者もチラホラいたが、平均年齢50歳オーバーは確実な情勢。女性の方がやや多そうだ。それと、子連れが複数いたが、後ろの方では「もう帰りたい」と泣いている幼子も。そりゃそうだろ。二世問題は本当に胸が痛くなる。

 イベントが始まると、ほぼ全て席が埋まった。私の両隣がともに白髪のおばあ様。この大人しそうな二人が後に立ち上がってノリノリで拳を振り上げることを、私はまだ知る由もないし、知りたくはなかった。

 

 慣例として観察したが、会場内のマスク着用率は5パーセントにも満たない。ただ、「花粉症で…」と周囲に弁明する方と複数すれ違った。こういう人達がほとんどだろう。「感染対策」の文字はこの政党の辞書にはないと思ってもらっていい。

 予想通りだが、撮影と録音禁止のお知らせがスクリーンに映った。周囲もスマホを降ろしたので、会場内の写真は断念する。仕方がない。

党幹部の国歌、チェロ、バレエ

 まずは会場が暗転。

 3面ある巨大スクリーンでは、党員たちがブワーっと涙した昨夏の参院選最終日演説のシーンが流された。おなじみ神谷宗幣氏が「僕はね、諦めそうになった時に心の中の小さな声をいつも増幅させてきたの。日本を舐めるなって…日本を舐めるな…日本を舐めるな…日本を舐めるな!日本を舐めるなってえーーー!」などと雄たけびを上げる映像に、会場からは万雷の拍手だ。党員にとって垂涎にして至高の名場面である。

 ひとしきり選挙のドキュメンタリー映像を見せられて、いよいよ開幕の時だ。ヨシ、耐え抜くぞと気合いを入れる私。

 スクリーンで日の丸がはためく。「君が代斉唱」だ。

 前列がざわつき、拍手が波のように伝わってくる。ステージにはタキシード姿の吉野敏明氏が登場していた。先月、大阪府知事選への出馬を表明した党ボードメンバーだ。参政党による「小麦食うな」流布の主犯であり、ロシアが開発したという謎の波動測定機器「メタトロン」を自身のクリニックでも推進している歯科医。

 お前が歌うんかい!とツッコむ間があるはずもなく、お世辞にもうまいとは言えないコブシをきかせた国歌を披露した。なぜか大拍手が起こる。日本を舐めるなって…。

 続いてのプログラムは党代表の松田学氏によるチェロの演奏だ。

 ごめん。見間違えたかもしれない。

 続いてのプログラムは党代表の松田学氏によるチェロの演奏だ。

 見間違えじゃなかった。

 松田氏は「愛と忍耐で聴いてくださいね(笑)」とか「参政党といえば自由。自由がテーマの曲です」とか「次は日本の曲なんですよ」とかなんとか短いMCを挟みながら、15歳から始めたというチェロでなんと5曲も立て続けに演奏した。ピアノ伴奏は奥様だそうだ。

 「軽い気持ちでお願いしますね(笑)」と会場をほぐした最後の曲は手拍子も起こるなど、まるで子の発表会を見守るような温かい雰囲気に包ま

 いや、待て待て待て。なんなのこれ。

 2万も払って入った政治資金パーティーぞ。いったい私が何をしたっていうんだ(自分で潜入したんだろ)。

松田まなぶ(松田学)@参政党
@matsudamanabu
春のBAN政り、チェロを5曲弾きました。最初は次の赤尾さんのバレエ姿を想像しながらサンサーンスの白鳥から。
2023/03/04 17:13
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 さて、呆然としている間もなく(せめて間をくれ)ステージにはボードメンバーの一人で「ゴレンジャー」の紅一点である赤尾由美氏がおいでなすった。プログラムでは、赤尾氏によるバレエ披露である。ふざけんなよプログラムめ。

 赤尾氏は「もう58歳なので」「こけたら床のせいです」とか会場を沸かせ、厳かな音楽とともに始めた。

 オレンジ色のダウンジャケットを脱いで薄手の青い衣装。会場から感嘆が漏れる中、175センチもあるというモデルさんみたいな大学生のお嬢様と二人で優雅に舞い踊っていく。ステージも薄く光り、本物っぽい雰囲気だ。経験者という娘さんが目立ったが、赤尾氏もたぶんそんなにド下手という訳でもなかったと思う。しかしなあ…。素人のこれを見せられても。

 満足げに笑顔で飛び跳ねて去っていく赤尾氏に向けては、さっきの松田代表の数倍もの拍手が起こった。「ヒュー!」と指笛や万感のスタンディングオベーション。開会宣言に移る音楽が鳴っても「ほオオォ…」という会場のどよめきは収まらない。轟音の中で「2万円あれば何ができるだろうな」と、白目を剥き精神世界を旅していた私との評価のギャップがすごい。

 そこらじゅうで「由美ねえさんすごい!すごい!」とはしゃぐおば様達の姿がある。前の席でおじ様同士が頷き合い「いやあ、参政党はこれだよな」。

 参政党はこれなの!?

松田代表「参政党は世界の潮流」

 いきなり党幹部たちの熱い趣味のお時間に付き合わされ、「なぜプロを呼ばねえのか」との思いは頭にこびりついて消えない。だが、党員さんにとっては「私達の〇〇さん…(号泣)」と見守れる感じがいいのだろうな。

 20分以上も押して開会宣言に移る。

 ようやくプロらしき司会の女性が登場。「今回が初めて参加の方は?」の問いに会場の3割ほどが挙手した。「今日一日参加すれば参政党を知っていただけます」「タブーのお話もたくさん出てきますよ」だそうだ。大阪、札幌、福岡でサテライト会場があるらしい。タブーが出てくるのになんで各地にライブ放送してんだよ……。

 開会宣言はまた松田代表だ。

 先ほどの演奏について照れながら振り返った後、「今日は一日、タブーの話ばっかりです。YouTubeではBANされ、メディアが書かないような話」「だけど、なんでこんなに参政党の国民運動が起こっているかというと、我々の言うことが真実だから」と断言した。

 スクリーンには「マスクを外して~」とか「グローバリズムの正体が~」だの自著の数々。ガッツリめの宣伝である。「陰謀論政党だとか言われますが、陰謀論が陰謀論じゃないと書いてありますので」と言うと大きな拍手が起こった。あーそうなの。へー。

 そして、ポスト・トランプとして名高いフロリダ州のデサンティス知事の支持が高まっていること、同知事と参政党の政策が似ていることを引き合いに出した。「参政党が世界の潮流だということ。日本だけ世界から遅れている」そうだ。その人のやってることと似ているってだけでそんなんまで言っちゃう!?

「明治維新は、黒船が来てグローバリズムに植民地にされるかもしれないと志士たちが立ち上がった。この時の志士たちが我々、参政党なんですね」

 あの…ペリーの黒船ってアメリカから来たのでは…?デサンティスさんはその……。

 今せっかく世界の潮流だっつってんのに明治維新の志士としてグローバリズムに負けないぞってやっていくわけなのか?

 相変わらずのエクストリーム自画自賛でよく分からねえんだよなあ…。

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