「LGBTなんかいらない」参政党・神谷議員が発言。産経新聞後援イベントで

2日続けて参政党関連のイベントを見てきました
黒猫ドラネコ 2023.07.15
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産経新聞も後援

 いやはや、すごい講演会だった。

 7月11日夕刻、世田谷区の千歳烏山区民センターで「第38回烏山講演会 『情報戦で負け続ける日本人』」が開催された。講師は参政党事務局長で参議院議員の神谷宗幣氏。

 同議員はここで、参政党結党の逸話などを語ってPRしつつ、「精神病は薬で作っている」「LGBTなんかいらない」「ワクチンが先にあって売るためにウイルスを撒いた可能性ある」「打てば打つほど死ぬと言われている」「米大統領選で不正がどんどん出てきた」など、差別発言や毎度おなじみの反ワクチン思想と陰謀論を広げていた。

 これらが産経新聞烏山SC(サービスセンター=販売所)主催、産経新聞も後援している講演会で発せられたのだからとんでもない。

 大手メディアの関連団体なのに、参政党がどんな政党かを全く把握できていない。

(区民センターに掲示されていたポスター)

(区民センターに掲示されていたポスター)

 会場では産経新聞東京本社販売局に所属する司会者から「撮影も録音も禁止」とアナウンスがあったが、撮影はともかく現役国会議員の講演会での発言にオフレコもクソもないことは産経も承知だろうから、私なりに見て聞いてきた内容を記したい。

 告知されていた当初からマズい予感がして、仕方なく入場料2500円を払って参加してやることにしておいてよかった。

 なお、講演終了後に参政党員らが建物内で親睦会をおこなう中で、神谷議員が会場裏にある「つぼ八」での産経新聞関係者らとの打ち上げを優先したことは、武士の情けで取り上げない。

大物来場と武勇伝

 千歳烏山駅北口からすぐ。商店街沿いにある烏山区民センター内の会場は、ステージを見下ろす形で400席以上あるしっかりしたホールだった。

 会場入り口では、産経の社員だろうかきちんとした身なりの方々がチケットを確認して入場を調整していた。座席はあらかじめ決められていた。いつもの参政党が主催の変なイベントと違って段取りがいい。

 空席も少なく、事前申し込みでほぼ満席になったそうだ。

 冒頭、挨拶に立った産経新聞烏山SCの古馬一行所長は「いつもはハガキと新聞折り込みからのお客さんが多いが、今回は少なかった。(ネットからが多かった)。お年寄りは動画を見ないから神谷さんのことを知らないんだと思った」と話した。

 保守系論客を招くことが多い講演会のようで、来賓として世田谷区議会議員らとともに、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が紹介されると会場は「おお…」と感嘆。参政党アドバイザーとして名前を連ねたこともあり、主催者とも関係が深いようだ。最前列中央に陣取っていた。

 古馬所長が「田母神さんは全国を講演して回って日本を保守に目覚めさせてきた。次は神谷さん。今なぜ日本がこうなっているのかと(話を)神谷さんがどんどんやったら朝日新聞は無くなっちゃいますよ?」とドヤ顔で話し、会場からは拍手が沸き起こった。

 産経新聞ファンの方々は温かいのだなあ(棒読み)。

 舞台袖からにこやかに登場した神谷議員は「田母神先生の前で話すのは初めてで緊張しています」と言ってスピーチを始めた。

 観客席を見渡して「参政党員の方は?」と促すと、3分の1ほどが党員。ありがたそうに終始「ウンウン」と頷きながら反応よく聞いていた方々なので、挙手をさせずともすぐ位置が分かったことだろう。

 神谷氏は、「カルト政党とか陰謀論政党とか色んなことを言われますが、実際のところを分かっていただいて、参政党員が増えたらとの思いで話をさせてもらう」と言った。

 繰り返すが、これは産経新聞烏山SC主催、産経新聞が後援のイベントだ。政党のPRをさせるのはどうなのか。スピーチの構成上、ある程度は仕方ないのだろうが…。

 救いは、党員を除く参加者が年配の方ばかりで落ち着いていたこと。このイベント自体の常連のような雰囲気があって、賢そうな方も多い客層だった。決して参政党員が賢くないと言っているわけではある。

 メモする手が完全に止まってしまったおじい様や、首を捻ったり眉間に皺を寄せたりして、話についていくのを諦めたようなおば様もいた。

 まともな人達もいてホッとする。

(配られたパンフレット)

(配られたパンフレット)

 ステージ上でスライドを使う120分の講演内容のうち、「落ち着きがない子どもだった」との幼少期のエピソードや、参政党の結党までが前半。主題「情報戦に負け続ける日本人」は後半部分で、ちょうど半々ぐらいの構成だった。

 結党までの秘話として、実は神谷氏が「維新」の名付け親であることや、橋下徹氏と袂(たもと)を分かつ際に松井一郎氏から電話で「潰すぞ…」と言われ、「潰せるもんなら潰してみろ!」と返したとの武勇伝が展開された。

 私ですら何度か聞いたことがある「維新の会の元ネタは俺」の鉄板トーク。会場の参政党員さん達も思わず「ああ私たちの神谷サン…やっぱり維新なんかより強い人だったんだ…」と目頭を熱くしたに違いない。

「LGBTなんかいらない」

 自らが石川県加賀市で拡げているフリースクールに言及し、「今の学校に行ったら子どもはバカになる」というような話があった。まあこんなのは可愛いもの。

 どんな子の個性も大事との意図は分かったが、イーロン・マスク氏が発達障害(本人がアスペルガー症候群であることを公表している)との話では、「イーロンマスク君は日本なら保健室に行きなさいと言われ、病院に行かされる。向精神薬で小学生から薬漬けになっちゃう。ひどい場合は植物人間になる人もいる。日本は精神病のベッド数は世界一です。精神病はそうやって作っているんですよ薬で」とした。「向精神薬は麻薬みたいなもの」とも。

 依存の怖さや、幼少期での安全性が確立されていない服薬の懸念は確かにあるだろう。しかし、その専門性を突き詰めず、現状も正しく理解しないまま「とにかく薬は悪」が先に来て、「精神病も薬のせいだ」は論理の飛躍でしかない。これぞ参政党クオリティと感じた。

 

 残り30分を過ぎたあたりでは信じられない言葉があった。

 男女差別をする時代ではないというような前置きはしたものの、少子化問題に関しては「戦後共産主義が薦めてきたような、やれ『ジェンダーフリー』だ『ウーマンリブ』だとそこから進めるからおかしくなる。順番がおかしい」と語った。

 神谷議員の持論をまとめると、小中高生のうちに女性には「子どもを産める自分の大切さに気付かせる」ような教育をし、男女ともに不妊にならないような食や生活習慣を伝えていくことが肝要だそうだ。

 ひときわ大声で「その方がLGBTの百倍効果がありますよ」と言うと、会場からじわじわと拍手が起こった。

 支持を得たと思ったのか、神谷議員は少し思案してから自信満々に放言する。

「LGBTに理解を示す前に、子どもを産み育てることに理解を増進しないと。そういうことをやってくれるとすぐ岸田政権の支持率は上がると思います。いや、本当に。だからみんなで言わないといけないんですよ。LGBTなんかいらないと、理解増進なんかしなくていいと。それよりも僕がいま話した少子化の話とかそっちの方がよっぽどいいんで」

 なんなんだこの差別発言は。少子化問題とは全く別の話なのに、教育を絡めて強引にLGBTと結びつけたようにしか聞こえない。

 LGBT法案に反対したことを売りにしたいフシがある最近の参政党だが、ここまで酷い思想とは思わなかった。

 切り取られただの、印象操作だのと言うのかも知れないが、そもそも参政党の主張に全て合致している。

 神谷議員は以前から、記者会見などではおかしなことを言わないように努めていて、党員にもそう求めているだろうに、クローズドだと自分は調子に乗って言いたい放題のようになって本当にタチが悪いと思う。

 ここからの終盤の話も、相変わらず反ワクチンや陰謀論の数々だった。

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