「原爆は偽装」の発言も…。元農水相が再登板を志願し、某市長や某政党代表まで登壇した反ワク団体GHFのキックオフミーティング（詳細レポート・後編）

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コロナワクチンについて「人類史上最大最悪の薬害」という言葉まで飛び出したイベント。こんな所に出て来る公人なんているのかというと、いるのよね。

泉大津市長の南出賢一氏が映像出演だ。反ワクさんみんな大好き反ワク市長。オーソモレキュラーなどとの繋がりは4年前から確認できる。

まあ、出るわなこの人は…。

講演は食について。泉大津市での「令和の米騒動」を見越した取り組みや「医食同源」としてオーガニック給食の推進を語り、「牛乳なんかも減らしていて」「マーガリンやショートニングなんてあんなもん毒だということで…」などと言っていた。いろいろと期待を裏切らなすぎる。

さすが独断でワクチン接種券を申請制にして、コロナ後遺症への独自の取り組みでニセ科学の「足湯デトックス」を施したり、波動機器メタトロンを扱う医師まで起用する市長さんは違いますなあ。

大阪の中でもかなり小さい自治体なので、やりたい放題なのだろう。ただ、小規模ゆえに良い施策ができることもあって、妊婦さんに金芽米を毎月送る制度などが好評らしい。

良いことは良い。悪いことの方が多いと思うけど。

講演の最後には例の「氣」の字まで持ち出して米の大切さを説いていた。本当にお察しの人だ。

独自の取り組みがどうとかは知らんけど、メディアはこんな反ワク・スピ市長を称賛してはいかんよ。

短めの休憩を終え、祝電代わりのメッセージから後半戦開始だ。幸福の科学の元幹部であり、今は参政党にべったりのインフルエンサー・及川幸久氏。

反ワクチン界隈が「WHO脱退」「パンデミック条約に反対」と言い始めたきっかけについて「佐々木みのりさんが火付け役でした」と初めて明かした。

及川氏は、米国ではワクチン接種で子どもの自閉症が増えているという真偽不明の話を持ち出し、客席（私以外）が尊敬してやまないロバート・ケネディジュニアの取り組みを紹介。

日本ではGHFが彼と同じ役割を担うと絶賛していた。

お次も大物の登壇だ。元農水相で、先の「令和の百姓一揆」にも尽力した山田正彦氏（元民主党ほか）である。

ライフワークなのであろう食と農業についてがテーマ。

「今の日本の子ども達はアレルギーだし、アトピー症だし、自閉症の子どもたちが40年前は4000人で今は20万人、急激に増えてきたのは食の問題にあるんじゃないか。食べ物は農薬だらけで、いろんな化学物質、添加物などが私たちの体を損なっている。専門家じゃないので分からないですが、どうしてもそんな気がして仕方ない」

山田センセイ飛ばすねえ！分からないなら言うたらあかんよ！

60年前は食料自給率が80パーセントだったとのデータを紹介し、「もう（自分は）83歳ですが、もう一回農水大臣をさせてくれたら食料自給率を5年で80パーセントまで持っていきます。農薬も使わない安全なお米、麦、大豆を」と”再登板”を志願。会場から万雷の拍手が起こった。

うーむ、言うだけなら誰でもできる。じゃあ大臣だった時にやっとけよ、と。

例に漏れずオーガニック給食の推進を熱く語って、山田氏の講演は終わった。

はい出ました。グローバリストと戦う作家・林千勝氏。今回のイベントで最もアレな話をした人である。（いつものことだけど）

早速そのグローバリストとやらに支配された日本を憂いながら、「いまの食料自給率は実質一桁ですが、農水省はほとんど自給率0パーセントを目指していると思われます」だそうだ。

おおお…そ、それは大変だ。こうなったら山田氏を再び農水大臣にして80パーセントに！

じゃないんだよ。マジでさあ…。

林氏は、財務省前などで開催した先月のデモについて「のべ2万人が来たけど報道ゼロだったのは異常なこと。ロシアや中国共産党並みの報道規制」などと話した。

いくらなんでも2万人はさすがにいなかった。およそ2000人だったけども、黒猫ドラネコはきっちり報じて差し上げたのでご勘弁願いたい。

林氏はロバート・ケネディジュニアの戦いを称賛し（これは平常運転）「新型インフルと政府行動計画は海外の識者から日本のアウシュビッツ化計画と言われました。政府は隠しているんです」などと物騒なスライドを出し（これも平常運転）エボラ出血熱の研究施設を都心に建設しようとしていると怒りを示した（これが最近のこの人の持ちネタ）

抗議デモを10万人規模でやれるのではないかとの意向を示していた。ちょうど自分の著述業10周年記念もあることだし、みたいなことを言いながら。

なんだかなあもう…。

そんな林氏の話で最も酷かったのは、時間がなくなって駆け足気味にぶち上げた「原爆は偽装」の持説だ。

「原爆とパンデミック・ワクチン問題は非常に似ている」として、広島と長崎に落とされた原爆が「空中ナパーム弾の爆発と、放射能ではなくイオン・マスタードガスによる被害」と断言した。

「人類史上最大の毒ガス攻撃を米軍が広島と長崎で行なった。80年間、我々は誤った言論空間の中に埋没している。ワクチンも『彼ら』が日本人に仕掛けてきた」のだとか。

あーあ、もう…。

原爆ドームの鉄が溶けておらず木の樹皮もそのまま残っているとして、被害者の様子の絵など悲惨なものは「専門家によると一目瞭然で、核の熱傷ではない」と林氏は言う。

そして、これまで私たちが見てきたものを「偽物」と強調するためか、キノコ雲の画像も複数あると示した。

林氏は、その根拠の数々を自身の番組だかチャンネルだかで提示していると宣伝（まあそうなるわな）

「百パーセント『偽装原爆』でした。これを明らかにすることによって被爆者に対する治療とか補償支援ができると思う。80年間も日米政府が騙していたということです」

あのさあ、この人らよく「言論弾圧が」とか言うけど、どこがなんだよ。これだけ好き勝手に言いたい放題できる日本って平穏すぎるやろ…。

ちなみに最近知り合った陰謀論が好きだという知人に、「原爆は偽装って話を聞いてきたんだけど」と言っただけで「それ、林千勝が言ってるやつでしょ」と即答された。

やっぱり林氏が広めてるんかい…。ろくでもないな。

さて、こちらの都合で順番を前後して取り上げる。

この手の集会は初参戦の「大物ゲスト」が登壇。作家で日本保守党（新）の代表・百田尚樹氏だ。

終始テンションが高めだった百田氏は、「なんとなく怪しいと思ってワクチンは打ちませんでした」とし、普段から自身と同じように政府やメディアを批判していた人も、両者が推進したコロナワクチンだけは信じたことを「なんでやねん！」と笑いながら茶化していた。

百田氏は「ワクチンは人間では治験をやっていない」などのオーソドックスな反ワクさんの妄言を信じてしまっているようだ。

なのに接種率が高かったことを「日本人が劣化したのでは」として、自身の著書・日本国紀から「日本人本来の素晴らしさ」を語る講演に入った。

「偉大な日本の知性が失われていると感じます。特にこのコロナ、あるいはワクチンに関しては本当にひどい」