【潜入ルポ】今は第三次世界大戦中!敵は『世界統一政府』!?覚醒しちゃった人達の春、参政党政治資金パーティー2023②

参政党の第3回政治資金パーティー潜入ルポ②です
黒猫ドラネコ 2023.03.13
サポートメンバー限定

どうも、黒猫ドラネコです。

気が付けば豆乳ばかり飲んでいます。

今回は参政党政治資金パーティー潜入ルポの第2回でございます。

第1回はかなりのPVの伸びを検知しました。どこかで党員の皆さんが読んでくださっているのでしょうか。とても良い傾向だと思います。今後ともこっそり読んでいただきますよう宜しくお願いします。

「実は読んでいます」とメッセージが来たことも何度もあります。「外」からの意見や感想はとても大事ですよ。

未読の方はこちらからどうぞ。

今回も大部分は無料公開します。全文は有料限定なので、ご興味のある方はぜひ登録をよろしくお願いします。取材費として大切に使わせていただきます。過去記事も全て読めるようになってお得です。

今回から、ニュースレターの仕様変更で有料購読者の名称が「サポートメンバー」に変わっております。皆さまの厚いサポートに感謝して、これからも頑張ります。

(今回のサポートメンバー限定部分)

▽まるでアレな商法の集い…「目覚めた候補者」天下一を決める?

それでは今回もはりきってどうぞ。

**********

「世界一勇敢なジャーナリスト」
 

   開始から司会者を除いては党の幹部しか登場していなかったが、ここで異質とも思える人物がステージに立つ。

 司会から「視聴者に世界一勇敢なジャーナリストの称号を与えられた」との紹介があった。相変わらず呪いのビデオのような「メディアが全く伝えない真実を…」とのスクリーンの演出とともに、たくさんの資料を抱えて壇上に現れたのは、我那覇真子氏だ。

 参政党の外部アドバイザーで、ツイッターのフォロワー数は30万人を超えるフリージャーナリスト。ボブヘアの小柄な女性だった。緊張気味にぎこちなく登場したので、会場からは「可愛い~」との声が上がった。

(パンフレットより)

(パンフレットより)

 照れながら話し始めた我那覇氏は声のトーンが高く、沖縄なまりが入ったような独特の話し方で、観衆(私を除く)の笑みを引き出した。温かい空間である(私を除く)。

 しかし、そんな微笑ましさもつかの間、トークは今回のパーティーで最も過激だった。

 「1月にグローバリズムの実働部隊として世界を牛耳っていて、われわれが選挙で選んだ政治家を飛び越して規制をかけてわれわれの生活や文化や家族の絆を壊している人が集まる『ダボス会議』の取材に行ってきました」

 もうお分かりだろう。めっちゃくちゃ陰謀ろ …いや、あの、アハハウフフ。本当に参政党さんだけは本っ当にもう…。はーあ。

 この我那覇氏は、ドナルド・トランプ氏の熱心な支持者であり、米大統領選やその後の議事堂襲撃事件などでデマを流したとされていた人物。

 そしてダボス会議といえば、一般には各国のトップ層が経済や環境や産業などの世界的課題を話し合う場として認識されているが、ごく一部の界隈からは悪のサミットであるかのように思われてしまっているもの。

 「混ぜるな危険」だが、そもそも今回の我那覇氏のトークテーマが「グローバリストのタブー」だった。

 多くの人が聞き慣れないであろう”グローバリスト”とは、自国を愛する”ナショナリスト”に対する「巨大な力を使って人々を洗脳して世界を一つにしようとしている勢力」のようなニュアンスで使われていて、参政党が最も嫌悪し敵視しているものだ。組織化されているかどうかも不明だが、世界中の悪の政治家や富裕層や資産家で構成されている(と勝手にされている)。

 そういったダボス会議ほかでの陰謀が何一つもないとは言わないが、何かがある確証もない。しかしながら参政党を含む数多の陰謀論者にとってみれば、ワクチンだとかSDGsだとか全部まとめて怪しいとみなし、「”奴ら”の都合や利権で仕掛けられたものとしか思えない!」と、点と点を結び、ア陰謀ロンアルファでくっつけちゃうわけで。

 簡単にまとめると、遅れてきた中二病が不況や不安やらの理由で弾けて飛んで大空に舞い上がって爆誕した「巨大な共通の敵」なわけである。

 こうした考え方に「光側のトランプさんが全てを打ち倒してくださる」のエッセンスを一滴たらすだけで『神真都Q』の大完成だ。「1、2、3、4、ひっかりの戦士~」と歌いながら週末デモ行進をするようになるまで時間の問題だ。ちょうど参政党とは信者さんの年齢層も同じぐらいだし。

 それで、この我那覇氏はアポイントも何もなく単身でダボス会議の取材に向かい、「英霊が見守ってくれていると感じた」そうだ。うーん、そういうのは今はいいや。

 それから「要人たちはCO2削減とか言っててプライベートジェットでやってくるんですよ。腹立ってしょうがないじゃないですか」とふざけ半分のように怒ってみせて会場の笑いを誘った。世界各国のリーダーたちにエコノミークラスでスイスまで来いってのか。そりゃだいぶ無理があると思うが…。

 このあたりから、それまでは微笑ましく見守っていた観衆(白目を剥く私を除く)が関心をさらに高め、時折「ええぇ…」とか「ああぁ…」とか唸り始めていた。

「世界統一政府以外の何物でもない」

 会場には、「驚くべき事実」みたいな話に必ず相槌を打つような一体感が生まれている(私を除く)。我那覇氏も、注目が相まってかエンジン全開だ。

「全世界に参政党のような存在があって国民に目覚めようと呼びかけています」

「自覚しなければいけないことは、今は平時ではありません。われわれは今、第三次世界大戦の中に入っています」

「公では聴こえてきませんが、国民が色々と虐げられている状況や政策を見れば、戦時ととらえなければ理解ができません」

 我那覇氏によると、昨今話題の昆虫食や培養肉の開発も「世界経済フォーラム」などによって号令がかけられている。権力者や富裕層がビジネスチャンスを掴ませるグループにされていてイデオロギーを作られる、のだとか。

「理由はプロパガンダです。検証していると相手の土俵に乗ったことになるので、慣れさせて受け入れる洗脳をされると見なければ、洪水のような情報に感覚を支配されてしまう。彼らはわれわれがどう生きるかを決めて法律でわれわれを縛っているのです」

 ホントになんなんだこの話…。許せないなグローバリストって。(乗るな乗るな)

 ダボス会議に立ち向かった我那覇氏は、会議創始者であるクラウス・シュワブ氏への取材を敢行したそうだ。ちょうどジャパンイベントに参加した姿を見かけて追ったという。「われわれの税金の使い道を決めている人と思っていいですよ」と言い放った。

 なぜシュワブ氏が日本の税金を…? いくらスイスがノルディック・スキーの強豪国だからって、論理の飛躍がK点を越えちまってるよ…。

 我那覇氏のYouTubeチャンネルにも上がっている動画が、会場のスクリーンに映された。車まで歩いて移動中のシュワブ氏に向け、彼女は必死に英語で「グローバリズムに懸念があるんです」などと話しかける。だが、「どちらの記者ですか?」「次の予定に移動しなくてはいけないんです」と取材を断られ続けてしまう。シュワブ氏に付いている女性にも遮られ注意を受け、「色んな人が話しかけてくるけど、一人ひとりには対応できないんです」と丁寧に拒否されていた。

 …動画終わり。

 いやいやいや、この映像って何だ?

 シンプルに、謎の日本人記者が、アポもとらず海外の要人の移動中につきまとって拒絶されただけではないか。普通に迷惑だと思うのは私だけか。まあ今この会場内ではそうかもしれんけども…。

 都合の悪いフリーのメディアだからとでも思ったようだが、きちんとしたメディアだろうと、初対面で脈絡もない疑問を投げかけられたら普通は「何言ってんのコイツ」で終わりである。

(我那覇氏の動画チャンネルよりサムネ)

(我那覇氏の動画チャンネルよりサムネ)

 我那覇氏は立て続けに動画を紹介した。今度は世界的に有名になった活動家グレタ・トゥーンベリさんへの「取材」の映像だ。同じくどこかへの移動中に「あなたは利用されている」などと一方的に声をかけ続けていた。不機嫌そうなグレタさん本人や周囲から「やめてください」「つきまとわないで」と不快感を示されていた。

 …動画終わり。

 いや、だから何なのさっきから…。パチパチパチ(大拍手)じゃないんだよ参政党の皆さんよ。

 私も別にグレタさんを全面支持はしないが、若くして環境活動家集団の顔になり、恐らくいつもこうした政治的イデオロギーの争いに巻き込まれては、色んな知らない人に話しかけられまくっていることだろう。かわいそうに。

 我那覇氏はこれについても「なんで(自分に対しては)テレビの強気な様子と違うのかなと思った。ビクビクして弱々しかった。お飾りで、利用されていると気付かなければいけない。彼女がマスコミに叩かれていると、善良な国民は『かわいそうだ』と思って騙されていく。彼女も気の毒だと思う」などとよく分からない持論を述べた。

(我那覇氏のチャンネルより、グレタさん直撃動画のスクショ)

(我那覇氏のチャンネルより、グレタさん直撃動画のスクショ)

 

 擁護か批判か分からないまま「地獄への道は善意で舗装される。だからグローバリストは絶対に許せないんです」と述べると、これまでで最高の拍手が沸き起こった。

 取材を拒絶された映像を連発して何を伝えたかったのか。行動力だけは認めるにしても、全く意味が分からない。これって参政党員には意図が伝わったのだろうか。「勇敢だ…!」ってなったのかな…。

 およそ40分間のトーク終盤は、再び食の問題へ。最後まで「食のシステムが丸ごと入れ替えられようとしている」などと危機感を煽りまくっていた。こちらも、またしても世界経済フォーラムや海外シンクタンクの仕業らしい。万事この調子である。

 食品パッケージに『CO2何パーセント削減』と表示されているスーパーがあることから、「これがゆくゆくはカーボンプライシング(炭素を排出する企業などに金銭的負担を求める)に繋がる。経済活動への罰金、世界的な税金です。誰が徴取するのか。国ではない主体がやろうとしている。これは世界統一政府以外の何物でもないですよ。ここまで来ているんですよ」

 カン高い声で叫ぶと、会場からは一斉に「うーむ…」とか「はぁああ…」と、嘆きにも似た唸り声が上がった。なんて悪いやつらなんだ世界統一政府は!(だから乗るなって)

 トークの締めでは参政党を持ち上げた。

「主権が買われる瀬戸際にいる。だから第三次世界大戦の中にあると言った。参政党さんが一番大事な仕事をしているから、情報戦のターゲットになるのは皆さん。確実に工作員が入って来る。戦っているからやり返される。われわれは戦争をしていると自覚しなければなりません」

 ステージを去る我那覇氏に割れんばかりの拍手。その後、余韻に浸るように、頷いたり荒い鼻息を吹かしたりする観客の多いこと多いこと。「ネットDE真実」な方々にとっては、「現地取材」で世界の事情を語ってくれた「勇敢なジャーナリスト」から、さぞ貴重な知見を得たことだろう。

 「フハハハ、こんな中高年ばかりの勢力でわれわれに勝てるとでも思っているのか」

 だ、誰だッ!? クソッ!参政党の前に、まずはこの黒猫が相手だ!かかってこい!

…はあ。まだあと4時間以上もある。もう疲れたわ。

天下一を決める「演説大会」

 さて、「タブー」の雰囲気はすっかり一変。ステージには党員たちが並んだ。

 ここからは「天下一演説会予選」と称し、この春の統一地方選に挑戦する中から10人が演説の上手さを競うイベント。優秀な3人がパーティー後半にある決勝戦へと進むそうだ。

 司会者に一人ひとり紹介されると、会場から拍手と「〇〇さーん!」などと声援が飛んでいく。知り合いが来ている人ばかりのようだ。

 エントリーナンバー1番、群馬県太田市の男性から演説が開始。スクリーンには顔がドアップになり、右上に制限時間が表示されている。その時間がカウントダウンしていく。ナンバーワンを決める熱い演説バトルが始まった。

「鬼を斬る信念があって参政党です!皆さんは心、燃やしてますか!?」

「僕達は夜空に輝く星になるんじゃなく、暗い日本を照らす橙(だいだい)色の太陽にならないといけないんです」

「覚悟はできていますか?参政党は止められない。もう一度聞きます。日本がひっくり返る瞬間を見る覚悟はできていますか?僕達が信じて行動すればその時は来ます!」

「先人たちは見てる!8月15日、靖国で会いましょう!」

観衆「うおおー!パチパチパチ!!!(大喝采)」

 つらい…。持ち時間が一人3分間ってことは、こういうのを30分も聴かされるということか。俺はもう限界だと思った。

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