「反ワクチン市長」の問題
このレターは、ウェブライターの黒猫ドラネコが、ツイッターの140文字では書き足りない思いを綴るものです。
エセ・スピリチュアル、極端な自然派、疑似科学、反ワクチン思想、陰謀論などのトンデモ案件を守備範囲としております。私は科学者でも専門家でもないただのウェブライターですが、「これ、おかしくね?」と、色んなものを参考にしつつ書いていきます。潜入取材なども適宜やります。
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「ですます調」の丁寧な書き方で始めておりますが、書きづらい時もあるので ****マーク で切り替えます。
では早速。
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今回のテーマは「あの反ワクチン市長」。
私の中での反ワクチンの定義は「ワクチン忌避を煽る人」だ。決して未接種者を差別したいわけではないことは分かってもらいたい。
少なくとも私は、ワクチンを打てる人は打ち、手洗い・うがい・消毒をして、できる限り三密を避けて体調管理などの対策をしっかりやろうよという考えだ。
科学と医療を信じつつ、やれる範囲のことをやっていこうということ。
「ウイルスはない!」「マスクは有害!」「ワクチンは毒!」などと振り切れた有象無象を支持することはない。
ワクチン接種も個人の自由なので、接種しない人のことは知らない。ただ、他者に「打つな!」なんて言う奴は、どんなツラを晒してそんなこと言えるのか。何の情報を受け取ったらそうなるのか理解に苦しむ。
ってな意見をオブラートに包んだ記事がこちら。
できるだけ分かりやすく書いたつもりなので、まだの方はぜひ。
ワクチンは専門的な英知の集合体が推奨して全世界に広まっている。
公的見解に難癖をつけたいのも、不信感があるのも理解はしたいが、何もかもを敵視して疑うというのなら「陰謀論」でしかない。私は概ねそういう考えだ。やみくもに否定や批判ばかりしているわけではない。
「反ワクチン派」が流す不確かで有害な情報と、その攻撃性については言いたいことが山ほどある。当レターで、また改めてたくさん綴っていこうと思う。
反ワクチンに全ツッパの市長
前置きが長くなった。
今回はすっかりそんな「反ワクチン派」になっていると思われても仕方がない大阪府泉大津市の南出賢一市長についてだ。
まずは市のホームページにあるプロフィールを引用する。
(泉大津市ホームページより)
私はこの市長個人には何の恨みもない。若くて行動力のある人なのだろうと思っていることも事実だ。
ただ、自治体の首長ともあろう者が、慎重派だのなんだの言いながら反ワクチン派に全ツッパがバレバレの姿勢は本当にいただけない。
まずその性質として知っておかねばならないのは、あまりにも民間療法への傾倒が激しいことだ。多くの自然派の方々と同じように、流れのまま形式通りにワクチン忌避を助長してしまっている。
南出市長の発信に関してはサイエンスライター松永和紀さんも批判的にツイートしている。
「市長コラム」で実際にどんなことを書いているのか確認してみてほしい。
東洋医学への個人的興味などは自由だと思うが、市長がわざわざ大勢に薦めるように言うことなのかという疑問は消えない。
バクチャーを撒きまくる
いきなりトップギアで悪いが、市長の「スピリチュアル粉撒き」から振り返ろう。
私が南出市長を初めて認識したのは、スピった人や極端な自然派の方々が傾倒する活動の観察を続けてきて知った「バクチャー」なる黒い粉の話だ。
市政を敷く身でありながらこうしたものにハマるってのが、もう一事が万事である。
これらの粉については雨宮純さん(@caffelover)の動画が詳しい。
南出市長の行動も絡めてこの問題をかいつまんで説明する。
・水質改善を謳うバクチャーという黒い粉を作っている会社がある。
・おそらく熱帯魚の水槽とか狭い範囲ならばある程度の効果はある。
・それがなぜか「地球さんのために海や川などの色んなところに撒いちゃお☆」と科学をガン無視した自然派スピ団体がSNSで湧く。
・そのスピ集団の統率役にバクチャー製造会社の息子。(はい、ダメー)
・そいつと南出市長が繋がっている。(あ、もう無理ー)
・バクチャーの会社と泉大津市が包括連携協定を結ぶ。(マジかよ…)
絵に描いたようなトンデモ案件だ。
しかもこれに前後して、市長はこの活動が知れ渡る前にバクチャーを独断で府下の色んな所に撒いてしまっている。
以下は本人の投稿から。