「これは戦争です」参政党、新宿南口の街宣は大パニック

あーもうダメだ、何もかもおしまいだ…
黒猫ドラネコ 2025.08.10
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8月8日、参政党が新宿南口で大規模街宣を開催。聴衆よりも抗議する勢力が大挙して訪れた。

演説のほとんどが騒音にかき消され、大パニックとなった。

白煙が上がる

簡易ステージの前に、動画配信を担うYoutuberと支持者が50人ほどはいただろうか。それらを抗議のデモ隊が100人規模で取り囲む形だった。

予定の17時半になり、東京都議の望月まさのり氏、もがみよしのり氏が登壇した。

スピーカーから大音量で「差別をやめろ!」「レイシスト帰れ!」のエンドレスコール、サイレンや不協和音などが延々と投げつけられ、通行人が耳を塞ぐ。

参政党初の都議会議員二人は抗うように強がりながら掛け合いを始めたが、その内容を正確に聞き取るのは困難だ。

「静かにしてください」「妨害しないで」と何度も懇願するが、聞き入れられるはずもなかった。

(東京都議のもがみ氏、望月氏)

(東京都議のもがみ氏、望月氏)

(都議二人に向けられた抗議)

(都議二人に向けられた抗議)

もがみ都議が「これはもう戦争です」とヘラヘラしながら放つと、カウンター勢はますます声を荒げ始めた。

ついにブチギレたもがみ氏が「礼儀や礼節がなっていないのは日本人らしくないんだよォ!」

そう叫んだが、すぐに「出たー!」と嘲笑を浴びる。その「日本人らしくない」の言葉を咎められていることに気付いていない。

「やってることが幼稚なんですよ!」と怒ってしまったもがみ氏。少し落ち着いてから、党員には人気なのであろう恒例のダジャレ(「八回言っても聞かないのは『ヤッカイ』」)を披露したが、望月氏しか笑わず、ツラい時間がさらにツラくなるだけだった。

「こんな集会、今すぐ中止」などのコールは延々と続く。

望月都議の演説ではさらに荒れた。彼は参院選の最中に、一人でプラカードを持って抗議に立っていた女性に近付いて顔をのぞきこんで威嚇した動画が拡散されている。カウンターデモの方々をますます燃え上がらせる人物なのだ。

望月氏がのぞきこむ顔にQRコードが付いたプラカードも掲げられていた。スマホで読み込むと、威嚇されたことへの憤りを発信した女性の投稿に飛ぶ。手が込んでるなあ。

(望月都議に向けられたプラカード)

(望月都議に向けられたプラカード)

囲いの中央後方付近からモクモクと白煙がたちこめた。駅ビル側にいた聴衆は思わず後ずさり。えらいこっちゃ。ここは本当に日本か…?

「火災の可能性があります。煙はやめてください」と強くお願いする望月氏。

しかし、発煙筒ではなく音楽ライブなどに使われるフォグマシンによるもので、火気ではないようだ。「『火災』と言えば警察に対処してもらえると思ってんだな」と、無慈悲な分析を食らっていた。

スモークを発生させることの是非はともかく、参政党はとんでもない相手に目をつけられたものだ。

かつて、メロンパンを釣り竿に吊るしてはしゃいでいた「つばさの党」の襲撃が可愛く見える。

(新宿駅前に立ちこめるスモーク)

(新宿駅前に立ちこめるスモーク)

松田議員、梅村議員への猛抗議

もはや誰も演説など気にしていないが、望月氏から「ついにバッジをつけさせることができました」との紹介があり、松田まなぶ氏が登壇した。この最古参の元党代表を国会議員に推し上げることは参政党の「悲願」だったのだ。

ようやく参議院議員になれた松田氏はトランプ関税への政府対応を批判し、「もう早く参政党に政権とらせろ!」などと叫んだ。参政党こそが日本を建て直すという相変わらずの内容だった。

松田氏は「精神疾患、発達障害は存在しない」という珍説を垂れ流したことが掘り起こされている。

その謝罪や反省はないようで、私に届くDMでもこの件に関する怒りの声が多い。

傷付いた人はたくさんいる。「発達障害は存在する」というプラカードを掲げる人もいて、松田氏を糾弾する声は続いた。

(松田議員への抗議)

(松田議員への抗議)

そしてデモ隊の攻勢は最高潮に達した。梅村みずほ議員がステージに上がったのだ。

何を隠そう、参院選中にカウンターデモやプラカードを掲げる人への拍手を促すなどして、最初に焚き付けたのはこの人である。この流れを作ったと言っても過言ではない。

警察がカラーコーンとバーによる規制を試みたが、何度も隙をついて突破されて全く意味がない。囲いがどんどんステージに向かって狭くなっていき、党スタッフとデモ人員の押し合いが繰り返された。

それでも梅村氏はステージ上から「おお、元気元気!」とか言いながら煽りまくった。

SNSを見ると、党員もそんな梅村氏の「何をやられても効かないわ」という不敵な笑みなどを支持しているようだ。

しかし梅村氏のこうした態度や固まったままの笑顔はちょっと怖いと感じた。少しは怒ったり注意した方が人間味を感じるものだ。対処する党スタッフも内心「もう煽るなよ…」と思っているのではないか。

他の人の時にはなかった「梅村、帰れ!」の特別コール(?)までも起こり、途中で大型スピーカーを覆われるなどして演説は途切れ途切れになる。やはりほとんど内容が分からないままで、再びスモークも炊かれてしまった。

懲りずに「これでよりいっそう参政党の支持が広がっていきます!皆さんは私たちの応援団なんじゃないですかあ!?」と叫ぶ梅村議員。

「じゃあずっとやってやるよ」という直球のツッコミも聞こえてきた。

(梅村みずほ議員への抗議)

(梅村みずほ議員への抗議)

計4人の演説は19時前まで。

予定されていた「お母さん」こと塩入清香(さや)議員の演説はなかった。

実は彼女は数日前、葛飾区周辺などでひっそりと当選後初の街宣をしている。「公表はしないが来て欲しい」と東京支部だけに告知があった。全く話題にはなっていなかったので、カウンターはもちろん支持者も少なかったのだろう。

なお、衆議院議員の吉川りな氏の演説も予定にはあったが実施されなかった。

最後は新人の都議二人と新参者の梅村氏で演説会を締める形になり、「大躍進した選挙後の大規模街宣」の割にはなんとも寂しい幕引きだった。

望月氏らが「聞きに来てくださった皆さま、すみません」と謝り、グダグダの中で「1、2、参政党ー!」を響かせた。

(演説会の締め「1、2、参政党」)

(演説会の締め「1、2、参政党」)


演説会終了後のカウンター勢は、梅村議員らに握手を求める支持者の列にも「早く帰れ!」などと手厳しく浴びせ続けた。

誰からともなく「勝利宣言」が飛び出し、拍手喝采が沸き起こっていた。

黒猫の雑感、もう街宣は厳しいのでは

絶えず歩行者が往来する金曜夕刻の新宿駅前で、集団にはずっと好奇の目が注がれていた。

それは「妨害されている気の毒な参政党」に対してではなく、互いに声を荒げてケンカみたいに騒いでいる一団に、である。

「あれが参政党か」との声も聞かれ、規制線をまたいだ押し合い圧し合いの攻防を見た若者らは口々に「やべえ…」と言って去って行った。

ネット上には抗議者のガラの悪さに言及して「これでまた参政党の支持が上がってしまうのでは」との意見もあったが、私の見方は異なる。

あの抗議を現地で見れば、参政党が「むちゃくちゃ嫌われている」のは一目瞭然。そんな政党を新たに支持しようと思うだろうか。

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