参政党VSプロテスター、罵声が飛び交う品川駅前

どんどん激しくなってきましたね。
黒猫ドラネコ 2025.10.06
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雨の品川駅港南口広場。オレンジ色の旗が立てられ、それに向かってサイレンや不協和音が鳴り響いていた。

10月1日におこなわれた参政党の演説会だ。

(参政党が公表した宣伝用バナー)

(参政党が公表した宣伝用バナー)

参政党が品川でこのような大規模街宣を開催するのは珍しい。

プロテスター対策に躍起

悪天候もあってか思ったほどの聴衆の数ではなかった。最終的に集まったのは、多く見積もっても300人ほどだろうか。

もちろん、デマや差別的な言説に反対するプロテスター(抗議者)の皆さんも、およそ20人が集結。もうすっかり参政党街宣の名物だ。

参政党側はずいぶんと過敏になっている。

以前までのように人が手で持つロープによる規制ではなく、カラーコーンとバーによる規制線が張られていた。

(カラーコーンで規制された広場)

(カラーコーンで規制された広場)

被害者アピールにも躍起。開始前にはステージから大仰な注意喚起のアナウンスがあった。

「妨害者が聴衆の皆様に執拗に因縁をつけてくる可能性があります」

「過剰反応すると、動画に撮られて本党への悪質な印象操作に利用されてしまいます」

「国会議員の演説への妨害は威力業務妨害、名誉毀損、侮辱罪になる違法行為です。記録をおこない、警察に被害届を提出する可能性があります」

しかし、参政党支持者がそれらに従うかと言ったらそうでもない。

さっそくオレンジ色に身を包んだおじさんが抗議者を挑発するようにニヤニヤしながら近寄り、警察に手間をかけていた。

(抗議者に近寄るオレンジおじさん)

(抗議者に近寄るオレンジおじさん)

開始直前に、塩入清香議員と初鹿野裕樹議員が演説を取り止めるとのお知らせが流れた。

みんなのお母さんになったはずの塩入議員は、新宿南口街宣に続き、またも登場を予告しながらのキャンセルだ。

抗議者やウォッチャー勢から「見捨てられた子ども達がかわいそう」「一度もお母さんに会えていない。これはネグレクトではないか」「初鹿野はボロが出るから登壇させなかっただけでは」「そんな奴が国会議員なるのどうなのよ」などの声が飛ぶ。

参政党を応援しているはずの聴衆からも「さやさんの演説が聞けると思って来たのに…」と落胆の呟きがあった。

(抗議者によるプラカード)

(抗議者によるプラカード)

喜怒哀楽の登壇者たち

18時になり、最初にステージに立ったのは梅村みずほ議員だった。

「帰れー!」との激しい抗議の声が飛ぶ中で、梅村議員は「妨害を許すわけにはいかない!街頭演説の妨害を抑制する、罰則を設ける法案を作っていますよ!」と叫ぶ。続けて抗議者の方を指さして不敵に笑いながら「いーまーのうちだYOー!」と煽りに煽っていった。

信じられるか? 国会議員やぞ…これが…。

参政党にとっては妨害に感じるのだろうが、抗議の声が自分達に邪魔だからといって統制しようとしているというのか。

自分らはすぐ「言論弾圧だ」とか言うくせに、どう折り合いをつけるつーもーりなんだYOー!

(聴衆を煽った梅村議員)

(聴衆を煽った梅村議員)

なお、以降の登壇者のスピーチの内容も、現在進行形で受けている「参政党への妨害」についてが半分近くを占めていた。

梅村氏は「雨もあがってきたんじゃないですか?皆さんの力かも!ンフフフ!」と、わけの分からんテンションが雨とともにブチ上がり、聴衆も呼応して「うわああああ」と日の丸や旭日旗を振って大騒ぎ。

とても気持ち悪、失敬、楽しそうな光景だった。

さて、「この方の演説を楽しみに来た方も多いのではないでしょうか」とのアナウンスがあって今回の目玉だ。

9月に党ボードメンバー兼政調会長補佐に就任した豊田真由子氏の登壇である。

秘書への暴言や暴行などのパワハラを報じられて政界を追われたのは8年前のこと。「このハゲー!」「違うだろー!」は超有名フレーズになった。

東大卒、ハーバード大学大学院を出て厚生労働省キャリア官僚となった才媛が、再帰の時にトンデモ政党を選んだことは多くの人を驚かせた。

オレンジのスカーフをした豊田氏はステージに上がって笑顔でお辞儀。しかしすぐ顔を歪めて「グスン」と鼻をすする。

(参政党の演説に立った豊田真由子氏)

(参政党の演説に立った豊田真由子氏)

感情を抑えるようにハキハキと話した。ずっと過ちを悔いてきたこと、神谷宗幣代表から熱心な誘いを受けて決意を固めたことなどを述べると、聴衆からはまるで「許す」かのような拍手と大歓声が起きる。

なんなら泣いているおば様までいた。ひい。

「私、生きていてよかった」「仲間に入れてくれてありがとう!」

豊田氏はそう叫んで声を震わせたが、ウォッチャー勢からは「一滴も涙が出てねえぞ」とツッコミ。私だけは決してそんな冷酷なことは言わない。かなり悩んだ末に参政党を選んだのだろう。

彼女のこれからを心から応援しない。

…いや、そりゃそうだわ。いくら政界に戻りたくても参政党だけはないよ普通は。そりゃパワハラとかする奴だもんなとしか思わんよ。うん。

その他の登壇者は、ウナギが元気になる参議院議員のおじさんとか、新大久保で辻立ちした浅はかな投稿で炎上していた衆議院議員の姉ちゃん。

私にとっては心底どうでもいいので割愛する。(へいへい)

(抗議者によるプラカードの力作も目立っていた)

(抗議者によるプラカードの力作も目立っていた)

神谷代表「違うだろー!」

この日の神谷代表は、いつも以上に色々と激しかった。

豊田氏加入の報告もあったが、話題は宮城県知事選挙(党としては候補を出さず和田政宗氏を応援)へ。

7月に「(宮城県は)水道を民営化し外資に売った」と発言し、同県から直々に抗議されたことについて「売ったという単語の使い方は訂正しました」と話しながら、「社会インフラを外資に売ってはいけない、渡してはいけないと言いたかっただけなんです」と弁明した。

いや、だから売ってねえし渡してねえっつってんだろ。本当なんなのこの人…。

そこからは「演説の妨害」についてだ。

「外国人差別していませんから。間違えてますよ。(抗議者の)皆さんが参政党を差別していますよ」とニヤニヤ。続けて、やっぱり「あのセリフ」が飛び出した。

「皆さんは差別主義者ですか?レイシストなんですか? 違うだろー!!

あーあ…ネタにしちゃった…。しかも抗議者の方を指さしながら渾身のドヤ顔。

さっき豊田氏が泣きながら出てきてパワハラへの後悔を語ったのが台無しじゃねえか。あーあ。

(テンション高めだった神谷代表)

(テンション高めだった神谷代表)

神谷代表はこのようにちょっと異様なテンションだった。

歩行者に向かって「ぜひ知ってください!日本一妨害を受ける参政党です!」とアピールを始める。

「なかなかこんなに妨害を受ける党はない。海外にも伝わっているんじゃないですか。トランプさんの耳にも入ってるかもしれませんねえ!?」と、耳に手を当て傾けるジェスチャーを見せた。

「今回、トランプさんが来られますからね。『日本で一番妨害される政党に会ってみたい』とか、なりませんかね?」とも。

はあ…トランプ大統領が大好きなんだね…。いや、知ってたから別にいいんだけどさ。

(抗議者のプラカード)

(抗議者のプラカード)

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謎の撤収アイデア

神谷代表は、自民党総裁選の小泉陣営の「ステマ」を持ち出し、なぜ許されるのかを疑問視した。

「参政党がやっていたらすぐ『ロシアがやっている』と言い出しますよ。なんで我々の調子が良かったり応援が多いと裏にロシアがいるんですか。いないっつってるじゃないですか」

「選挙の最中にそうやって参政党の政治活動を妨害した政治家は全員謝れ!」

鬼の形相でそう叫ぶ神谷代表につられ、聴衆も怒っている。

神谷「謝りたくないなら証拠を持ってきてください!参政党の裏にロシアがいる証拠は!どこにあるんですか!?」

聴衆「なーい!」「ねえんだよ!」「ふざけんなー!」

ここで解説しておくと、選挙期間中にあった報道は「参政党の裏にロシアがいる」ではない。

参政党支持者みたいな連中への投票行動に影響するSNS上の偽・誤情報や、それによる世論形成が、海外からの不正な介入によって深刻化しているという話である。

これが理解できていないらしい。支持者を焚き付けるために、知っていてわざと言っているのかもしれないが。

しかし開始前から「妨害を相手にしないで」とアナウンスしているにもかかわらず、神谷代表らが壇上から聴衆を煽るのは意味が分からないな。

(神谷代表の演説)

(神谷代表の演説)

(最後はやっぱり「1、2、参政党!」)

(最後はやっぱり「1、2、参政党!」)

そのせいもあって、そこらじゅうで小競り合いや、揉み合い、つかみ合いが起きていた。

怒号と暴力が溢れる現場には警察も相当な数が動員されており、

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