反ワク・陰謀論者のスター11人が演説「南京虐殺は嘘」「原爆は偽装」「厚労省職員は首を洗って待っていて」…詳細レポート(後編)

夜遅くまで元気いっぱいでしたね!
黒猫ドラネコ 2025.09.30
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▽前編はこちらから

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第二部の集会は満席

反ワクチンさんたちは元気いっぱい早稲田のデモ行進を終えた。夜の舞台は神楽坂だ。

大江戸線の駅を上がってすぐの牛込箪笥区民ホールへ。この反ワク集団「国民運動」にとって思い出深い場所である。

ここで昨年4月に最初の決起集会をおこなった。その際にマナーの悪さでホール職員らしき人から苦言を呈されていたが、使用禁止にならずに今回の開催がかなった。

こうなると反ワクの「聖地」になりそうな気配も漂う。

▽昨年の同会場での集会レポート

当日券はないが、キャンセル待ちで並ぶ人もいて18時過ぎには約400席が埋まった。もちろん中高年・高齢者がほとんど。(若い男性客も数人いたが、彼らは後の登壇者への反応でどんな層なのか明らかになる)

ステージ前の最前列席には本日の登壇者がズラリ。そこに「ゆうこく連合(立憲民主党内にできた反ワク団体)」シャツを着た客が挨拶へと向かった。その対象はもちろん同連合の創始者である原口一博議員である。

(原口議員に挨拶する「ゆうこく連合」の方々)

(原口議員に挨拶する「ゆうこく連合」の方々)

反ワクチン大会の第二部「国民大集会」は18時半、ついに開幕した。デモ行進でもステージの司会をしていた女性が登場。

「人為的な感染症と日本政府から国民を守るため心が一つになった一日でした。WHO脱退、mRNA接種中止、そしてエボラウイルス研究所廃止のため着実に駒を進めることができました」

この挨拶を皮切りに、21時半までの3時間で11人が演説をおこなった。

登壇者の主張は

順番通りに登壇者を全て紹介し、大まかにどんな主張があったか記していこう。

(以下、敬称略)

 ▽井上正康 大阪市立大学名誉教授。「国民運動」共同代表。今年80歳になる反ワク界の重鎮。コロナ禍初期から小林よしのり氏、参政党などと活動してきた。

(井上正康)

(井上正康)

「ネズミ算式に国民が目覚めていく戦いを皆さんと一緒にしたい」

エボラ実験のネズミの話を最初にしたので少々ややこしい表現に。

かなり控えめな短い演説で、後に続く登壇者に任せたという印象だが、この人の真骨頂はここからだった。(後述)

 ▽水島総 日本文化チャンネル桜の社長。「国民運動」にデモのノウハウを授けている新党くにもり代表。Meiji Seikaファルマ前での抗議活動など精力的に反ワクチン運動を主導している。

(水島総)

(水島総)

「南京の虐殺というのは嘘です。戦後50年で南京に行ってはっきり分かりました。絶対にそんなことはなかった」

対中関係や自虐史観について厳しい姿勢で臨むとの主張。中国の「731」という旧日本軍を描いた映画に対抗し、「南京大虐殺の反撃の映画を完成させる」と宣言した。

 ▽柳澤厚生 日本オーソモレキュラー(食事とビタミン摂取でOKみたいな代替医療)医学会の代表理事。反ワク集団・一般社団法人ガーディアンズフォーヘルスアンドフリーダム(GHF)代表も務める。「国民運動」参加者を「光の戦士です」と称えている。

(柳澤厚生)

(柳澤厚生)

「陰謀論かどうかの議論はもう意味がない。すでに現実に起きうる未来であり、新しいパンデミックの備えが必要」

エボラ出血熱が恐怖を煽るビジネスになるとして「この島国はまさに実験場」と話し、エボラウイルスが漏れた時のためにオーソモレキュラー医療者らが提唱する治療法や対策などを紹介した。

そんなんが効くなら最初からアフリカでやればええんとちゃうんかい。

 ▽原口一博 立憲民主党の衆議院議員。元総務大臣にして、我が国の政界における反ワク・陰謀論者のバリバリ最強ナンバーワン。Meiji Seikaファルマから訴えられている。

(原口一博)

(原口一博)

井上氏ら登壇者のおかげで病気が治ったと信じているらしく「命の恩人」と感謝。「ワクチン接種によるターボ癌(本人談)」が寛解したとのことで喝采を浴びた。「無敵の男だから呪詛(じゅそ)みたいなこともやる」などの放言も。

「命がけの国会議員が集まって日本が立ち直る。1番はスパイみたいなものをあぶり出す。2番目は289の小選挙区に僕らと同じ考えを持つ人たちを立てていく」

これ本当にどうすんだよ立憲民主党は…。

 ▽藤江成光 元議員秘書で反ワク活動家のユーチューバー。ワクチンで日本人が大量死したと主張。厚労大臣の記者会見に入り込んで意味不明な質問をするのは大体この人。

(藤江成光)

(藤江成光)

エボラ研究施設が建設されているという長崎から中継で出演。

現地集会の参加者のおじい様にその場でインタビューし、「生物兵器を作るため(の施設で)外国で作ったら危ないから日本で作って、すぐに使って戦争を起こそうするものです」と、ドえらい突き抜けた声を引き出してしまう。

 ▽川田龍平 薬害エイズ被害者の元国会議員(立憲民主党)。反ワクチンさんたちに日本のロバート・ケネディ・ジュニアだと思われており、反ワクさんの中では厚労大臣就任が確実な男。

(川田龍平)

(川田龍平)

参院選落選を詫びると、やはり客席から「次は厚労大臣!」の声が飛んだ。落ちた直後にかける声じゃねえだろ。

レプリコンワクチンを止めるための自費出版が2万5000部も売れたとのこと。ほかにも反ワクチンの著書を宣伝し、自ら新たな団体を設立したことなどを紹介。

「必ず返り咲いて国政でまた仕事をしていきたい。厚生労働省職員の皆さん、首を洗って待っていてください」と宣言し大歓声を浴びた。

 ▽奥野卓志 政治団体ごぼうの党代表。芸能界にもパイプを持つ陰謀論インフルエンサー。メイウェザーに花束を投げた人としても有名。「国民運動」で大々的にスピーチするのは初である。

(奥野卓志)

(奥野卓志)

ディープステート言いなりの自公政権を倒すため、経営者らとの人脈を作り、衆議院で過半数をとる動員の準備をしているとのこと。

「山本太郎君とも神谷(宗幣)君とも握手して233(議席)死守しないと。創価学会の組織票と戦えるぐらいの組織を全国に展開しようと思っている」

しかし「玉木雄一郎に騙されてはダメですよ」。そこはあかんのかい。

なぜか「愛のエネルギーが一番強い(アインシュタイン)」を紹介。これが後の登壇者の演説にも影響してしまうことに。(後述)

 ▽池田としえ 元・日野市議会議員。先の都議選に出馬したが落選。反ワクさんから多大な支持を集める、日本の反ワクチン運動の生き字引と言えるパワフルおば様。

(池田としえ)

(池田としえ)

ワクチン接種の先にあるのは「金融統一」と語り、アフリカ移民も現金のない社会を目指して入れられると主張(???)

「自民党ではなく、実は東京都の緑のポンポコリンが日本を支配して自民党のお尻を叩きながら成長させてきた。そんな知見も私たちは共有をして戦わないと」

殺されるため子を産む女性はいない、男にスイッチを触らせるな、などのメッセージも発した。

 ▽佐藤和夫 英霊の名誉を守り顕彰する会会長。元自衛官。「トランプ必勝」「高市早苗を総理に」など数多くのデモ行進を企画。そのうちバズったのが、この「国民運動」による大会の発端となった昨年の東池袋集会である。

(佐藤和夫)

(佐藤和夫)

戦争を起こさせる「裏の勢力」に言及。「あの特攻までやったから、アメリカはこんな怖い国に軍を持たせるなと憲法9条を与えて駐留した。その結果、我々は80年間平和でいる」

80年談話を出そうとしている石破首相に激怒し「ディープステートに完全に舐められている」。

拉致問題を武力で解決しようとしている元自衛官の話も披露した。怖すぎるやろ。

 ▽あえば浩明 幸福実現党の初代党首。アメリカ発の保守系集会CPACの日本版で議長を務め、「トランプ大統領に最も近い日本人」とも称される元・幸福の科学信者。

(あえば浩明)

(あえば浩明)

ロバート・ケネディ・ジュニアの活躍などを解説し、「ディープステートだらけなんですよ。アメリカの政界というのは」

今回の登壇者それぞれを持ち上げ、12月に開催予定のCPACジャパンのイベントを「アベンジャーズ的な集まり」と紹介。保守の団結を促した。

 ▽林千勝 作家、近現代史研究家。「国民運動」共同代表。反ワク・陰謀論者のカルト的な人気を誇り、この運動を自在に煽動できる力を持ってしまったリーダー的おじさん。

(林千勝)

(林千勝)

「パンデミック、プランデミックの問題って偽装なんです。ワクチンでもない遺伝子製剤なんですよ。スパイクタンパクですよね。初めからスパイクタンパクだって分かって治療すれば、何十万って命が救われたかもしれない。実は原子爆弾も一緒なんです」

お得意の「原爆は偽装だった」との話に持っていった。

「都知事も長崎県知事も我々の仲間から出しましょう!」が締めの言葉。

うん、もういいよそれで(錯乱)

(以下の限定部分では、まさかの商売、謎の揉めごと、黒猫ドラネコが驚愕したあの人のフィジカルなどをお伝えします。ご興味のある方はぜひサポートメンバー登録を)

「愛」があれば勝てる…?

反ワク・陰謀論者のオールスター感謝祭のような雰囲気の集会だった。まあそのへんは毎度おなじみということで。

ひとまず今回は、この「国民集会」レポート初登場の人物に注目したい。ごぼうの党の奥野氏だ。

彼が登壇すると会場の雰囲気が少し変わった。チラホラいた若い男性客から歓声が上がり、「きた!」と喜ぶ姿があった。

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