参政党とは。ヤバいの固めた政治団体の正体

こんな団体から議員を出しちゃダメなのでは…。参政党の演説を聞いてきました
黒猫ドラネコ 2022.05.18
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どうも黒猫ドラネコです。

湿気の多い、暑いのか寒いのかよく分からない季節になっていますね。こんな感じで大体おざなりな時候の挨拶からいつも始めております。

毎度おなじみ、このレター記事は大勢の人に読んでもらいたい部分を無料で公開し、後半の「黒猫の考察」部分を有料読者にお送りするスタイルです。有料記事というだけで批判する人もいるので、なんとか工夫しながらやっている次第です。

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前回の反ワクチン裁判の記事に続いて、今回もちょっくら現地取材に行ってきました。

なにやら新しい政治団体が、ネット上のアレな人たちの間で幅を利かせているということで。ずっと気にしてはいましたが、政治に疎いこともあって放置していました。

しかしながら参院選まであと2カ月をきって、どうやら選挙ウォッチ界隈などでも話題になり始めたようで、色んな意味で「誤解されないように」私が仕方なく重い腰を上げます。

関係者や、出馬候補者を見ましたが、どこかで見たメンツ…。

あ!あいつだ!あいつもいる!!ひいいい!

今回はコロナ禍が生んだトンデモ政治団体「参政党」についてご紹介します。今月13日に演説を聞きに行き、「ダメだこりゃ」の思いを強くしました。

******

参政党の演説へ

東京は新橋SL広場の午後1時前。

中高年を中心にじわじわと聴衆が集まっている。聞いていたほどの勢いがないのは、早朝からの雨にけむるせいだろうか。

オレンジ色が印象的な旗と看板を設置して、10人ほどのスタッフが一生懸命に設営作業に追われていた。様子を伺っていると、ティッシュ配りかのごとくなぜか無言でさっとチラシを手渡される。

何か声をかけながら配ればいいのに。慣れないスタッフが多いのだろうか。

(新橋の駅前広場に設置された看板)
(新橋の駅前広場に設置された看板)

「参政党」である。

どういった党なのか。まずはチラシの文言などを引用する。

・参政党とは「仲間内の利益を優先する既存の政党政治では、私たちの祖先が守ってきたかけがえのない日本がダメになってしまう」という危機感を持った有志が集まり、ゼロからつくった政治団体です。特定の支援団体も、資金源もありません。同じ思いをもった普通の国民が集まり、知恵やお金を出し合い、自分たちで党運営を行っていきます

・「誰かがやってくれる」という時代はもう終わったのです。既存の政治や政党に失望しているあなたこそ、”政治”に”参加”してください。その受け皿が『参政党』です

(参政党の「綱領」 HPより)
(参政党の「綱領」 HPより)

党のホームページなどによると、支援金は2億円以上集まっている。

2020年4月に旗上げしてから、サポーターを含む党員は2万人を突破。この夏の参院選では、国政政党を目指して40人ほどが立候補予定とのことだ。

この日の街頭演説でも聴衆は徐々に増え、雨の中でも最終的におよそ200人は集まっていた。全国各地のキャラバンでも常に数百人が集まるという盛況ぶり。その密集した聴衆の大多数がマスクをしていないのも特徴だ。

スタッフの一生懸命な前説のあと、定刻として仮設ステージに登壇して拍手で迎えられたのは、共同代表の吉野敏明氏と松田学氏だ。

「波動測定機」を使う歯科医、吉野氏

まずは吉野氏が党の説明から。

「読んで字のごとく政治に参加する党」と始めて、「政治と生活は密接に絡み合っている。ところが、皆さん政治に興味がない」と熱弁を振るう。

利権にまみれて力を誇示するような悪いイメージばかりだが参政党は違う、と話す。既存政党に期待できないからみんなで政治に参加するとの趣旨で、政治は全ての生活に根ざし、困ったことがあったら頼る存在のはずだという。それはごもっとも。

「素人がゼロから作り上げた」などと強調していた。こちらの吉野氏に政治家の経験はない。歯科医である。新たなチャレンジだ。けっこうなことじゃないか。

しかし問題はこの吉野氏、自身のクリニックで「波動測定機器メタトロン」を推奨している。本まで出している。そっち方面で有名なトンデモな御方なのだ。

政治の利権どころの話ではない。YouTube動画やFacebook投稿などでもしょっちゅう意味不明な自然派や、根拠の薄いニセ医療と呼ばれるようなことに肩入れしていた。本人もその批判を受けている自覚はあったはずだ。

黒猫ドラネコ
@kurodoraneko15
【注意喚起】残念ながら医療関係者でも反ワクチンを煽るデマやトンデモ思想を広める人はいます。例えばこちらFacebookで「ワ9チン」など当て字を使って凍結やBAN回避に必死な吉野敏明氏。医師(歯科)ですが、陰謀論が元の話や医学的根拠の薄い説を撒くことで有名で、波動機器メタトロンを推奨しています
2021/05/13 14:54
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今回の吉野氏の演説の内容で気になったことに触れよう。

吉野「言論の自由が邪魔されている。YouTubeの番組304本消されてチャンネルを二つ消されてしまった。これは政府が何もしなかった怠慢。訴訟をしようとする動きがあってお手伝いをしている」

→ 知らんがな。ただの自分の規約違反じゃねえか。政府は関係ないだろ。

吉野「待機児童も老人ホームの問題も大事だが、この瞬間も大切なことは、この国が奪われようとしていること。財産をとられ、土地もお金もとられ、病気にもされている。これを解決しないことにはその先の問題なんか何もない。情報もどんどん奪われている」

→ どうも陰謀論めいてきた。支持層に訴えかけるにはちょうどいいんだろうけど。

吉野「イギリスやヨーロッパができたのは1700年前ぐらいのもの。日本の文明は3万5000年続いている。皇族はみんな耳の位置が低い。耳の位置が低いのは温厚な人。日本人は温厚な一族を探して権威になってもらった。日本人は国名をジャパンなど変えて呼ばれても怒らない。(などなど数々のよく分からない話を垂れ流してから)皆さんの心の中に、大和魂があるからここに集まって来ている。皆さんの心が共鳴しあって、共感しあって参政党がこんなに支持を得て大きくなっている」

→ なぜ日本だけが旧石器時代から他国より優れたとしているのか。もはやトンデモ歴史観とスピリチュアル思想がエキサイトしすぎて意味が分からない。

熱意があると言いたいことだけは感じた。

吉野氏の「そうでしょ皆さん!」に合わせて聴衆は「そうだそうだ!」などと反応して拍手で盛り上がっていた。だが、部外者の私には納得できる部分が少なく、全くついていけない。おそらく初めて足を止めて聴いた人もそう感じたはずだ。

そもそもこのSL広場を、最初に演説をスタートさせた場所ということで「聖地」とまで呼んでいたので、多くの人に向けてアピールしたいというより「信者」の集会に見える。

(マイクを握り声を上げる吉野敏明氏)
(マイクを握り声を上げる吉野敏明氏)

ナチスと神真都Qの擁護まで

さて、吉野氏に続いては松田学氏である。(実際には二人が交互に演説)

元衆議院議員(当時は維新)なのだが、この方の話が吉野氏以上にまあ色々と酷い。

新型コロナウイルスのワクチンを「おちゅうしゃ」と呼ぶ。支持者にウケると思ってそうしているのだろう。BANを避けながら、アレな視聴者を喜ばせるYouTubeのノリである。

「PCR検査は無意味」「マスクは赤ちゃんが口元が見えなくなって発達に遅れが出る」から始まり、「(ワクチン政策は)グローバル利権」のようなことや、原発についても「科学者が利権にまみれて嘘をついている」「我々は科学に基づいて発言している」と。

まるで参政党だけが真実を語っているとでも言いたげ。情報弱者を「目覚めさせる」にはうってつけのトークだ。

松田氏の演説の内容で問題があると感じた部分を挙げていこう。都合よく切り取った批判だ、などとは言われたくないから、文字起こしをほぼそのままで載せる。

松田「いろんな国と仲良くするのはいい。グローバリズムでは一つの考え方、一つのやり方で世界を同じにしようとする勢力がいる。それには反対。私たちは長い長い日本の歴史の中で八紘一宇をずっとやってきた。みんな多様性があって、それぞれ違うが一つの屋根で仲良くやろうと、こういうグローバリゼーションだと言った。そういう地球社会を作ろうと日本は大東亜戦争を戦ったし、これからは日本新秩序なんですよ。世界が日本の解決を求める時代に入ったんです。高い志を掲げてこれからの地球社会を導いていくんだと、こういう政党なんですと。これ他にありません。志さえあれば個別の政策ってあんまりどうってことない」

松田「(改憲について)今の憲法がいいなんて考えていない。たとえば今、自民党が四つ出しているあれに反対か賛成かなんて議論はしたくないってことなんです。緊急事態条項にはもちろん反対なんですけどね。根本から日本をどういう国にしていくかを参政党がみんなで考えて、それに基づいて憲法を作ろうってことなんです。改正じゃなくて創る。一から創るんですよ。今の憲法って、文法的におかしいところがいっぱいある。アメリカが作ってるから。翻訳してると変な文章が多い。あれ日本の憲法じゃないですよ。日本はまともな憲法はないですよ。それを作りましょう。そのためにはみんなできちんと議論しましょう。日本ってどういう国柄の国なのかを」

日本こそ世界の中心とでも思っていそうだ。かなり右の方に寄っている印象。むちゃくちゃ偏っている。

そして極めつきは、ロシアのウクライナ侵攻についての見解だ。誰かからの伝聞ではあったようだが、松田氏は「一番歴史的に参考になるのがヒトラーがポーランドに侵攻した時だそうですね」とした上でこのように述べた。

松田 「ヒトラーを正当化するわけじゃないですよ。ヒトラー達はポーランドに決して過大な要求をしなかったんですね。ダンチヒというドイツ人が90パーセント住んでる都市だけ返してくれって言ったらしいんですね。ところが米英がポーランドのバックについて、とにかくヒトラーと戦えと。それでポーランド気を強くしちゃってドイツ人がたくさん住んでいるところを何万人も虐殺したそうなんですよ。それがドイツ人を守るということでヒトラーがポーランドに侵攻した。なんか今回のウクライナとそっくりなところあるんですよね」

もう完全にアウトである。

正当化しないとの断りはあったものの、ナチスのプロパガンダを信じているとんでもない発言。それをどう聴いても現在のロシアによるウクライナ侵攻に当てはめている。

参政党の公式見解と受けとっていいのだろうか。

(マイクを握る参政党共同代表の松田学氏と吉野氏)
(マイクを握る参政党共同代表の松田学氏と吉野氏)

松田「侵攻した側が百パーセント悪い、侵攻された側が百パーセント正しいという訳ではない。我々はロシア派でもウクライナ派でもないんです。日本派なんですよ。日本の将来のことを考えながら事態をちゃんと見なきゃいけません」

そんな考え方を言い出したら世界のあらゆる紛争についてが全部そうなるじゃねえか。どんな論理だ。

聴衆はこれらの何が問題かを分かっていないように深く頷いていた。ネット上の変な動画で同じような見解でも見たのだろうか。

松田「参政党は政策を持っていないんじゃないかと言う人がいる。私がいるじゃないか。思い上がりだと言われるかもしれないが、ある政治ジャーナリストが岸田総理の演説よりはるかに中身があると言ってくれた。政策がちゃんとある。いくらでも出ていって論破します、議論します。それよりも大事なことがある。スピリットなんですよ、精神なんですよ。これが今までの日本の政治になかったんじゃないでしょうか。精神さえあれば色んな問題って解決されるんですよ」

その謎の自信からなのか、穏やかで低い声から色々とトンデモ発言が飛び出していた。

松田「神真都Qってのがいるんですかね。なんかね、反『おちゅうしゃ』団体ってのがいて、とんでもない奴らだって、陰謀論を信じてるんだと。そうネットで流れてる。これなんかまさにグローバリストのね。まともに言ってる人をつぶそうとしてるんですよ。そういうのどんどん出てきますね。だけど私は常に言ってます。このコロナの問題、科学的な知見に基づいて発言しています。科学的知見に基づいたら、これが反社会的団体のように言われる。どっちが反社会的なのか、これに向かって我々は立ち上がらないといけない」

あの反ワクチン・陰謀論集団を擁護するとは驚いた。接種会場のクリニックに迷惑をかけて逮捕者まで出したのに。いくら大和魂つながり(?)でもそれはないだろ。

やっべえなあ参政党さん。

あの「反ワクチン市長」とも繋がる神谷氏

今回の演説に先立って、参政党は8日にパシフィコ横浜で「イシキカイカクサミット」なる集会(政治資金パーティー)をおこなっている。

チケットSS席10万円、一般席2万円という高額ながら、会場には5000人が集結。立ち見まで出たとのことだ。それ自体は構わない。内容に興味もない。演説を聞く限りお察しだろうし。

ただ、この「イシキカイカクサミット」の登壇者には、ロックグループHEAVENESE(ヘブニーズ)の名前があった。これがとてもじゃないが、これから国政にチャレンジする団体のイベントに関わらせていいようなバンドとは思えない。感染対策を揶揄するような動画を出して、あからさまにワクチン忌避を煽っている集団なのである。

バンドの主宰者は都内で「ノーマスクカフェ」を運営している。反ワクチン・ノーマスク界隈の拠り所で、あの陰謀論インフルエンサー・目覚めてる庶民さんの行きつけの店でもある。

まあ、コイツはもういいや。

このHEAVENESEが2020年からそのカフェで開催している「We Rise」なる”ノーマスク集会”には、今回新橋で演説していた吉野氏、松田氏のほかにも武田邦彦氏、井上正康氏などなど、この党に関係するメンツがほとんど名を連ねていた。

泉大津市長の南出賢一氏が参加したことでも知られるイベントだ。


南出氏が、地方公共団体の長の身でありながら、一連の反ワクチン勢力に寄る姿勢や、自然派への傾倒、謎のスピリチュアル粉撒きをおこなっている繋がりを辿っていくと、参政党の発起人である神谷宗幣(かみや・そうへい)氏にぶち当たる。二人は親友の間柄だそうだ。

神谷氏とは何者だろうか。

「龍馬プロジェクト」という団体で、若手の地方議員や首長らのリーダーになっていて(南出市長もここ出身)、自身が運営する「イシキカイカク大学」には並木良和氏まで招いている。自称スピリチュアル・カウンセラーの御仁だ。なんの講義やらせてんだアンタは。

(神谷氏のFacebook投稿より)
(神谷氏のFacebook投稿より)


神谷氏自身も参政党としての演説にはやはり最も積極的だ。

動画でその内容を確認した。「ワクチンは実験中」と発言したり「私もマスクはしない」と宣言したり、「男女共同参画は家族を壊す。その予算で子ども達の給食を全部オーガニックにできる」だの…。色々と、ものすごーく、はしゃいでいらっしゃるご様子だ。

誰もツッコまないのかやりたい放題な感がある。行動力は素晴らしいのかもしれないが、なんというか、かなり偏っている人だ。

神谷氏の「疑い」については後半部分でも考察する。今後もキーマンとして注目していきたい。


参政党の分析と総括

ここまでを踏まえ、参政党とは、神谷氏が自信満々に広げてきた思想活動の集大成ととらえてよさそうだ。

コロナ禍にあって、社会との逆バリをした「ノーマスクカフェ」などでのイベントに飽き足らないトンデモな人脈と、そこにつく妄信的でニッチな支持層を使って国政に手を伸ばそうとしている。そんなお察しの団体だ。

参政党は各地の演説でメンバーが「コロナは茶番」「マスクもワクチンも必要ない」のように公言して憚らない。しかもそれを「科学に基づいている」としている。

そこに加え、社会科の勉強をしてこなかった人に受けるような偏った歴史観、政治不信に陥った人が特別感を味わえるような誘い文句を繰り返し、支持者が多くなっている。

反ワクチンや陰謀論の動画などを視聴するような層を集め、その配信者も出馬予定だ。ネット上での評判はここに起因しているのだろう。

思想的な偏りが強いだけでなく、スピリチュアル、自然派、陰謀論、反ワクチンがざくざくのトンデモづくし全部乗せ。

国政に潜り込ませていいのかどうかは、言うまでもない。

(以下は有料登録で全文読めます)

黒猫の考察「参政党に関する噂と、どれだけ支持されるか」

現地で演説を聞いてみても、政策や取り組みの具体的な話もなく、「大和魂」「想い」「スピリット」などが飛び交う精神論に終始していた。

トンデモ案件の関係者やその繋がりが多いことから、個人的にはものすごく慎重な見方をしていたことは隠さないが、それを払拭して見直すようなものは何一つなかった。

他の街頭演説でもこんな感じなのだろうか。現状の政治がよくないからと、「良いこと言ってるな」と近寄る人がいるなら残念だ。

こんな連中が評判で、期待する人も大勢いるとは。コロナ禍でのネットリテラシーの低さが浮き彫りになっていると思う。


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