最後の反ワクチン行進?「グッバイコロナ」「マスクはう〇こ」「三浦春馬さん真相を」などのごちゃまぜ隊が練り歩く…陰謀論者デモ2Days詳報(東京~新橋編・完)

陰謀論者さんデモ、ラスト。2日目の午後の部(後編です)
黒猫ドラネコ 2023.06.14
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「あたこく」と合流

 嵐はすっかり過ぎ、東京都内は快晴に変わった。

 渋谷NHK前でのデモを終えた反ワクチン集団「百万人プロジェクト」の面々は、午後からは東京駅付近に集合。大手町と日本橋を繋ぐ常盤橋公園に、NHK前にはいなかったキャラ…失礼、メンバーも集結していた。

 数えると合計およそ110人。後に「主催者発表200人です!」とアナウンスがあったが、水増しはよくないので正しい数を記しておく。

 参加者と一定の距離をとって取り囲むように、警察車両と担当の方々が警戒態勢を敷いていた。

 よく見ると私服警官と公安もいる。数十人規模だろうか。お仕事とはいえ、きめ細かくこんな連中の監視をして平和を守ってくださっているのは頭が下がる。

 ここから午後のデモ行進が始まる。観光客らしき人達が不安そうに状況を見つめていた。

 主導権を握って場を仕切っていたのは、元NHK党幹事長で「つばさの党」代表の黒川あつひこ氏。

 彼が理事を務める「新しい国民の運動(あたこく)」の旗が何本か掲げられ、大きなスピーカーを搭載した街宣車からよく分からないポップソングが流れていた。

(集合場所で翻る『あたこく旗』)

(集合場所で翻る『あたこく旗』)

 参加者は中高年がメインではあったが、若い女性や、小学生ぐらいの子ども連れもいた。沿道から「見て、子どもがいる…」「うわぁ…」との嘆きが聴こえた。

 おそらく、お子さんは何も分からずに並ばされているのだろう。すごく残念だ。きっとお友達と楽しく遊べるはずだった晴れた土曜午後。ここにも二世問題はあると感じる。

 時刻は14時ちょうど。

 あたこく街宣車の上から、「真宮寺さくら」みたいな衣装の黒川陣営のおば様が何やら神妙に儀式を開始。目を閉じ「かしこみかしこみもまおす~」と「祓詞(はらえことば)」を唱えた。

 おば様は「笑顔でいきますよー!」と掛け声。すぐ、あたこくテーマソングで「people power」と連呼する謎の軽快な曲が流れ、列に並ばされた参加者は緊張の面持ちから、どこか嬉しそうに変わった。

 100メートルほどの長い行列が東京駅方面へと出発。あたこく勢が先頭を行き、後方から「百万人プロジェクト」集団が40人ほどついていった。

 思い思いの不気味なプラカードが踊る。「子どもを守ろう」の抽象的なものから、「ワクチンガチャ」「マスクはう〇こ」「日本政府はディープステートに乗っ取られてます」だのだの…。はあ…。

 別動隊として、おば様たちが沿道でチラシを配りまくっていた。なにげなく受け取ると「三浦春馬さんは他殺ではないか」とか書かれていて、「ヒッ」と声が出そうになる。

 そういえば、あたこくは「三浦春馬陰謀論」のデモも支援しているのだ。

 「ご興味ありますか!」とぐいぐい聞かれ、「これは…わあ…あっ…」とちいかわ的な泣き笑いを作ろうとしてしまう脳のバグを直す。あ、オイやめろ、横を通ろうとしたベビーカーのお母さんに渡そうとするな。

 反ワクチン・陰謀論ごちゃまぜの行進はついに始まってしまった。

(デモ行進がスタート)

(デモ行進がスタート)

(ネット上でよくみる反ワクチン派の画像も)

(ネット上でよくみる反ワクチン派の画像も)

(参加者による独特な主張)

(参加者による独特な主張)

(こういうのがたくさん掲げられていた)

(こういうのがたくさん掲げられていた)

黒川氏が「ラスト」宣言

 まず街宣車の上から黒川氏が何か演説をしようとするも、スピーカーの調整がうまくいかず、キーキーと不快なノイズばかり流れる。開始からしばらく見た目通りの単なる迷惑集団と化していた。

 やはり黒川氏は演説慣れしているのがよく分かる。

 「グッバイコロナ、グッバイコロナワクチン」「マスクしている人を批判するわけではないですが、なんとなくマスクするのは止めた方がいいのではないでしょうか」とよく通る大声でまくし立てた。

 しかしどういうわけか、その声に被せるようにして、後方「百万人プロジェクト」の主催者の毛利氏も「こちらは緊急事態条項反対、憲法改正反対のデモ行進です!」とまるで「さあ黒川サンに負けていられないぞ!」とばかりに大声を出し始めてしまった。

 一緒に歩いてるのに何やってんだよ…。

 双方の主張を分かりたくなくても概ね分かる私ですら声が重なってよく聴き取れないことが多かった。沿道から行進を呆然と眺める人々は何を言っているか全く理解できなかったはずだ。

 この行進を通じて前と後ろで主張が定まっておらず、参加者もそれぞれが叫んだりスピーカーを持っていたりするため、ただの騒音にしかなっていなかった。

(マイクを持つ黒川あつひこ氏)

(マイクを持つ黒川あつひこ氏)

 行進を先導しつつ、「われわれは『コロナ問題を考える会』でございます。実はこの会でデモをやるのは今日で最後です」と黒川氏は明かした。

 「あたこく」じゃねえのかとのツッコミは置いといて、すぐ後ろを歩くおば様グループが「え、そうなの…今日で終わり?」とざわついていた。仲間に周知してなかったのかよ。

 つまり、もともとは反ワクチン活動家として有名になった黒川氏のラストを飾る行進にもなるのだろうか。

 黒川氏には、こうして自ら先頭に立つ路線に切り替えた経緯がある。ヤバめの反ワク政治団体「国民主権党」と組むなど精力的に活動していた過程でコロナ陽性になってしまい、それをわざわざ公表したことによって、「コロナは茶番」と考える本流の反ワク界隈から総スカンを食らってしまったのだ。(旧NHK党での活動はそのあと)

 そんな御仁が、日本の中心部でこんなにも盛大なデモを主導、フィナーレに充実感をにじませた表情をしている。

 この界隈を見守ってきた私も感慨深いものが、ない。

 黒川氏は「コロナは終わったのに、まだワクチン打てとか言われるんですよね。あれワクチンって毒ですからね!体に入れない方がいいですよ!製薬メーカーがどんどん売りたくて…」とか、「マスクは小さいお子様の発達に障害が出るかもしれないという研究もあるんですよ!」などなど、最後にふさわしい(?)弁舌を披露していた。

 そんなこんなで、観光バスや修学旅行生も多くいる東京駅前を大音量で通り過ぎていくデモ行進だ。大通りが続くため信号待ちもかなり長い。そのたびに沿道からの奇異の視線が注がれているのがよく分かる。

 デモ隊は優遇されて車道をどんどん進むから、私服警察もウォッチャー勢もついていくのが大変だった。

 しかし、この暑さの下で立ち止っての連続が起こした白昼夢か、これまで何度もデモ観察をしてきた私にとって最高の場面に遭遇してしまった。

 まさに僥倖(ぎょうこう)。トンデモウォッチャーをやってきて本当によかった。ちょっと泣きそうになった。

 宣伝になって申し訳ないが、この信じられない『奇跡』は、7月2日(日)雨宮純さんとのトークイベントでご紹介したい。

 ネイキッドロフト横浜にて正午開場。どうぞお楽しみに。アーカイブ(録画)配信チケットなどのご購入はこちらから

 このウォッチャー的な眼福を分かってくれる人のご視聴、お待ちしております。

マックの女子高生を「ナンパ」

 デモ隊は数寄屋橋交差点を渡って新橋へと向かった。

 シュプレヒコールだか何だか分からないが、ずんちゃずんちゃのリズムに合わせ「5類になったぞグッバイコロナ!」「そろそろ自分で考えよう!」「テレビや新聞、真実流せ!」とかなんとか、大勢で声を合わせつつ銀座を通過した。

 実に楽しそうだが、一方やはり沿道の聴衆は「なにあれ…」「すげえの来たぞ」とドン引き。もうなぜかこちらが申し訳ない気持ちになってしまう。

 手持ち無沙汰のようにトボトボ歩いていた反ワクチンラッパーグループ「韻暴論者」のR-typeが、このあたりでようやくマイクを持つことになり、意気揚々と何かを述べていた。特に取り上げるまでもないので省略する。

 それと、N党などを追っている動画配信者のおじさんにもなぜかマイクが回ってしまい、遠慮するのかと思いきや意欲的に何かを叫んでいた。

 よく分からないので省略する。

(新橋駅前でのデモ隊)

(新橋駅前でのデモ隊)

(新橋の繁華街を行くあたこく旗)

(新橋の繁華街を行くあたこく旗)

 新橋駅付近からは狭い通りへと入り、だんだんと隊列も詰まってきた。

 別動隊によるチラシ配りまくり攻勢も激しくなる。歩道が狭く逃げられないためか、やむを得ず受け取る人もチラホラ。

 見開きフルカラーで「マスクとワクチンの有害性」みたいなチラシもあった。優しそうなおじ様が「1年半かけて刷ったんです。一枚10円コストがかかっているんですよ」と説明しながら配ったが、自転車のおばあちゃんから「そんな手間をかけた良いチラシなら必要な人に渡せばいいのに。要らないのに受け取れないよ」と吐き捨てられていた。

 横で聞きながらフフフと笑っていると、後ろから手がぬっと伸びてきて「三浦春馬さんの(略)」みたいなチラシをまた渡そうとされてしまう。

 「ああ、もらいました、もらいました」と必死でさっきのチラシを見せると、「それとは別なんですが」と言われたので仕方なく受け取った。

 確かにデザインは違うが「三浦春馬さんの不審死再調査を」とか書いてある。内容ほぼ同じじゃねえか…。ここでは決して油断してはいけない。

 そうこうしていると、新橋駅裏マクドナルド付近で大事件が起きた。

 「日本政府はディープステート(DS)に乗っ取られています」と書かれたプラカードを掲げたおじさんが、その場にいた女子高生2人に声をかけ、なんと「ナンパ」に成功してしまったのだ。

 DSおじさんは2人を列に紛れ込ませ、嬉しそうにおそらくデモについての解説を始めている。聞いても何一つも理解できないであろう女子高生もテンション高めのまましばらくデモ隊と共に歩いてしまった。

 幸いにも冷やかしのつもりだったのか、2人はすぐに離脱。しかし、私服警官の顔色が変わっていたのは言うまでもない。

行進の終着地にて

 最終地点は繁華街の中にある新橋桜田公園だ。

 警察による最後の誘導の合図が響く中、黒川氏は「これでファイナルですが、またみんなでやりたいと言った時はやろうと思います。(コラボ行進した)毛利氏はコロナ問題を考える会のメンバーです」などと叫んでいた。

 最後なのか続けるのか、どっちなんだい…。

 街宣車からなぜか沖縄民謡みたいな曲が流れ(感動のエンディングを演出?)、デモ隊員が狭い路地裏の公園入り口に吸い込まれていく。

 運動場のようになっている広い場所に群れ、暑さに耐えながらのおよそ1時間の行軍をそれぞれが労い、称え合っていた。活動資金を募るおば様たちが箱を持って歩き回り、「ここで寄付すれば必ず自分の人生に返ってきますよ」みたいなワケのわからんことを口走っている。

 そして、2日間にわたるデモと合同行進を成功(?)させた「百万人プロジェクト」毛利氏が締めのスピーチへ。

 実はツイッター上で、デモ方針に関して別の反ワクグループから攻撃を食らっていることもあって(すぐ内輪で揉めるからなこの人達)、その鬱憤を晴らしたかったのだろう。

 毛利氏は「あいつが好きだ嫌いだとか、分断とか言いたい奴は勝手に言ってればいいんだよ!」「行動するしかねえんだ。『気付いた人』が動いて声をあげましょう!」みたいに力強く宣言し、喝采を呼んだ。

 こちらのグループは今後もデモを続ける気満々のようだ。ああ、そうですか…。

 解散後、近くでラッパー「韻暴論者」の路上ライブがあるから是非来てとアナウンスがあったが、私は特に見なくていいと思ったので帰途に就いた。

 沿道でデモを目撃してしまった皆さん、お疲れ様でした。

(以下はサポートメンバー限定、行進のスタートから終着までの模様を振り返ります)

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