神真都Qだけじゃない。「陰謀論インフルエンサー」も取り上げて
どうも、黒猫ドラネコです。
しかしまあ、連日いろいろと動きがあるものですね。
書くネタには困らないのですが、もうちょっと広く浅くの姿勢でもいいかなと思う今日このごろ。落ち着いたらもっと色んなことに言及していきたいです。
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神真都Qの近況
前回の記事で神真都Q(やまときゅー)を解説したが、ついに20日、代表者の岡本一兵衛も逮捕された。リーダーが捕まって大きく報道されたことはひとまずホッとした。
こちらKヒロさんによる記事では、「参加型エンターテインメント」と表現されていて分かりやすい。
前回も述べた通り、神真都Qは全容が分からないカルト教団のようなものではなく、承認欲の強い元俳優らが情報弱者をテキトー陰謀論で煽って出来上がった”烏合の衆”。よく分かっているウォッチャーの方々は、概ねそういった論調だ。
オープンチャットも実質ただの掲示板だった。つまり、思想を染められた人が集った強固な組織では全くない。それぞれが好き勝手に、お気に入りの「ネットDE真実」を持ち寄り、楽しいエンタメとしてのデモ行進を満喫したい人がほとんどだったのではないだろうか。
今のところ、4人とリーダー逮捕の恨みを晴らすために、団結して行動を起こすような様子もみられない。「DS(ディープステート=闇の世界政府)が警察を使って最後の悪あがき」などと強がる者もいれば、「トランプさんの救済はまだ?」と不安を吐露する者もいる。
「一斉に報道されたのは不自然」「やはり我々を分断させるための罠」みたいな意見も多い。いやいや代表が捕まっとるがな。「本物のイチベエさんは既に渡米してトランプさんと共になんちゃらかんちゃら」うーむ…相変わらずキビしいねえ…。
こうしたチャットやSNS投稿を眺めていても、世間とはズレて後戻りできない人が集まっているのは確かだ。
今月24日の全国一斉デモ行進が中止になり、新規会員募集もストップ。複数の記者らが信者に接触をはかろうとしているが、この25日には箝口令が敷かれたようだ。
(神真都Qホームページより)
末端にインタビューされ、またボロが出て世間に笑われるのを恐れているのだろうか。今さらなのに。
このままじわじわと活発な動きがなくなって、支持が減っていく流れではないだろうか。あとは行動力のある各地リーダーや過激派をどうにかして、逮捕者が保釈されてから英雄視されて再び集団が活性化することのないよう、公安にはしっかりと監視していただきたい。
前回の私の記事はこちら 陰謀論集団・神真都(やまと)Qの行く末 | 【トンデモ観察記】 (theletter.jp)
さて、反ワクチン界隈にあって、神真都Qという極端なケースが(勝手にやらかして)露見したわけだが、もっと分かりにくい、ネット上で起きている根本的な問題にもフォーカスする必要があるのではないかと考えている。
メディアにもどんどん取り上げていただきたい。このコロナ禍は、SNS上で”モンスター”を生み出し続けていることを。
その発信が、リテラシーの低い人の心を掴んで今日もデマが拡散されている。反ワクチンのデモ活動などに大きな影響を及ぼしていると言っても過言ではない「陰謀論インフルエンサー」の出現だ。
たとえば「目覚めてる庶民」
今回は代表的な一人を取り上げる。
その主張は「コロナは政治的イベント(プランデミック)」。ロダンの「考える人」をアイコンにしている。近代彫刻の祖も呆れているに違いない。
目覚めてる庶民(自頭2.0)は、この界隈で最も影響力を持ってしまったアカウントだ。
(ツイッターのプロフィールをスクショ)
このコロナ禍で陰謀論をまき散らして急成長。驚くことに今や10万フォロワーを軽く超えている。(4月24日現在)
以前まで「自分の頭で考える人」を名乗っていたので「自頭」と付いている。その意味は、「マスクやワクチンを推進する世間に流されずに自分の頭で考えよう」のようなことだ。
恣意的なデータや海外からのデマ動画などを持ち出し、感染対策を小馬鹿にするようなツイートを繰り返して、「恐ろしい感染症など存在していないのに」のような、お目覚めになられた持論を強気に述べるのが特徴だ。
そして反ワクチン活動でおなじみ国民主権党の熱心な支持者である。
くしくもこの原稿を書いている最中、党首の平塚正幸が中学生を妊娠させてトラブルを起こしたと報じられた。信者が自分の娘を紹介して交際を勧めたとかいう、「カルト二世問題」にも通じる内容。胸クソ悪さで触れたくもないが、平塚氏と国民主権党に関してはまたいつかまとめよう。
こちらは平塚を擁護する庶民さんのツイート。
平塚さん絡みっていつもこうなんだよな
大切なのは演説の内容
正しい思想を多くの人が知ること
発言者のプライベートなど全く関係ない
惑わされないで下さい
最後に
バイトの皆さん
アンチの皆さん
お疲れ様です
愛し合った独身の男女が親の同意の元で交際し
可愛い赤ちゃんを授かったというお話
部外者の他人が
下品な言葉を並べて
騒ぎ立てることですか?
生まれた赤ちゃんや若い母親のことも考えて
こんな話題にまで「反ワクチン党首」という見出しが踊るんだよ
そういえば、昨年8月の週刊朝日に、平塚の主張と並んで「インフルエンサー」として取り上げられた庶民さんは、『コロナ禍で行動や価値観やルールが画一化され、人間が感情や判断を失いロボット化しているように見えます。同調圧力によって、善意のうちに差別と迫害を生む全体主義に導く。この騒動は世界的に仕掛けたシナリオだと確信しています』と述べている。
「週刊朝日に取材されました」と大喜びし、滅多に使わない自身のブログに取材で語った内容を綴ったにも関わらず、誌面では300字ほどの小さな扱い。しかも表紙に「ワクチン陰謀論信じる人に聞いてみた」と記載されてしまう始末。
ウォッチャーの笑い泣きを誘ったものだ。
↓
舞い上がる庶民さん、意気揚々と長文で応じる
↓
わざわざブログで回答公開
↓
反ワクチン・ノーマスク界隈「ついに真実をメディアが取り上げる!」などと大喝采
↓
できた最新号の見出し(四枚目)
しかし、週刊朝日で掲載された当時は4万6000フォロワーだったそうなので、1年足らずで倍以上に膨らんだことになる。
そんな庶民さんはネット上の活動だけでなく、ノーマスク派が集う都内カフェに出没。反ワクチン・ノーマスク街宣、講演などにもよく出向く。
彼の素性も含め、今後どうするつもりなのかなどの考察は、やや憶測も入るので後半に記す。
庶民さんのツイートは、簡単に言えば「マスク着用のお願いを断ってやった俺」みたいな寸劇調の内容が多い。
それに味を占めたのか、もはや世間との「逆張り」をアイデンティティとしていることが分かる。つい最近も狂犬病に対してこんなツイートをしていた。
断片的な情報しか知らないが
直感的に思ったのは
「致死率」だの
「感染」だの
「発症」だの
国民の騒がせ方がコロナの時とソックリ
「コロナは風邪とは違う舐めるな」と
「狂犬病はコロナとは違う舐めるな」は同じ穴の狢
ともかく
メディア発信で人々が騒いでる情報には乗っからないに限る
反体制や反知性こそ陰謀論者の真骨頂ではあるのだが、さすがに反ワクチン界隈でも引いている人がチラホラいた。
目覚めているかどうかは関係なく、発症したら致死率ほぼ100パーセントだ。例えば庶民さんが、ウイルスを保有した動物に試しにちょっぴり噛まれて発症してみて何ともなく生還でもしない限り「狂犬病は茶番だ」にはなり得ない。
(以下は私のコラム的なもの。有料登録で全文読めます)
陰謀論インフルエンサーをどうするか、黒猫の考察
「自分の頭で」から「目覚めてる」にポケモンばりに進化した初期の段階で、私は先回りブロックされている。
フォローして潜入中のウォッチャー勢も多数いる(もちろん私も潜んでいる)のだが、10万フォロワーの大部分がワクチンデマや陰謀論を信じる方々であることは間違いない。
リプライ欄などからそんな方々の動向を追って観察していくとよく分かる。彼らの言う「調べた」「自分で考えた」は、つまり偏ったネット情報から判断し、庶民さんのようなインフルエンサーと一緒になって、「やっぱり思った通り、こうとしか考えられない」との個人の感想を固めるだけの単純作業だ。