内ゲバも勃発。米軍ホテル前で「CIA音頭」を歌う抗議デモ

またしても日米合同員会デモを見てきました
黒猫ドラネコ 2024.08.30
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***

米軍施設のニュー山王ホテルを臨む車道を挟んで向かいの歩道。集まった中高年たちが声を上げ続けていた。

日米合同委員会に抗議するデモは25日、東京都港区南麻布の一角でおこなわれた。

初の日曜日開催の様子は
(日米合同委員会デモに集まった参加者)

(日米合同委員会デモに集まった参加者)

普段は、日米合同委員会の開催日に合わせて木曜日に行われるというこのデモ。今回は参加者増を期待したのか初めての日曜日開催だったそうだ。

「ほな日米合同委員会やってへんやんけ」の正しいツッコミをする者が誰もいないので、ひとまずここで言っておく。

このデモについては以前にも取り上げたが、あれから定期的に開催されるようになったらしい。

主催者は活動家の甲斐まさやす氏ら。

密室での日米間の交渉など、今までもこれからも問題が全くないとは言い切れないところに、陰謀論や排外主義的な思想を落とし込んでさらにややこしくして猪突猛進する集団になっている印象だ。

今回は「日本人は皆殺しなんです」なんて放言する人物こそ追い出されたのか来ていなかったが、平日開催の前回密着時とは顔ぶれがさほど変わらず、人数も増えていなくて50人弱だった。

いったい何のための日曜開催なのか、謎は深まるばかりだ。

このデモに備えてか、ホテル前の警備態勢は以前よりも厳重になっていた。駆り出された警官や公的機関の方々も20人はいただろう。

定期的に開催されるようになったので、この手の人達への対応にも慣れてきただろうが、猛暑に見舞われた休日の昼間、警察もお仕事とはいえ本当に頭が下がる。

(南麻布の一角に陣取ったデモ隊と警官ら)

(南麻布の一角に陣取ったデモ隊と警官ら)

(演説する主催者・甲斐まさやす氏)

(演説する主催者・甲斐まさやす氏)

多彩な演説と「CIA音頭」

抗議活動の冒頭、主催者の甲斐氏が挨拶をするかしないかの際に、参加者同士の揉め事があって「やめろ!」「止めて止めて!」のような怒声が響いた。

警察の皆さんも間に入るなどしてさっそく大忙し。何があったか詳しくは分からないが、どうやら「出禁」を言い渡された人物が暴れたようだった。

車道にまで出て激しく荒くれるその人を最後は主催者らがなだめるシーンがあった。デモの本筋とは関係ない内ゲバなので詳細は後述する。(メンバー限定部分にて)

(怒りを露わにする参加者と間に入る警官)

(怒りを露わにする参加者と間に入る警官)

しかしまあ、その本筋の演説の内容も相変わらずだった。

「今回の米大統領選に立候補した(?)」とかいうアメリカ出身の男性が勝手にアメリカを代表して原爆や空襲について誤りだったと話していた。大統領になってからこれを言える日が来るのだろうか。

そのほかにも「日本の独立宣言(?)」を勝手に出している人がいたり、「日本は植民地です。国会は日米合同委員会で決まったことを流すだけ」との演説が繰り広げられたり、「CIAが資金を出して作られたのが自民党。もともとアメリカのために作られた党」と話す人がいたりと、しかのこのこのこ多士済々であった。

そんな演説者の中で、冒頭の荒くれた人とも口喧嘩をしていたおじ様が、なんと「CIA音頭」を作ったあのナオライオン氏ということが分かった。

「誰やねん」という意見は甘んじて受け入れる。私もそんなに興味があるわけではない。モリカケ問題などから黒川あつひこ氏(つばさの党)と行動を共にしてきた人なのだが、今はここに辿り着いたらしい。

反ワクチンさんのデモ行進でも顔を見かけたことがあるような気がする。それっぽいTシャツも着ていた。

満を持して登壇し、主催者・甲斐氏とともに楽しそうに「CIA~CIA~俺たちみんなを見張ってる~」などとCIA音頭で歌い踊るナオライオン氏。だが、甲斐氏のほうが声が出ていたせいもあって、この場にいたみんな(私と警察除く)が期待していた本家の歌声は完全に霞んでいた。

ちなみに甲斐氏がCIA音頭を歌うのは本日2度目である。

ここは主役を譲ってやりなさいよ…。

(CIA音頭を歌う甲斐氏とナオライオン氏=奥)

(CIA音頭を歌う甲斐氏とナオライオン氏=奥)

そんなナオライオン氏はこの場で企画していたTシャツやステッカーの販売を警察に止められてしまったそうだ。

それでもめげずに「欲しい方は声をかけてください。個人間のやりとりなら…ね?」みたいに話していた。

警察がばっちり聞いている中でこう言えてしまうのは清々しくて正直すごいと思った。

選抜メンバーがホテル前へ

さて、何人かの演説を終えると、この日米合同委員会デモ名物「ホテル前に出向いて抗議する」の時間だ。このパフォーマンスなくしてこのイベントは成立しない。

警察からホテル前まで行く人数を制限するように要請があったらしく、参加者が不満げにちょっとピリつくような場面もあったが、ここは素直に従って撮影者やそっち側のジャーナリストら10人ほどが選抜された。

穏やかにうまくコントロールしていた警備の方々には本当に頭が下がる。

さあ、いよいよ甲斐氏らが「行ってまいります」と横断歩道を渡り、決意を胸に厳戒態勢のニュー山王ホテル入り口へと向かう。

残った40人の聴衆は拍手を送ったりして見守り、ハラハラドキドキの瞬間だ。

(警護されながら横断歩道を渡るデモ主催者ら)

(警護されながら横断歩道を渡るデモ主催者ら)

賢明な読者の皆さんはもうお分かりだろうが、市民や道路交通の安全確保が公務である警察はともかく、ホテル側にはデモ参加者らに応対する義務は1ミリもない。

近付いて「この抗議文を受け取れ」的なことを叫んでも、そもそもアポなしの上に日曜日の米軍施設内に対処できる人がいるかどうかも分からない。

結局は無反応を食らい、無念そうに戻って来るというのがお約束なのだが、今回ばかりは車道を挟んでも聴こえるほど、甲斐氏らが挑発的に声を張り上げていた。

ナオライオン氏も警察に囲まれながら粘り、主催者側のラッパーみたいな人も英語で叫んだりもしていたようだ。

最後は「あなた方が日本から出て行くまで抗議を続けます!」と、甲斐氏の大声が響いてきた。

(ニュー山王ホテル前で叫ぶラッパーみたいな人)

(ニュー山王ホテル前で叫ぶラッパーみたいな人)

(ニュー山王ホテル前に出向いて叫ぶ甲斐氏)

(ニュー山王ホテル前に出向いて叫ぶ甲斐氏)

で、どうなったのか。

書くまでもなく、なんやかんやで再び横断歩道を渡って、残った参加者に拍手に迎えられつつ定位置に戻って来た。

残念ながら今回も 何の成果も!!得られませんでした!!

と、なりそうなところだが、ポジティブシンキングは大事だ。主催者から「ほぼ反応はなかったけど、警備員の黒人さんの眉がピクっと動いていたのが見えた」との強い手応えなども語られ、「米軍基地に配達証明つきで送る方法がある」「抗議を続けていくことが大事」のような締めの言葉があった。

これにて2時間ほどの抗議活動は無事(?)に終了。

警察の皆さん、ホテルや近隣住民の方々、今回も本当にお疲れ様でした。

(以下はサポートメンバー限定で解説など)

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