【潜入、反ワク集会】海外ゲスト登場。団結を強める反ワクチン集団
7月末の土曜日。都内のレンタル会議室に、反ワクチン・インフルエンサーらと、それを信奉する反ワクチンさん達がおよそ350人(席数から概算)も集まった。
やはり中高年が多く、女性の比率がやや高めの印象。長机と座席がギチギチに詰められ、椅子を引いても立つスペースがないほどだった。室内は「WHO脱退!」「コロナワクチン即刻中止せよ!」などと書かれた旗や横断幕で飾られていた。
すっかり国内の反ワク集団の主流となった「mRNAコロナワクチン中止を求める国民連合」による集会だ。
今回は全国各地の「同志」と中継を繋いでの講演会がおこなわれた。
(反ワク集会の様子)
(会場に飾られた横断幕)
池田議員と原口議員
軽快なテーマソングに乗せ、反ワクチン医師らが「ワクチンには効果がないことが分かっている」と断言したり「命を守るワクチンじゃなかったの?」と子どもが泣くPVが上映された。
そして司会で登場したのは池田としえ氏。日本における反ワクチン活動の生き字引でもある日野市議会議員は、機材トラブルを笑いに変えたりしつつ、慣れた感じのMCで会場を温める。
この会の代表(東北有志医師の会なる反ワク集団の医師の男性)が開式の挨拶に立ち、「ワクチン犠牲者に捧げたい」として全員起立し、1分間の黙とうで集会はスタートした。
まずスクリーンに映ったのは、こちらも毎度おなじみ原口一博議員だ。
都合により来場できなかったようだが、「これはワクチンではありません。そしてウイルスではなく人工物です。私たちはモルモットじゃありません。グローバリストは邪悪そのもの。これは戦争なんです」などと熱のこもったビデオメッセージを寄せた。
…あの、立憲民主党さん、本当にもうこれは。本当に、もう。
(反ワクチン集会にメッセージを送った原口一博議員)
村上氏、井上氏、荒川氏
序盤の目玉は、村上康文氏(東京理科大名誉教授)の講演。
一般の知名度は高いとは言えないが多くの反ワクチンさんの支持を集める同氏は、スライドを駆使して「シェディングの問題」をテーマに「レプリコンワクチンの感染力を低く見積もってはいけない」として、動物から人間へも「ワクチンが感染する」などと語った。
ここの人達はワクチンの成分が飛散して害をもたらす説を本気で考えている。
「最悪のシナリオ」として、なんやかんやワクチンの害が伝播して「日本人旅行者の排除が起こる。日本製品が国際的に排除される可能性がある」(村上氏)のだそうで、会場を震え上がらせていた。
(講演する村上氏)
次いで、一般の知名度は高いとは言えないが国内の反ワクさんなら知らない人はいない井上正康氏(大阪市立大医学部名誉教授)が講演。
「接種者はワクチン製造工場。動く感染媒体になる可能性がある。これをレプリコンパンデミックと呼んでいます。起こった時は取り返しのつかないことになる」と話した。
WHO脱退についての自著を宣伝しつつ、「WHOをけん引しているのが日本の厚労省」「テドロスが『パンデミック』と呟くと皆さんは強制接種される可能性がある」などと語り、フランスの下院でワクチン反対を罰する法案が通ったとの話に、「まず村上先生が最初にムショにブチ込まれる予定になっている」と突然の仲間いじりで会場を盛り上げた。
「最後の関ヶ原の決戦をやるのが我々のミッション」と物騒な言葉で締めたが、用意したパワポがトラブルで映せなかったことを全てアドリブでカバーしたそうで、池田先生に称えられていた。
(池田としえ議員に称えられる井上氏)
さらに、一般の知名度は高いとは言えないが反ワクさんなら知っている荒川央氏(イタリア在住の研究者)がスクリーンに登場。この集団の「代表賛同者」だそうだ。
ミラノからのビデオ出演で「感染力の高いワクチン、毒性の強いワクチンが登場するとスーパースプレッダー(強力な感染源)になる。まさに人体を用いた機能獲得実験で、決してやってはいけない人体実験」などと語った。
音響の都合か声が小さく、抑揚のない音読をするようなスピーチ。短い時間だが、スクリーンのために薄暗くされた会場ではウトウトする参加者も。
そんなことを知る由もない荒川氏は、「どうか危険なレプリコンワクチンを自ら拒絶するようにお願いします」と結んだ。
どうでもいいが、もう少しカメラから離れて撮った方がいいと思った。
(ミラノからメッセージを寄せた荒川氏)
ジャーナリストの呼びかけ
そっち方面に強い感じのジャーナリストも登壇。
一般の知名度は高くないが(略)の我那覇真子氏は、参政党外部アドバイザーの女性だ。会場からの人気も高く、ひときわ大きな拍手が上がる。
我那覇氏は「皆さんもご存知の通り、これはワクチンではありません。兵器と呼ぶのが正しい。兵器は人を殺します」と断言して再び喝采を浴びた。
この言葉で沸いちゃうような場所なんだとあらためて実感する。
沖縄出身だそうで、日本をワクチンから守りたい思いについて「ひめゆりの塔」を持ち出し、「私たちの番なんです。自分にできることを頑張ります。皆さんと出会えて一人じゃないと言い聞かせています」と熱く語っていた。
(ジャーナリストの我那覇氏)
この人は先日の横浜スタジアム接種会場前にも現れて反ワクさん側の目線で取材しており、「生物兵器を打つ所です」などと話していた。
「ワクチンは兵器」は以前からの持論のようだ。
さて、ジャーナリスト枠の特別ゲストとして、一般知名度もあるであろう山路徹氏が登壇した。
お兄様がワクチン接種後に亡くなってからこの界隈に注目するようになったそうで、前述の村上名誉教授と共著を出しているらしい。
この活動により、仕事がほとんどなくなったと明かした山路氏は、会場の熱気でさらに決意を新たにしたようだった。
「マスコミは伝えなかったことの責任を感じてほしい」などと話し、元テレビ番組の制作側の意見として「皆さんがお住まいのテレビ局にメールを送ればいい。なんで(ワクチンを)推奨ばかりして警鐘を鳴らす放送がないのかと。我々も番組を作っていて視聴者の声が一番怖いので」と呼び掛けていた。
これを受け、司会の池田先生からも「私たちの具体的なアクションの一つとして番組に直接意見を送ること。民の声が一番こたえるところです」と念押しがあった。
テレビ局の方々は、反ワクさんからのクレームが増えたらこのせいだと思ったらいい。
(反ワク集会に登場したジャーナリスト山路氏)
このほか、特別企画のような形で、あのナカムラクリニックと反ワク女性医師が対談する映像があったが、いつもの感じだったので割愛する。
(参考ポスト)
あの歌手が熱唱して後半へ
1時間半ほどで休憩時間に入った。
休憩中はスクリーンに「仕事が干されてしまう中で、芸能関係では特筆して頑張って発信してくれている」(池田議員)として、あの大物歌手ASKAさんの特別映像が流された。
会場外のトイレに列が伸びる中、「有志議員の会」の反ワクチン市議らが活動資金を集めるため寄付のお願いに練り歩く。そこに優しく響く歌声は、この界隈のテーマソングみたいに扱われてしまっているASKAさんの「プライド」のPVだ。
なんちゅう空間なんだ。知ってたけど。
(反ワク市議らによる募金活動)
(休憩中のスクリーンに映るASKAさんの熱唱)
さて、そんなこんなで集会も怒涛の後半だ。
「なあ、もうやめようよ…」なんて弱音を吐かずに頑張って読んでくだされよ。
この反ワクチン運動の中心人物になっている林千勝氏(近代史研究家)が登場。
「レプリコンワクチンは日本に落とされる3発目の原爆」との持論をしつこいまでに繰り返している同氏は、スクリーンにキノコ雲と、サルの代わりにワクチンの実験に使われる日本人のイメージなどの数々の不穏なスライドを流しつつ「WHO、武見(厚労大臣)は日本人を殺そうとしています!」などと叫び、これに参加者も全員で「そうだー!」と力強く応じていた。
なあ、もうやめようよ…。
(熱弁した林千勝氏)
さて、この集会は「全国同時多発アクション」と銘打たれ、全国各地でビラ配りなどの反ワクチン活動に勤しむ皆さんとのライブ中継が繋がっていた。
だが、この会場から「〇〇さーん」と呼び掛けても応じてもらえず、音声が届かないようで「周りを映して」とスケッチブックに大きく書いて伝えようとするも、おじ様の顔面アップや画素の粗い風景が延々と映るばかり。
イベントに音響トラブルは付き物で、私も経験があるのであまり馬鹿にもできない。しかしそれにしたってこの時間は無駄では…と言いたくもなる。
そんな中で「ワクチン、ゆるさんぜよーッ!」とみんなで声を上げた高知県の集団の映像だけは、録画だったのか割と鮮明だったが、なんと高知のご当地シンガーらしき女性がASKAさんの「プライド」をピアノ演奏しながら細い声で熱唱するサービス精神を見せてしまう。
それ、さっき本物が歌った映像を流したばかりぜよーッ!
ツッコミが喉元まで出かかって苦しんでいたのが私だけで本当によかった。
メインのゲスト
さあ今回のメイン。大物ゲストの登場だ。
WCH(ワールドカウンシルフォーヘルス)の代表者らが来日中で、ここにも登場したのである。
WCHについて簡単に説明すると、新型コロナ対策にイベルメクチンを推進しようとしていた女性博士が創設した団体だ。日本では、代替医療として有名なオーソモレキュラー医学会などがここに加担している。
代替医療シンパや過度な自然派を多く取り込んでいる「国民連合」とWCHは常にセット。「WHO脱退」を掲げ、WHOに代わる組織にしたいのがWCHなのだ。当ニュースレターでも何度か解説したことがある。
(参考)
WCHメンバー来場は告知されていたとはいえ、サプライズ的に盛大に迎える予定だっただろうに、WCHの外国人女性らがドアから入って来たタイミングは、よく分からないおじ様プレゼンツ「レプリコン・クイズ」なるコーナーの最中だった。
大した盛り上がりもなく、おじ様が「違いますよ~皆さん~」みたいにヘラヘラしながら進めていたこともあって、冷めてしまった人が多い印象。挙手で正解した人だけが立たされ、最後まで残った人が「反ワクチンロゴの入ったトートバッグ」みたいな賞品をもらえるのだが、もはや正解しようが関係なく飽きて座る人が続出してしまう。
そんなツラい空気が漂う中で、WCHメンバーが来てしまってスタッフが右往左往。参加者も「(あれ、WCHの人達が入ってきたぞ…ざわざわ…)」みたいになって、みんなどうしていいか分からない。
ああ、これだよ。こういうダメな文化祭みたいなグダグダが見たくて俺はトンデモ集会へ潜入しているんだ…!
クイズコーナーも無事に(?)終わったか終わっていないかのタイミングで、会場の中ほどで待たされていたWCH代表のテス・ローリー女史ら4人は、通訳のおじ様を連れて前へ。ようやく大きな拍手に迎えられた。
挨拶に立ったローリー氏はこの日本の反ワク集団との「連携」などを訴えた。
(来日したテス・ローリー氏=左とWCHメンバー)
村上名誉教授や林氏らが質問をする形式になり、「(ワクチンの害に)気付いていない人も救いたいがどうしたらいいか」との問いには、ローリー氏のお連れの女性(誰なんだよ)が「旗に大きく文字を書いて伝えてみて」との回答。
池田議員が「コロナワクチンにDNAが混入していた問題は?」との反ワクさんらしい質問を投げると「WCHのウェブサイトで専門家ヒアリングしているので見て」的な答えから「結論としては生物兵器以外の何物でもない」とローリー氏。
「『彼ら』の目的はグレート・リセットだが、私達はグレートフリーセット。自由になる事です」と語ると、会場からは感心したように大きな拍手が起こった。
ローリー氏はそのまま「宇宙の意思」などを持ち出し、「水の分子は一つの方向だ」なんてことも言って「連携と団結」をやはり強調。「人類の繁栄のためには団結が大事。そうすれば自分が何者なのかに気付く」などといった長めのスピーチが続いた。
するとここで、時間が押していることに気付いたのか、池田先生が突如として「そうですね!それでは皆さん!拳を握って、団結していこうエイエイオーでいきますよ!」と叫ぶ。
池田議員「団結していこう!」
参加者「エイエイオー!」
清々しいまでに強引にゲストの講話をぶった斬ってしまった。(マジかよ…)
日本語が分からず、まだ途中なのに何事!?みたいな笑いを見せたWCHの面々だったが、これに乗るような形で、南アフリカ流のエイエイオー「力を!我らに!」という意味の掛け合いを会場にレクチャーする。
全員でこの儀式をおこなう流れになった。
WCHの人「アマンドゥラ?」
参加者「アウェイトゥ!」
WCHの人「アマンドゥラ!?」
参加者「アウェイトゥ!!」
パチパチパチ!ワーー!(大歓声)
…いやあ、結構キツいっすね、これは。
しかしまあ、反ワクさんにとってのWHOの代わりの人達はこういう感じなのか。正直言って話の内容からも、想像していたよりだいぶ厳しいと感じた。
医師らが号泣のフィナーレ
宴もたけなわ。だいぶ端折るが、そんなこんなで4時間ほどの集会は終わりを迎える。
司会の池田先生に促される形で、講演に立った反ワク・インフルエンサーな名誉教授の先生方や反ワク議員が一人ずつ何かを述べることになった。
その中で特に驚くほど感情をあらわにしたのは江戸川病院の加藤正二郎院長だ。
加藤院長は話しだすとすぐに何の脈絡もなく、この会場近くの靖国神社に展示された特攻隊の若者のことを引き合いに出し、「俺はこんな情けない国になって…申し訳ないんですよ…」と声を震わせて号泣。
あまりにも突然のことにビックリする会場に向けて、「ちょっとでも日本をまともな国にしたい。皆さんも頑張ってほしいと思います」と呼び掛けた。
(号泣する加藤院長)
なお、日本の情けなさを憂いて泣いた加藤院長はこういうことをする人なので私は全く信用していない。
そんな熱い涙に呼応したわけでもないだろうが、実は会場のスタッフ達にも、このフィナーレの最中には涙ぐむ姿がチラホラあった。
集会を成功させた達成感もあったのだろうか。
何はともあれ、最後は池田先生の「ノーモア・ワクチン!」「WHO脱退!」などのコールに会場全員で何度も拳を高く突き上げ叫ぶフィナーレ。
反ワク・インフルエンサーが並んで、明るくハイタッチで参加者を見送っていた。
(拳を突き上げる反ワクさんたち)
(参加者をハイタッチでお見送り)
この「国民連合」は、8月末に広島でのデモ行進を企画しており、9月には再び東京・有明で「10万人の」集会をおこなう計画となっている。
色んな決意を胸に秘め「団結」して膨らんでいく反ワクチン集団はどこに向かうのか。
なお、この猛暑の会場外で、公的組織の方々が開始から解散までしっかり監視していた(お仕事とはいえ本当に頭が下がる)ことだけは記して、少しでも読者の皆さんを安心させてレポートを終えよう。
今後もそれに負けじと観察して書いていきたい。
(黒猫ドラネコ)
てなわけで、こんな感じで身も心も削りながら明るく元気に書いているので、私のニュースレターを登録して継続して読んでいただけたら幸いです。
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