【潜入ルポ】参政党、都内で演説練習会③ N党強襲!「神谷さんを逃がせ!」

潜入最終回。あーもうめちゃくちゃだよ
黒猫ドラネコ 2023.02.19
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どうも、黒猫ドラネコです。

好きな寿司ネタは炙りエンガワです。

参政党イベントの潜入ルポ。今回でラストでございます。

初回は足立区、板橋区、北区、江東区、新宿区、杉並区、墨田区、千代田区、文京区、中野区、練馬区、東村山市、豊島区、三鷹市(演説順)の14人が登場。

前回は台東区、国分寺市、昭島市、渋谷区、品川区、大田区(3人)、世田谷区、中央区の10人が登壇しました。

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いよいよ迫ってきた統一地方選に向けてのスピーチ会。

それぞれが決意を新たにしたことでしょう。ボスの神谷宗幣参議院議員もご満悦でした。党員の意欲が高まった2日間。

そんなイベント後に、しかし参政党を待っていたものは…?

週1ペースの配信にしているため、イベントからはずいぶん時間が経ってしまいましたが、騒動のあらましをお伝えできれば幸いです。

それではどうぞー

*********

「ユーチューバーさんですか?」

候補者の演説に触れ終えたところで順番は前後するが、2日目の大田区会場の様子も書いておこう。

下丸子駅を降りてすぐ。大田区民プラザは初日よりも大きなホールだった。

厳重な警備だ。入り口付近にいる男性スタッフの数が多い。

実は前夜も終了後に引き揚げる候補者や来場者に向けて、出口に来ていたNHK党の数人が大声で何やら悪口を喚いていた。

同様にこの2日目もN党から「襲撃予告」があったのだ。世間はほぼ興味がないであろう、このバトル。双方の党員とウォッチャー勢が生温かく見守っている状況である。

会場前にやはり陣取っていたN党の数人を横目に入場。地下への階段を降りると、広くはない通路の両脇にもずらりと並ぶ参政党スタッフ。

まるでパーティーのごとく「こんばんはー」とにこやかに迎えられ、受付へ。前日と同じく形式的ではあったが荷物検査をされた。

おば様「失礼しまーす(ガサゴソ)」

だから人の持ち物を勝手に触るなって…。こっちで開けさせろよ…。

やはり場内での録音や撮影は禁止の通告があったが、YouTubeライブ配信をやるのに禁止する意味あるのか疑問だった。どうやら申請をすれば誰でも撮影できるらしい。

受付に尋ねてみる。

黒猫「あの、今から写真の申請はできますか」

受付「できますよ。ユーチューバーさんですか?」

黒猫「いえ(写真だっつってんだろ)、ユーチューバーという訳ではないんですが…」

受付「身分証明書を見せていただいて、アカウント名や配信先などを誓約書に書いていただけたら」

黒猫「せ、誓約書? そうですか…(悩むふり)。すみません、ちょっと今回はやめておきます」

報道なら分かるが、ユーチューバーの身分証明書を求めるのはなかなか斬新だ。匿名でやっている人もいるだろうに。

つまり参政党は自分達を広めてくれるユーチューバーたちの個人情報をがっつり握っているってことだな…。そして誓約書とは…?

ああ、なんだか色々こわいな。

(ステージの様子、開始前は撮影OKらしい)

(ステージの様子、開始前は撮影OKらしい)

会場内は小ホールのような造り。前夜と違ってきちんと壇があって見やすくなっている。

席数は120ほど。ほぼ満員で熱気ムンムンだった昨日とは違い、立っている大勢のスタッフが座ったとしても余るぐらいで、開始後も席が埋まる様子はない。

見渡して数えたが観客自体は80人をやっと超えるぐらいだった。

会社帰りのサラリーマンらしき人もちらほら。年齢層は前夜より少し若返った気もするが、やはり高齢者、おば様たちがメインではあった。

マスク着用率は比較的優秀で、10パーセントほどはしていたので少しだけ安心(?)だ。

「キャー誰々さーん!よしりんの何々で会ってどうのこうの」みたいに再会を喜ぶ声が響く。うるっせえ。

後ろに座ったおじ様たちは一定のトーンで「耳つぼで内臓疾患が治癒した」みたいな話をしている。ああーこわい、こわいよう。

横のブロックでは、母親らしき人に無理やり連れられたのであろう中学生ぐらいの男の子がずっと不機嫌そうに漫画を読んでいた。スピーチが始まると寝てしまった。二世問題は胸が痛い。

私のすぐ横にマスクを着けた眼光鋭い若い女性が座った。

この雰囲気はおそらく党員ではない。会場中が笑う中でも私と一緒に無反応。終始、真剣にメモを走らせ、何とも言えない感じで首をひねりつつ、誰よりも早く会場を出た。追いかけて聞く間もなかった。

週刊誌の記者だろうか…それとも家族や知人がハマったことで様子を見に来た人か。

「ああ、これぞ参政党のイベントだ」と改めて実感する。

参政党は「鬼殺隊」

前回のレター有料部分で、この日の10人の演説に触れた。

スクリーン不具合など細かい問題はあったものの、初日に比べてイベントの段取りはしっかりしていたし、演説のレベルもかなりマシだったように思う。

この日も最後に神谷議員が登壇。総評を始めた。「昨日よりは全体的によかった」とは私と同じ感想だ。

毎度おなじみで国政政党の座を勝ち得た昨夏の苦労も述べつつ、次の統一地方選では既に260人ほどの候補者がいるという。「今回は全員が当選するぞの選挙」との力強い言葉。

そして自身が29歳で初めて選挙に出た時の思い出を語り始めた。

「ある日突然、立候補しようとなったんです。ひいおじいちゃんが夢に出て来て『今だ、今だ』と言っていたので選挙のことかなと思って…」

元から海外留学での外国人との交流から、日本に危機感を覚えて政治家になりたい意向はあったそうだが、党員さんは神谷氏のひいおじいちゃんに感謝だねえ…。

それから参政党が「カルト」との批判を受けることに触れ、「神谷宗幣」という名前について自虐ネタ。

「名前に『神』と『宗教』と『お金』が入っているんですからね。教祖みたいだって言われてますから」

これに会場は大ウケ。いい持ちネタだ。さすが、冴えている。

しかし、毎回こういう感じで党員をほぐして安心させているのを見ていて、この雰囲気が何かに似てると思っていたら、あれだ。

マルチ商法とかが「怪しい怪しいって言われますけどー」って前置きするやつだ…。

ひと笑いさせてからの真剣な表情への切り替えも実にうまい。

「新しいデータが出ているのに『もう買っちゃったのでワクチン』だなんて、よっぽど政府の方がカルトですよ僕らからしたら」

そして、大阪時代に橋下徹氏と共闘していたが利権などに失望して離れたこと、その後に維新の会から攻撃対象にされ脅迫されたとの武勇伝や、安倍晋三元総理との繋がりで自民党から出馬した話。

これらもすっかりおなじみのエピソードトークである。

(大いに語る神谷議員。演説を上げていたYouTubeサムネイルよりスクショ)

(大いに語る神谷議員。演説を上げていたYouTubeサムネイルよりスクショ)

自身が過去に人間不信に陥った辛い経験なども交え、好きだという「鬼滅の刃」の話をするフェーズに入った。

「鬼も元々は悪い人じゃなかった。何かがあったから鬼になった。最近僕らに(妨害を)やってくる人たちはよっぽど幼少期に何かあったんでしょう」

「戦うべきは日本人の病んだ心。鬼になった人たちは人生に希望がない。一緒にやろうという人たち(参政党員)はまさに鬼滅の刃の『鬼殺隊』ですよ。日本人の心の中にいる鬼をみんなで浄化(?)させていく。本気で日本をよくしようという人たちがいるんだという姿をチームで見せていくしかない」

「僕たちが鬼殺隊をやっていたら、いつかその中から『煉獄さん』みたいな人が生まれるわけです。お金や地位や学歴がある人がエリートじゃない。本当のエリートは煉獄さんみたいな人」

「今日の10人を含めて仲間を、参政党の鬼殺隊を応援していただいて、日本に愛とか信頼とか友情とか臭く聞こえるような言葉が復活するような社会を取り戻しましょう。それが日本を守ることになる。皆さん一緒にやりましょう」

観客のほとんどの中高年が「うんうん」と深く頷きながら大きな拍手を送る。

こうして「目覚めた集団」の夜は更けていった…。

最後に前夜のように会場の全員で「いーち、にいー、参政党ー!」のコールがあるかと思って構えていたら、なぜか今日はなかった。

チッ、なんだよ。高々と指を四本にして揚げてやろうと思ったのに。

近隣住民も激怒

イベントが終わると、出入口前にはNHK党が集結していた。

さあ、この人達にとってはここからが本番。会場の全ての出口を固めにかかり、神谷議員に突撃するための出待ちだ。

とうとう待ちきれなかったかのように、数人が正面から会場内にも乱入した。そこで神谷氏を追いかけ、守ろうとする鬼殺隊…、もとい、参政党員ともみ合いになったらしい。

私も様子が見たくて仕方ないが、さすがに再び中に入っていけば自分も同類になってしまうので控えておく。外からも荒れているのがよく分かる。あーあ。

N党の方々は後で、ぶつかって転んだだの肩が触れただのを語り合い、階段で「押すな」と言われたことに「押すな押すなは押せってことだろ!」とかで爆笑。「引っ張るな」「痛い痛い」などと叫ぶおしくらまんじゅうの様子が撮れた動画や写真を戦利品のように見せ合っていた。

(参政党をパロディしたシャツを着るN党支持者)

(参政党をパロディしたシャツを着るN党支持者)

神谷議員を追って連携を取り合い、すぐ裏手の地下駐車場からの出口が最も怪しいと言って移動。それを見たウォッチャー勢も慌ただしく動く。

N党支持者の中にはわざと参政党カラーの橙色のTシャツを着た人も複数いたが、ポジション取りや騒ぎ方などから、N党、参政党、ウォッチャー(+公安警察)と明らかな違いが出てすぐに判別できる。

この構図は実に面白い。

そして警備する参政党員への大声での罵倒が始まった。

特にN党・黒川あつひこ幹事長は「大の大人が恥ずかしくないの」「奥さんや子どもは?なんて言ってるの?」「何歳?うーん、52…?54…?」「それが大和魂って言える?」などと独壇場に。

(参政党員を煽りまくるN党黒川氏)

(参政党員を煽りまくるN党黒川氏)

無視を決め込む参政党員をとことん辱め、それにN党員が茶々をいれて笑い合う。

ついには近隣住民が「うるせえ!人の家の前で何やってんだ!」と窓から怒鳴るなどの地獄絵図が拡がった。

N党側はそれでも、駐車場出口から車が出るたびに「来た来た!」「神谷か!?」と騒いでは進路をふさぎ続け、またも押すな押すなの大騒動に発展。

先ほどの近隣住民も「本当なんなんだよお前ら…」と呆れた声を出す始末。

N党支持者は「後ろにしゃがんで隠れてるんじゃねえか」「段ボールの中か」などと車内を覗き込み、仲間内で「お前ちょっと車にはねられて来いよ」「そしたら10万再生はいく」などとゲラゲラ笑っていた。

ついには神谷議員が乗っているかどうかも分からない車を「待てえええ!うおおお!」と車道を猛ダッシュして追いかける。

(大混乱の大田区民プラザ駐車場出口)

(大混乱の大田区民プラザ駐車場出口)

(車に張り付くN党)

(車に張り付くN党)

(車を追って猛ダッシュするN党の方々)

(車を追って猛ダッシュするN党の方々)

ボスを逃がしたい参政党、それを襲撃したいN党。

神谷と立花、どっちがお館様でどっちが鬼舞辻無惨か。令和の住宅地(大田区)を舞台に繰り広げられるハラハラドキドキの和風ダーク・ファンタジーである。

平日22時だぞ。

結局、神谷議員の退出は確認できなかった。

警備を厚くしたと見せかけての陽動作戦(?)だったのだろうか。

無言で立ち去ろうとする参政党員に向け、車を追いかけ終えたN党の中心らしき人が荒い呼吸・壱ノ型で「それはねえだろ!」などとなぜかブチギレて掴みかかるように食ってかかり、仲間が止めに入り…。

世界よ見てるか、これが日本の国政政党同士の熱き戦いだ。

(以下は主に黒猫のコラム的な雑感、有料登録で全文読めます)

闘いの舞台は選挙へ

ちょっとだけ参政党が気の毒になってくる。

しかしここに至るまでのどこかのタイミングで真正面からまともに相手をしていれば、N党側のハンティング欲もここまで高まらなかったのではないだろうか。

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