「お金は戻る。声上げて」。がん患者らターゲットに80億円荒稼ぎのウィンメディックスに立ち向かう被害者の会

ウィンメディックス「被害者の会」が発足し、動いています
黒猫ドラネコ 2024.03.15
誰でも

どうも、黒猫ドラネコです。

今回のレターは全読者向けです。ウィンメディックス被害者の会の方々や、弁護士さんから話を聞いたうえで、近況を取り上げていきます。

まずは読者の皆さまにお願いです。

この記事内容をSNS上で拡散していただけませんでしょうか。初めて現状を知る人も多いかと思います。できるだけ多くの人に届くことを期待しています。よろしくお願いします。

概要は次の通りです。

・がん治療の新薬開発を謳い、自社の未公開株を無登録で販売した「医療ベンチャー」ウィンメディックス社の刑事裁判が続いている。

・がん患者らをターゲットにした悪質な手口になっているのではないかと見られる。

・「ウィンメディックス被害者の会」による集団訴訟がおこなわれている。

まずウィンメディックス社の実態を簡単に解説します。

同社はがん治療薬開発などを謳い、革新的なサービスであることを大々的に宣伝しながら「株主説明会」などのセミナーに人を呼び込み、水や塩などの製品のネットワークビジネスにはめ込んでいます。同社株の購入は紹介制のようになっていて、被害者が加害者になるスパイラルが続いています。

最近では、相性がいいのでしょうが、ここに反ワクチン、陰謀論なども絡んできているようです。

同社によるセミナーを観察したところでは、代表らが逮捕されたことまでも「妨害を受けている」とネタのようにして笑いながら、参加者に「標準医療を受けてはいけない」という偏ったメッセージなどを発し続けています。

セミナーのスクリーンでは支持者を焚き付けるように海外機関との提携なども宣伝されていましたが、調べてもそれらの研究成果が事実かどうかは全く見えてきませんでした。

あくまでも私見ですが、現在の同社の所在地は賃貸マンションの一室になっていて、とても海外の研究機関を巻き込みながら画期的な薬を開発する企業には思えません。

大きな問題は、現状では「がんが治る」との新薬開発を謳っていること自体が、たとえば薬機法違反などの罪に問われているわけではないことです。

悲惨なことに同社による反医療的な指示を守り続けたまま亡くなった方も出てしまい、それらが新聞などでも報じられていますが、前述の通り反省の色は見られません。

経済犯罪に発展して幹部らが起訴されている今もなお、金銭的な被害を自覚している人が少なく、家族が同社のセミナーなどにハマっていることを心配している方々が多数います。

毎日新聞の報道によると、同社は2017年以降で全国の約1万5000人から計約80億円を集めたとみられています。

声を上げ続けている被害者らが懸念していることは、同社が今も荒稼ぎを続けていて、幹部が何度も罪に問われても、そして返金を求められたとしても、痛くも痒くもないだろうということです。同社を信奉する固定客がついてしまっているのです。

それは社名や代表者を変えながら今も全国でセミナーなどを繰り返していることからも明らかです。

集団訴訟

ウィン社に対しての集団民事訴訟は、50年以上も消費者問題に向き合い、多数の詐欺被害者や霊感商法の被害者を救ってきた藤森克美弁護士(静岡県弁護士会所属)が担当しています。

ウィン社をめぐる刑事裁判など詳細に関しても、随時発信してくださっています。

最初に藤森弁護士に依頼し、この民事訴訟への動きを作ったのは、ウィンメディックス社におよそ1500万円を吸われてしまった母親を心配した家族らでした。

一昨年に同社関係者6名を相手取り、静岡地裁に提訴して和解が成立。ほぼ全額が戻ることになっています。(支払い継続中)

その後、昨年から今年にかけて計15人の原告が、同社に総額およそ5000万円を求めて東京地裁に1~3次訴訟までを起こしています。

ウィン社の未公開株を紹介されて数百万円を支払った男性は、「自分が投資したお金が薬の開発など良いことに使われると信じていた」と言います。

事前に白木代表の著書を読むなどして信じてしまったそうで、昨春に白木代表が逮捕された新聞記事で同社の実態を知り、藤森弁護士に相談して被害者の会に加わりました。

なお、ウィン社をめぐっては、金融商品取引法違反組織犯罪処罰等違反のほか、この3月初旬の刑事裁判で所得税法違反も加わったことが明らかになりました。株式売却などによる収入をスイスに作った法人や妻名義の口座に分散させていました。元代表の白木茂被告は起訴内容を認めています。

ウィンメディックス被害者の会としてTwitter(現X)アカウントを作って発信を続ける永山さん(仮名)は、「今も被害者が自分は被害者と思っておらず、すっかりウィン社のことを信じてしまっている状況が続いている。個人情報を握られていたり、報復が怖かったり、人を紹介してしまって自分も加担したのではないかと思ったりで、なかなか声を上げてもらえていない」と話しています。

およそ1万5000人の株購入者がいるとされているのに、現在の集団訴訟の原告は十数人程度にとどまっています。

同社が返金を願う顧客に応じたのは当初だけであり、国が被害者を救済することはありません。被害を自覚した人が行動して訴えるしかないのです。

藤森弁護士と永山さんが口を揃えるのは、「お金は戻って来る。被害者は怖がらず、もっと声を上げてほしい。たくさんの方に集団訴訟に加わってもらいたい」ということでした。

今回は被害者の方々と担当弁護士に見解を聞いたうえでお伝えしました。引き続き、この事件を追って発信していきます。

声を上げる被害者が一人ずつでも増えていくことを願っています。

(黒猫ドラネコ)

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