参政党、炎天下の決起集会。そして裁判の行方は

参政党ウォッチ2Daysの2日目です。
黒猫ドラネコ 2023.07.23
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 遠くの景色が揺らぐほどの暑さ、夏本番の快晴になった。

 久々に新橋へと向かった。初めて演説をしたことから参政党が勝手に「聖地」と呼んでいるSL広場だ。ここでの集会を繰り返し、何の間違いか、オレンジ色の変な集団がついに国政政党になってしまってからちょうど1年が経った。

 設置されている温度計には昼過ぎに39度が表示されていた。

(12日の新橋の気温)

(12日の新橋の気温)

 その熱さに負けず…と書きたいところだったが、やはりこんな炎天下に集合させられた党員の皆様はややぐったりした様子。ただでさえ年齢層の高い方々なので心配になる。

 さすがに集まりはいつもより鈍いが、ざっと数えて最終的にはスタッフを含め最大でおよそ250名ほど来ていた。

 気になったのは、祝日でもないのにやけに日本国旗を持った人が多かったこと。皇族の方々でもお出ましになるのか。大きなものも4、5本はあった。演説者に向かって旗を掲げて振ったかと思えば、ずいぶん便利な使い方をしていた。

(日本国旗の使い方)

(日本国旗の使い方)

 オレンジの旗かタオルを使えよ…。というか、そもそもこんな真夏日の屋外での変な政党の長時間の演説に赤ちゃんを連れてくるんじゃねえよ…。

トップスリーの演説

 熱波を切り裂くように颯爽と登壇したのは神谷宗幣議員、吉野敏明氏、松田学代表の3人。参政党のトップスリーである。

 まずは吉野氏から。「暑いので無理をしないで水分補給して日陰に行って」とアナウンスして「倒れそうになったら僕に言ってください」で、ひと笑い起こした。この人は歯科医だが、そんな細けえこたあ党員には関係ない。「多くの人を救ってきた名医・吉野先生」のスピーチをみんなありがたく聞いている。

 吉野氏は昨年あった自身のクリニックの乗っ取り被害などを面白おかしく話しながら、次の事業拡大やリニューアルについて述べ、「神谷さんをはじめ、参政党の方々いろんな人達にご支援いただき、お金もずいぶん貸していただきました」などと語った。

 「参政党も規模が大きくなったので、みんなの意識が大事」「徳を積まないといけない」みたいな感じの精神論や、「僕の仕事は緊急度が高いけど重要度が低い電話に出るという行為は絶対にしません。どうするかというと(スタッフに)電話の仕方を教育しないといけない。そういう教育するビデオもある」「店員さんを怒ったり怒鳴ったりする店長はダメ」みたいな、マジでなんの集会なのか心の底の底から分からないと思えてくることをつらつらと並べた。

 本当になんなんだこの話は。雑談ならわざわざここで集会すんなよ。Zoomとかでやれ。

 およそ20分間、熱中症で倒れる直前の幻聴みたいな話をわざわざ聞かされる党員さんを気の毒に思う。私は党員でもないので面白くもなんともなく、慈善事業でもないのでこのへんで割愛する。

 ちょうどサラリーマンらしき男性3人組が「あのヤバい連中、ツイッターで見たことあるよ」と笑い合って通り過ぎて行った。そこに私のツイートがあればいいなと思った。

(マイクを握る吉野敏明氏)

(マイクを握る吉野敏明氏)

 次いで松田代表の演説だ。

 付近の大型ビジョンから「キュインキュイン」とパチンコの大当たりの音が響いてきて、アレな主張にマッチするようだと思って一人で吹き出してしまう。

 松田氏は相変わらずの反ワクチン論からスタートした。「コロナとお注射の話、これだけ国民の間で『お注射はおかしいな』と常識になっていますよね。でも政府はまだ因果関係を1件しか認めていない。これ、なーんかおかしいんですよね。どうも背後にいるのは海外の製薬会社ではないかと。国民を怖がらせてみんなにお注射を打たせたのではないかと」

 YouTubeの動画配信用に、BANを避けるためワクチンを「お注射」と表現するのはこの人のお決まりのパターンだ。もうどうしようもないが、一応これが国政政党の代表なのである。

 松田氏は続いてウクライナ情勢について、「日本は国益のために有無を言わさず停戦させる立場のはず」と話した。これもいつものことだが、ウクライナの立場は完全に無視した論理。そして戦争には米国などの利権があるという話から、日本はそんな米国のバイデン政権のいいなりで、LGBT法案もそうして進められたと持っていく。

 「岸田個人には自分の政権戦略よりも優先すべきことがあった。アメリカから言われたんですね。バイデン政権からLGBT法をなんとしても成立させて欲しいと」「なんでやったかというとバイデンさんが次の大統領選に向けてたいへん苦しいから、『岸田くん応援してよ』と。日本でも差別禁止の法律(?)ができたらアメリカでもできるかも、と。使われたんですよ日本の国が。われわれ舐められてますよ。軽んじられてますよね」

 松田代表は「なんでお前が知ってんねん」とツッコまれないのをいいことに、一貫して「これ私聞いたんですけどね」と説得力を持たせるよう低い声で語っていた。

 あの…議員ですらない人がなんでそんな裏事情に詳しいんですかねぇ…。もしも政権に近い人から参政党ごときにいろいろ漏れているということなら大変なことでは。そう思って首を捻ったのがこの場で私だけなのが怖い。

 LGBT理解増進法に断固反対しているというのが参政党の売りだ。

 松田代表は「魂が入っていないから、あんな国柄を壊してしまうようなLGBT法を通してしまうんですよ。そこに現れているんです。大和魂を取り戻すために参政党が国民運動を起こさないといけない。これからなんです」と声のトーンを上げていた。

 後はまあ、いつもの”松田プラン”とかいう「僕が考えた最強の経済政策」みたいな感じの空想のお話だったので割愛する。

(マイクを持つ松田学代表)

(マイクを持つ松田学代表)

 

 さあ、前夜に産経新聞後援イベントで酷い講演をした神谷議員の出番だ。

 政策のことや、世相の話は少なめだった。ただ、前夜と同じようにLGBTについてだけはヒートアップし、「LGBT法はおかしいですよ。松田代表が言っていただいたことに一つ付け加えるなら、アメリカの運輸長官にゲイの方がいます。どうもその方が民主党で人気があるようで、その方を担ぐにはLGBTのムードを高めておくといい候補になるんじゃないか、大統領選とか。今の大統領が失脚した時の代わりに持っていく時の風土を作っているという声も聴いていますので。ちゃんと見ておいてください」と言った。

 俺達は知ってるんだぞ、みたいな感じの半笑いがとても不快だった。

 米民主党で評価高いピート・ブティジェッジ氏のことである。ハーバード大卒後にオックスフォード大に留学した切れ者で、38歳の若さで運輸長官に起用された人物だ。

 別に批判するような部分が見当たらないし、たとえ何かあっても日本の泡沫政党なんかにごちゃごちゃ言われる筋合いもなく、性的少数者ということが分かっただけで陰謀論の餌食にされなければいけない謂れも全くない。参政党などを見ていると毎度おなじみのことではあるのだが。

 

 神谷議員は党の事務局長として、全国支部で内輪の揉め事があったり、他党とぶつかったりすることを懸念しているようだった。

 「全国各地の方々が活躍してこそ自分達で作る政党。その構築が不十分ではなかったかと考えて、組織の在り方を見直したい。47都道府県を回って話して、立ち上げから3年間のことを振り返って、何をしたいか何が問題だったかをヒアリングする」「組織化を急いでしまった。声の吸い上げ方を見直します」と反省の言葉があった。

 また、「アンチの声や批判も参考になるからよく見ている」(いえーい、神谷さん見てるぅ?)とか、「参政党を一つのメディアと思ってもらいたいが妄信はしないで。間違えることもある」のような言葉もあった。

 

(熱弁する神谷宗幣議員)

(熱弁する神谷宗幣議員)

元党員らによる裁判へ

 今回の3人のスピーチは、国政政党になってから1年の節目での身内の決起集会の様相だった。

 ともあれ、最後は(内向けに演説をする時の)神谷議員にしてはずいぶんと弱気に感じられ、予防線を張りまくったような印象だ。特に組織作りについては時間を割いていた。その理由として、この後の「裁判」の件も多少なりとも頭にあったのではないだろうか。

 この日は元党員ら18名が参政党を訴えた裁判の第三回期日だった。

 新橋で参政党トップスリーの演説を見届けた私は、予定より少しだけ遅れて東京地裁へと向かった。

 この裁判の経緯などはこちらを。

 以前もレターで取り上げた。

 新橋からすぐの場所なのに、傍聴席にはトップスリーはおろか参政党員が押し寄せるようなことはなかった。

 不思議なことに、今まで一度も参政党関係者らしき人が傍聴席にいたことはない。毎回熱心なNHK党の数人と、いつもの裁判ウォッチャーが何人かいるだけである。

 

 この裁判は簡単に言えば、「政治に参加できると思って参政党員になったのに、実態は全く違ったから金返せ」だ。原告側は参政党に入って自分達が色々なことに参加できると信じていたのに、党大会での発言ができなかったり、政策や公認候補者の決定権がなかったりしたことを「詐欺」だとしている。

 前回6月におこなわれた第2回は質問の調整で終わった。そして今回も、双方の出した書面について裁判長が詳しく聞くような形で進み、次回をリモートにするかどうかなどを決め、平穏に終わろうとしていた。

 その時である。被告側弁護士の一人が「裁判長。こちらの方から1点」と、手を上げた。ちなみにこの弁護士は、次期衆院選で参政党から出馬することが決まっている京都の安達悠司氏だ。

 これにより一気に空気が張り詰めた。

 私の斜め前にいた山口三尊氏(裁判ウォッチャー、さんそんチャンネル)も、大きな目を「ムッ」と見開いたように見えた。

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