【ダメだこりゃ】有罪判決でも懲りない面々。神真都Q元メンバー「ワクチンは危険」「バイデンはゴム人間」
どうも、黒猫ドラネコです。
サンタさんの存在は小2まで信じていました。
今回は陰謀論集団・神真都Q(やまときゅー)メンバーの裁判の詳報をお送りします。
都内のワクチン接種会場を次々に「襲撃」し建造物侵入の罪に問われた元リーダーの岡本一兵衛(本名倉岡宏行)らの裁判は22日、東京地裁で判決が言い渡されました。
当日の様子、その後の言動も含めてお伝えします。
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どれではどうぞー
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判決の時の様子
いよいよ審判の時である。
神真都Qメンバーの判決が出る。東京地裁には傍聴抽選締め切りの9時30分の時点でおよそ70名が列を作っていた。
この裁判はウォッチャー以外にも人気が高かったはずだが、深夜から雨が降りしきっていることもあってか、これまでで最も少ない並び。
いつもいた現役メンバーも、今回は見たところ2人だけだった。前々回は少なくとも途中で帰った者も含め20人以上、前回でも10人はいたのに。

この倍率なら…との期待通りに当選。およそ20人の枠に滑り込むことができた。
他の反ワクチン系の裁判も含めると5度目の抽選でようやく当たりだ。仕事の時間を動かしてまで並んだかいがあった。
私の他にも、先月にウォッチャー座談会をお願いした雨宮純さんとジャポニスタンさんらも当選。気持ちが楽になった。
429号法廷前は厳重な警備があって物々しい雰囲気。
筆記用具以外の荷物はスマホなども含めて全て預ける必要があり、裁判所入り口でもおこなわれたはずの金属探知の検査を再度受ける。
最近の反ワクチンの裁判はいつもこうらしい。オウム関連の裁判でもこんなふうではなかったと言っていた人がいた。
並んで入廷し、やや左寄りに座る。
ここから被告人の顔がよく見えることは予習済み。心の準備もそこそこに、すぐ神真都Qの元メンバー5人が入ってきた。
私が肉眼で岡本一兵衛を見るのは3度目。いつも思うが、二世俳優だけあってスラっとしていて姿勢がとてもいい。
紺色のスーツに紫のネクタイ。腕に黒いコートと灰色のマフラーを持っていた。
よく見ると銀色の腕時計をしていて、両手に大きな指輪がゴテゴテ。既に保釈されているし服装は自由だろうが、やはりどこか浮世離れした感がある。
その隣で、一兵衛よりも細身に見える男性が元幹部の平野氏。デモなどで数度見たことがあって顔と名前が一致する。真面目で気弱そうな人なのに、との印象でよく覚えている。
デモの集合場所などでベンチコートを着てスタッフとして仕切っていたイメージがあったが、今は紺色のスーツにエンジのネクタイが似合っている。そこらの中堅サラリーマンにしか見えない。
あとの3人は報道で見て名前だけしか知らなかった。中年女性の2人は白と黒の普段着。残る一人、スーツ姿の背の低いおじ様は最も年齢が高いようだ。後になって、この人は積極的に犯行に及んだのではなかったと知った。接種会場の襲撃はノルマだと思わされていたそうだ。
平出喜一裁判長から判決が言い渡される。
一兵衛は懲役1年6カ月。平野氏は懲役1年。他のメンバーも懲役1年、もしくは10カ月とされた。
そして予想通りではあったが、それぞれに執行猶予が3年ついた。
判決を聞くと記者席に座っていた人達が一斉に外に出た。これはすぐに自社に電話で伝え、準備している原稿(予定稿)の判決の部分だけを穴埋めしてもらい、いち早くニュースとして配信するためである。
メンバーに向けて、裁判長から「各会場が恐怖感や不安感に襲われ、平穏は害された。デモではワクチン接種を中止させる目的が達成できないと考え、意見を押し通すため犯行に及んだ」との言葉があった。
それぞれの刑の重さの違いは、接種会場に入った回数も関係しているそうだ。
服役期間は「これまでの勾留期間を減算」との解説などがあり、執行猶予がついたことについては、反省の度合いやそれぞれの家族の証言などに基づいているとのこと。
侵入した施設に謝罪の手紙を送っていることや、一兵衛を例に挙げると、親と妻から、同居して監督する意向が示されていることが明かされた。
一兵衛は私の席からちょうど右斜めに着席。狙い通り顔がよく見えたが、ほとんど表情を変えずにまっすぐに正面を見据えていた。
その隣に座る平野氏は時折頷いたり、目を閉じ口を堅く結んでうつむいたりがあった。
通常は判決後、反省を促したりする「説諭」が裁判長からあると聞いていた。
だが、今回はその内容のほとんどが執行猶予中の過ごし方についての注意だった。同じような犯罪行為はもちろんのこと、例えば交通違反をしてもダメだということが淡々と説明された。
ドラマで見るような熱い言葉はない。
「現実を見ろ」や「もうネットはほどほどに」とか、この場でそんな戒めがあったら果たしてどうなっただろう…。
この後のメンバーの言動を見ると、そう思わずにはいられない。
ライブ配信の「お気持ち表明」
裁判を終えた一兵衛らや弁護士を追って話を聞くことは叶わなかった。これは他の新聞記者さんも同様だったようだ。
私はウォッチャー仲間との情報交換などを終えて仕事場へと戻った。
裁判所の裏口を通り過ぎるとき、冷たい雨の中、現役メンバーらしき二人の女性が一兵衛らの出待ちをしていたのが分かった。
この日は午後から東京五輪汚職事件の初公判。その関係で報道陣がたくさん集まっていたのだが、彼女らはどうやらそれを一兵衛らへの取材の待機だと勘違いしたようで、ずっと心配そうに様子をうかがっていた。

当日のうちに、一兵衛から何らかの発表があるとのこと。
その通り、夜までには最年長のおじ様を除き、今回裁かれたメンバー4人による1時間弱のライブ配信がおこなわれた。
私はリアルタイムで見ることはできなかったものの、後から一部始終を視聴。そこでの内容は、おそらく裁判後の記者発表なんかでは、きっと言えないことだった。
どこで配信が行われたのかは分からない。
仲間の家かどこかの部屋。飼い猫ちゃんがカメラ前に乱入するなど、終始なごやかな雰囲気の「座談会」という放送だ。
それぞれが裁判の感想などを好き勝手に述べていた。

特に一兵衛と平野氏がハキハキと多めに話していた。
それを簡潔にまとめると、「恐怖感を与えて犯罪行為になってしまったこと自体は反省している」「子ども達を守るために活動をしていた」「接種も非接種もそれぞれの考え方を尊重すべきだと思う」「当初のデモには宗教団体なども入っていた」「デモは正当な行為だが、接種会場襲撃では歯止めがきかなくなっていた」「村井(神真都Q代表、別件で逮捕)の言い分に騙されていたが、まるで監視されているように巧妙だったので誰でも騙されたと思う(?)」「村井は教祖化していた。集団になることの怖さがよく分かった」「中で村井がどんなことをしていたかは一兵衛がこれから証言して明らかにしていく」「神真都Qには解散を求めるが、自分達はこれからも新たな活動をしていきたい」
概ねこのようなことだった。
罪を認めての反省も一応は出ていたが、しかし、この人らは根本が何も変わっていなかったことが改めて分かった。
かなり早い段階で「ワクチンが危険だとの考えは変わらない」のような言葉が出た。
それに加え、「普通に考えてバイデンはどう見てもゴム人間」「いろいろとおかしいことがネットで出ている」「世の中がひっくり返って真実が明らかになる」などの主張もあり、陰謀論めいたものへの傾倒は逮捕前とほとんど同じだと分かった。
うーむ…。
こんなに「ダメだこりゃ」と白目になる配信もなかなかない。

神真都Qは、最も熱狂的なメンバーが多かった静岡県焼津市でも先週までに男女合わせて8人もの逮捕者を出した。彼らには罰金10万円の略式命令が出されている。
これにより、全く無関係な罪で逮捕された代表の村井大介を合わせ、少なくともメンバー15人が訴追を受けたことになる。
活動規模はかなり縮小したが、デモや集会はいまだに全国各地でおこなわれているようで、公式サイトでもまた新たな方針なども発表されていた。
リーダーだった一兵衛と、それに近い元メンバーらの今後の動きに注目したい。
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神真都Qと「新地球?」の今後
さて配信の終盤、一兵衛は「来る来るとばかり言っていると詐欺になっちゃうから、来るでしょう」。そして「新地球でお会いしましょう!」とにこやかに締めた。
何が来るのか?「新地球」とは?
ざっくりと説明すると、それらは陰謀論者さん特有の思考である。