財務省解体デモで壮絶バトル…?「DS陰謀論やめろ」
本日のテーマはこちら。

そこに、この界隈で独自路線を貫く塚口氏が現れ「日本解体を企むDS陰謀論集団」と参加者を挑発。
ブチギレおば様が警察の静止に自ら土下座して塚口陣営との決闘を懇願し…
春ですねえ。
4月25日(金)夕方。いつもの集団の叫び声が、霞が関に響いていた。
すっかりおなじみ「財務省解体デモ」だ。
いつもの面々が「解体!解体!」と叫んでいたが、ちょっぴり違ったのは「異物」がまぎれていたこと。参加者に向け「ディープステート(DS)陰謀論集団」「カルト宗教信者」などと厳しく指摘する声が同時に上がっていた。
その声の主は塚口洋佑氏(以下敬称略)
簡単に説明すると、他の反ワクチン・デモなどに迎合しない独自路線の活動を続けている御仁である。以前までの反マスク・反ワクチン運動からこのポジションに流れ着いた孤独な陰謀論j いや失敬、孤高の人。
元野球指導者で、当時すでにメジャーリーガーのダルビッシュ投手にSNS上で独自レクチャーをしたことでも、おおっと、いいか君たち「塚口 ダルビッシュ」とかで検索はするなよ。約束だぞ。
現在は何やら政治団体を立ち上げている塚口は、財務省前でやっているデモ主催者の一人としてABEMAや週刊誌に取り上げられ、すっかりこの運動に味を占めt いや失敬、この運動の行く末を憂いて正しい方向へ導こうとしているようだ。

(財務省前で演説する塚口氏)
なにはともあれ、すっかり「濃く」なった財務省解体デモの現場で、このたび熱いバトルが勃発することと相成った。
皆々様におかれましては、振り落とされないよう態勢を整えた上で読み進めていただきたい。
決して交わることのない、それでいて離れられない二大勢力の激突は、この複雑な現代社会に戸惑う僕たちを一体どこに導いてくれるのだろう。(いいから早く書けよ)
▽財務省解体デモを考察した前回のレター記事はこちら
財務省解体ソングを食らえ
正門に向かって左側ゾーンにはピーク時で約20人が集まった。「財務省解体!」「消費税廃止!中抜きさせるな!」などのコールが続く。
それらと反対の右側ゾーンに立ち、17時半からの独自デモを予告していた塚口は、予定時間より少し早めに拡声器を握った。

(解体デモの参加者と塚口氏の位置関係)
「財務省批判が陰謀論扱いされています。子どもだましのDS陰謀論を吹聴するのが29日にデモをやる原口一博、林千勝たちです」
大規模デモを企画している反ワクチン・グループの主軸を何人も名指して批判的に語り、この解体デモが「外国の影響工作に加担してしまっている。反日勢力に乗っ取られて終わる」などと主張した。
動画配信者が数人いて撮影していたので、全く孤立というわけでもない。どちらかといえば塚口は、配信者を通じて視聴者に語り掛けていた。
それにかまわず「天下りがー!特別会計がー!」などと財務省を糾弾するグループと、なおも「トランプとプーチンが光の戦士とか言ってるけど陰謀論は迷惑」などと財務省を糾弾するグループを糾弾する塚口。
お互いの大音量が響き合い、何を言っているのか断片的にしか分からない。
そんなリセマラ不可のドッカンバトルが織りなす思想強めの不協和音に、耳を押さえて早足になる歩行者も少なくなかった。

(参加者に向けても語る塚口)
しかし距離にもよるが、スピーカー機材の差なのか、塚口の声の方が通りが良いと感じる。
デモ自体は否定しないそうだが「これは愛のムチです」とも言いながら、財務省解体デモのメンツをぶっ潰していくあたり、さすがは数多くのカウンター・デモを成功させて(?)きた俺たちの塚口パイセン。そこに痺れない憧れない。
パイセンは「このデモにはカルト宗教が入り込んでいて、幸福の科学とかサンクチュアリとか…」と投げかけた。
が、こうなるとさすがのデモ参加者側も黙っちゃいない。
「宗教を否定するのか!立正佼成会にも創価学会にも言えよ!キリスト教はどうなんだ!」
応戦したのは、神真都Qなどから反体制的なデモで必ず姿を見かけるおじ様だ。

(塚口氏に応戦するデモ参加者の男性)
「お前はいつも足を引っ張ってるだけなんだよ!」
どストレートな批評にやや黙ってしまう塚口。調子づいた参加者からは「塚口く~ん、帰れコールしようか~?」など挑発が起こり始める。
ああ、負けるな塚口…いや、負けるなは違うか。両方とも勝つな。
解体デモ陣営は畳みかけるように攻めの一手だ。塚口の声を打ち消したいのか、わざわざスピーカー機材を右側に向けて高めに設置しなおした。
うおお!そこまでやるか!熱い!熱いぞこの対決は!(ん?興奮してるの私だけか…?)

(塚口対策かスピーカーを設置しなおすデモ参加者)
さらに、そのスピーカーからは、AIで作ったらしいガールズ・メタルバンド調の「財務省解体デモのテーマ」みたいな謎ソングが大音量で流れはじめた。
なんでそんな曲があるのかって?
そんなこと私に聞かれても。ずっとトンデモ・デモを観察している私だって、分からないことだらけなんだよ……。
いや、もうなんでもいいや。さあ食らえ塚口! 財務省前に響け正義の歌!
これが私たちの絶唱だあああぁッ!!!
…し、しかし!
曲の音量がやたらデカすぎたために、これ以降のデモ参加者の演説もほぼ聴こえなくなってしまった。自分達の領土にスピーカーを設置しているので当然といえば当然だ。控えめに言えばただの自爆である。
しかもYouTube動画をつないで再生していただけらしく、最後の方は「Excelで業務効率化なら私たちにお任せ!」みたいな広告までスピーカーから大音量で響いていた。
最高だ…。あまりの面白さに奥歯を噛み締めすぎて昇天しそうになる。これぞトンデモ観察の醍醐味。ウォッチャーをやっていてよかった。(たぶんこういう病気なのよ私も)
「水ぶっかけていいですよ」
謎の財務省解体ソングに呼応するように、道を挟んで向かいの経産省前から脱原発勢力(毎日いる)の「海を汚すなよぉ」の歌とフォークギターが切なく響いている。
その後、ネット上で「思想が強い」と(ある意味)人気のおかき屋トレーラーも停車。カオスがカオスを呼びながら、週末の官公庁街の日は落ちた。

「情報工作が…ソ連の時代から…」などと塚口が言えば、「今はロシアって言うんだぞ!知らないのか!」みたいな揚げ足とりが飛ぶ。幼稚な罵り合いに発展している。
塚口が「自分でデモやっといて身も蓋もないけど、外国勢力の工作が入り込むことも考えないといけない」みたいに言ったことが演説のハイライトか。
そんな「DSがどうとか言う奴らは…」の批判に被せるようにして、偶然かわざとか、参加者側から「国民はDSに気付いてるぞお!」と勝ちどきみたいなのが上がり「うおおおお!」となったところで、「ダメだこりゃ」の表情を見せる塚口。
いや、まあ、ずっとダメなんだけどね。
ついに塚口も「財務省職員の皆さん、あんまり変なこと言ってたら水ぶっかけちゃっていいですよ」みたいなことを口走っていた。
自分には水がかからないと思っているのがちょっと面白い。たぶん財務省から見たら区別つかないと思うぞ。
(以下の限定部分では、警察が活躍した終盤の小競り合いや「反ワクチン・フィーバータイム」などを写真とともにお届けします。この機会にぜひメール購読を。サポートメンバー登録をすれば、以後は最新記事がいち早く届き、過去記事も全て読めるようになります)