「100万円のVIPコースへ」スピセミナー、潜入したらヤバかった(後編)
どうも、黒猫ドラネコです。
菓子パンを我慢すれば痩せると思って頑張っています。
スピリチュアルセミナー潜入記の後編です。タイトル通り、なんとVIPコースへと誘導されてしまうのです。黒猫ちゃん危うし。一体どうなってしまうのか…。
(全文はサポートメンバーのみ読むことができます)
前編はこちらから
************
自作スピリチュアルポエムを…
おさらいとして、このセミナーは「特別な能力を持つ人がサポートして一緒に作ってくれている」。会場にも浄化の力が働いているそうだ。
講師のY氏によると、
「先ほどもラインで(先生から)会場を愛と光のエネルギーで満たしているので楽しんでくださいね、といただきました」
そのエネルギーを無効化できる邪悪な黒猫が潜入することまでは見抜けなかったようだな。ククク…(嘘です。何もできません)
この先生は、Y氏が180人以上の不思議な方々とお会いしてきた中で最も信用できるそうだ。で、上(神様?)から「教祖化して闇に引き摺られてはいけないから」と人前に出て行くのを避けるよう指示されており、また神様からの指令でY氏に説明を託すという分業制をとっているとのこと。そうだったのか、神様が指示したのなら仕方ないよな(純粋)
数年前から自分にも様々なメッセージが降りて来ると話すY氏だが、当初は「頭がおかしくなったのかな」と思ったという。しかしそうではないと気付いた理由は、スピリチュアルに興味を持って本や動画などで学んだことに対して「それは違うよ」と、その降りてきたメッセージで修正が入ったから、らしい。それを「先生」に尋ねると「Yさんは語彙力を持っているからだよ」と
…あの、もうこのへんで読むの止めようかなとか思ってるんじゃないの読者さん。もう少し辛抱してね。セミナー全体はこんな感じで、謎のスピ能力の自慢と自己都合満載の講釈ばかりですごく面白くなかったんだけどさ。
(セミナー会場入り口、普通の会議室だった)
それで、Y氏は現実に起きている災害や食糧危機の話と、「上の世界では~」とかのアチラ側の話を混在させながらお話を進めていく。
「日本人はこの試練を乗り越えた後に新しい文明を創造する」とした。へえー、そうなんだすごいね(棒読み)
そのまま「昨年5月頃に、神様からの自動書記という形で降りてきた内容です」として、「世の洗濯の時だ。みんなぐにゃぐにゃ動いておる。動かねば大洗濯になるぞ。踏ん張って立っておれ」みたいな感じの200字ぐらいの自作の…失礼、まあその「神様から降りてきた言葉」をスクリーンに大きく映したのだ。かなりキツい…どうすんだこれ…。
そしてなんと「この部分では、弱気にならずに日本人は自信を持って立ち向かえと言っているわけなんですね。それとここの〇〇という言葉は~」などと、この謎のポエムを自ら解説するというとんでもない暴挙に出る。
普通こういうのは中学ぐらい卒業して後になって誰かから言われて顔を真っ赤にするところだろうが、Y氏は50代のおじ様だ。衆人環視でこんなことができるなんてハンパなくメンタルが強い。私には刺激が強すぎる。「やめろ…もうやめるんだ…」と呟きながら顔を下に向けて小刻みに震えてしまった。
省略するが、後半付近でポエムは二作目があった。「神じゃ、民じゃ、弥栄(いやさか)弥栄(いやさか)」みたいなやつだった。死ぬかと思った。
「出せば入る」理論
スピリチュアル的な人生アドバイスのフェーズに入った。
聞いたことのある、スピビジネス界隈的にはオーソドックスな言葉がこれでもかと繰り広げられる。「本当の自分を生きなさい」「先祖の霊の浄化を行うこと」「過去生」「インナーチャイルドを癒す」「ハイヤーセルフ」などなど。
そんな中でオリジナルと思しき言葉もあった。「真中神(まなかみ)」だ。自分の中に神様を置けみたいな話だったと思う。色々キリがないんで全部きちんとは聞いていない。
しかし、村神様なら分かるけど真中が神ってのは違うんじゃないのか。確かに「代打の神様」の時期もあったけど。(分からない人すみません。こういうのも挟みたいんです)
さて、ここで個人的に気になる言葉が出てきた。
「循環の法則では、出すことが先なんです。まず与える。与えると入って来る」
これもスピビジネスで使われがちな表現だ。
この「出せば入る」は、悪名高い子宮系女子や、スピ系自己啓発のセミナーでも必ずと言っていいほど使われている。よく「お金のブロックを外す」などにも付随して使われる。気前よくいれば運が舞い込んできてお金が増えていくという謎の理論だ。
一種のマインドコントロールのようなもので、「無くなることを恐れずにお金を出せばいいんだ」と思わされた時に、目の前に何があるかを考えてもらいたい。そう、そのセミナーのグッズや次の講演の販売などである。カモになってしまった人は、そこにお金を出すだけで終わり。ただ、そうして稀に、偶然の臨時収入があったりすると「やっぱり!」と大々的にネット上で公表される。
そのため、多くのスピ好きさんが私も私もと「出せば入る」を狙って闇雲に金を気前よく出してしまうようになる。私が見てきたスピ系自己啓発の一つでは、借金をしても「ほら出したから口座にお金が入ってきたじゃないか」みたいに言われていた。借り入れただけなのだが…これがスピビジネスの地獄のスパイラルである。
Y氏は、この「出せば入る」について、こじつけにしか思えないような理屈を繰り出していた。
「日本語はうまくできていて『出入口』『出来る』『出来事』『出現する』…『出る』が必ず先に来るんですよね。出したものに対して何かが起こる。お金の流れも、ため込んだままで流れを生まないと、病気になったりケガをしたりトラブルが起きてしまうという…」
ようし、じゃあまずはお金を出すぞ。…って、なるかよ。この手のセミナーの誘導は慣れていないと回避できない
こうした「病気になったり~」の言葉のように、後半にいくにつれて悪質と思える言い方が多くなっていたのも印象深かった。
今後のプログラムの紹介に先駆け、例のY氏の「先生」による電話での「遠隔セッション」の概要が説明されたのだが、「病気そのものからのメッセージを受けられる。がんからのメッセージを受けた人はその場でボロボロ泣いた」のだとか。この他にも、芸能人が訴えられそうになっていたのを救われたり、経営や人生の相談もあったりするそうだ。
色んな悩みがある人ほど、嘘か本当か分からないような宣伝になびいてしまう。藁をもつかむのだ。ただ、やはり病気の治療についてや、それでなくても「癒し」的な解決に向かうように匂わせてるなら悪質と言わざるを得ない。
いよいよ高額プログラムへ誘導
セミナーも終盤だ。ここからは司会者の女性が入り、Y氏と掛け合いがあってテレフォンショッピング的な雰囲気になる。
有り難い「遠隔セッション」も含まれるという新プログラムの紹介がついに始まるらしい。よーし、みんな準備はいいか?
その新プログラムは5月から開始だそうだ。期間や回数、前述の「ハイヤーセルフ」がどうとか「真中神」がどうとか「宇宙の法則」を学ぶのだとかの内容がかなり長々と説明された。動画を視聴できたり、講座やツアーに参加できたりするらしい。
そして最後に「さて、気になるお値段ですが…」の流れである。おお…本当にこんな感じなんだ。あまりのライブ感にちょっと感動してしまう。
スクリーンの中央にプログラムの料金がバーンと映し出された。
3カ月プログラム 14万8000円(税込)
遠隔セッション付き 34万8000円(税込)
本気のあなたにVIPコース 100万円(審査あり)
会場で「おお…」と息をのんだのは私だけではない。しゅごい。あ、守護い。(いま思い付いただけ)
Y氏はなぜその値段に設定したのかの説明に入る。その言い分は、衝撃的だった。