【潜入ルポ】神谷議員登場、叫ぶ六千人!目覚めのノーマスク大合唱は公式ソング「おはよう」
 参政党の政治資金パーティー⑤・完

あの国政政党の政治資金パーティー潜入ルポのラストです。
黒猫ドラネコ 2022.09.20
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どうも、黒猫ドラネコです。

ようやく秋という感じですね。

ついに今回でこの潜入ルポも最後を迎えました。これまでの記事はこちらを

名残惜しいですね。でも、これからもしっかり参政党の動向は追っていくし、どんどん取材して各メディアからの取材にもいつでも応じていきます。

党員さんたちにとっても、外からどう見られているかは大切にした方がいいし、それで何かに気が付いておかしなことはおかしいって言った方が健全な政党になるんじゃないんですかね?

たまに良いことも言ってるとは思いましたよ。

あ、ノーマスクとか反ワクチンとかは普通にすごいバカだと思われるだけだから止めた方がいいと思いますけどね。

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これまで過去4回のルポだけでなく、過去の有料記事も全て読むことができ、今後も最新記事がいち早く届きます。どんどん購読者を増やして、ご支援ただいて色んなところに潜入したいと思っていますので、ぜひご検討よろしくお願いします。

さて、恒例の宣伝です。

この潜入ルポで書けなかった話や、他のトンデモ案件が目白押しのトークイベントがあります。お時間のある方、こちらもぜひご来場、オンライン視聴を宜しくお願いします。

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9月23日(金・祝)の昼、横浜で「スピ陰謀論文化祭2022」開催!

あなたを陰謀論者にする言葉」著者の雨宮純さんと黒猫ドラネコによるトークショー。

怪事調査ライターの進境著しい雨宮と、原作漫画の連載が始まる黒猫の名コンビが、いま注目のトンデモ案件にぼやきまくります。これであなたも立派なトンデモウォッチャーに?

さまざまな怪しい界隈を振り返りたくなくても振り返るしかない秋の収穫祭をぜひお見逃しなく。アーカイブ配信は10月初旬まで視聴可能です。

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それでは、いよいよラストとなったルポ最終回の概要はこちら。

▽ついに主役登場、神谷議員に大歓声

▽盟友の「教育実践者」と講演

▽本当に「GHQの支配」が好きだな…

▽「日本を変える」に熱く叫ぶ

▽参政党の…映画…? それって…

▽専属バンドはあのアニメED曲のグループ

▽アクシデント発生!消えたギタリスト

▽神谷さんと合唱だ!「おはよう、さあ目覚めよう」

ついにフィナーレです。これを読んで目覚めよう読者の皆さんも。

参政党は、やっぱり怖かったです!

**********

主役の登場だ

開始から5時間以上が過ぎ、いよいよ最後の講演だ。

ついに時が来る。観衆も分かっている。なんならこれが目的で来た人もいるだろう。

毎度おなじみM-1みたいな出囃子に乗って、颯爽と登場したのは神谷宗幣議員だ。参政党といえば神谷。神谷といえば参政党。この党の魂でありカリスマ。創始者である。

創価学会でいえば牧口常三郎。幸福の科学でいえば大川隆法。オウム真理教でいえば

…おい!なんでそんな偏ったジャンルの人ばかりなんだよ!

ソフトバンクでいえば孫正義さん、京セラでいえば稲盛和夫さんってことでいいんですよね、はい。あとマイクロソフトでいえばビル・ゲイツ。

え、これはやめた方がいいって?そうか反ワクチンさん的には(みなまでいうな)

そんな神谷氏の横には、失礼ながら存じ上げなかった、ちょっとワイルドな風貌の男性が。党アドバイザーの加藤秀視氏だ。

(パーティーのスケジュールより)

(パーティーのスケジュールより)

司会者からは「20年以上の教育実践者で人権活動家」と紹介があった。調べてみると、JR東日本など大企業でも人材育成講習の実績がある会社を運営しているようだ。

「教育委員会の不正隠蔽から子ども達の命を守る100万人署名を集めた」という加藤氏。なかなかの活動をしているご様子だ。

しかし不勉強で申し訳ないんだけど、そんな大規模な署名がおこなわれていることを聞いたことがなかった。

ただ言えることは、今回の講演を聴いても、あまり好きなタイプの人ではないなとは感じたということだけ。

神谷氏と加藤氏は同級生であり14年前からの朋友らしい。では、そんな二人の講演はどうだったのか。

全体的に気になったのは、観衆(私を除く)としては熱いトークに逐一拍手を送って盛り上げたいのに、二人が次々に話を繋げて繰り出すせいで、みんな(私を除く)拍手のタイミングが分からずに話の途中に「パチ…パチ…」みたいなのが何度か続いたことだ。

業を煮やしたのか加藤氏が「いやいや、ここ拍手でしょ!(笑)」みたいに言い放ったのが、ものすごくイラっとした。

タイミングのおかしいところで強めに「パチパチ!」とだけ手を叩いて観衆をさらに惑わせてやろうかと思った。

講演は「教育改革の予祝」で、「ここが変だよ日本の教育」みたいな感じ。

低めの良い声をしていらっしゃる加藤氏が語り始める。どうやら「日本の管理教育や偏差値教育」を問題視しているらしい。

加藤秀視氏 「管理教育、偏差値教育で従順な人間が育つのがなぜまずいか。教育は目的から考えないといけない。国の教育基本法の目的がある。そのゴールに向いてない。人づくりは国づくり。その国民を見ればその国がよく分かる。今の日本は、ここに集まっている人以外を見ればどういう国か分かる。まったく国作りになっていない。管理教育、偏差値教育の目的はどうかって考えた時に、よく言ってる…まあGHQ…」

ああ出たよ。GHQがなんだって? 濁すなよそこ…。

このパーティーを通じて何回「GHQ」って言うんだろうね参政党の皆さんは…。

今の日本で「GHQのせいでこうなったんだ」みたいなことを「よく言う」のって参政党さんと一部の人だけのような気がするんだけど。

これに神谷氏も同調し「従順な人間を育てるということ。管理されると、考えない大人になり、指示がないと動けない大人になる」と話す。

「弱体化はGHQよりもっと前。明治維新から管理教育は始まった。イギリス、アメリカの二段階でやられている。パンチを食らって、戦争で負けてアッパーカットでノックダウンの感覚」と分析した。

加藤氏が続けて、「この中に5~10年後に自分がどうありたいか国を作りたいかと考えている人は10パーセントもいない。自分の人生の幸せとか喜びとかを本当に考えていない。だから悪い人のお金をとるセミナーとかにいっちゃうんですよ。例えばスピリチュアルのセミナーとかって誰かが定めたゴール。本当は自分がどうありたいかがゴールのはず」とノリノリだ。

おいおい、そのへんにしとけよ。この会場に来ている人は何万円も払ってここに(自主規制)

加藤氏は、「14年前から神谷宗幣はブレない。日本を変えたいから、勉強して知識を蓄えて人を集めて、立ち向かって政治家になった。皆さんのような支援者を得たわけじゃないですか!」と同志を持ち上げつつ、会場に同意を求める。

観衆もようやくはっきりと大きな拍手を送った。会場の中高年、みんな誇らしげだ。

心から思うのは、高いお金を払った観衆の皆さん(私を除く)がすごく喜んでいて何よりだってことだ。

こんな自己啓発セミナー的な感じで、「教育について」の講演の内容がちゃんと頭に入っているかはともかく。

「参政党はみんなで一緒に学ぶ場所。こんな政党は他にはない」

神谷氏がなおも観衆を焚き付けていく。そして、選挙演説の時のように徐々に声が上ずった。

神谷宗幣氏 「一緒に考えたい。それをやるのが政治家の仕事だと思っていたけど、政治家が考えていない。15年前に、地方から変えようとしたら僕がおかしいと言われるから悔しくて、当時、橋下徹さんと(維新の)会を作って大阪でやろうと。そしたらいつの間にか、太陽光とかの利権に走ってダメ…。それで(自分が)作ったのが『龍馬プロジェクト』。研鑽をつんで、地方議員は権限が無いけど、国会議員が7、8人、市長なら15人ぐらいいます。そうして権限をもって、やるのかと思ったら(誰も)やらない。コロナのこと一つロクに勉強しない。世論が怖いと戦わない。結局は誰も考えてない。これからの国の未来を考える仕事なのに、考える時間で次の選挙のことを考えるのが多数。こんなことやってるからダメになる」

維新への恨み節はともかく、「コロナのこと一つロクに勉強をしない」というのはすごく違和感がある。

「勉強をしない」のではなく、「参政党の言ってることに賛同しない」が正しいのではないか。

さすがに、前回取り上げた党アドバイザー井上正康氏の講演「歯医者は一人も感染者がいない」「ワクチンは医療犯罪」みたいなアレな感じが熱くほとばしる内容で、「コロナのことを勉強した」だなんて言わないと思う。

それから、「選挙のことばかりを考えている」というのも演説で頻繁にしていた話だが、果たしてそんなにも政策に取り組まず市民の声を聴かずに地位にしがみつくような政治家ばかりだろうか。

誰をイメージして言っているのかは知らんが、政治に不信感を持つ人の扇動が過ぎるのでは。仮想敵がステレオタイプで大げさなのがこの人らの特徴だと思うのだ。

観衆を持ち上げつつ過熱する講演

神谷氏のトーンと共に、会場がヒートアップしていく。

「既存(政党)に任せても意味がないから、教育できる大人が政治に入っていって、おかしいと教育して未来を考えて、国民に『こういうことが分かったから』と啓発をしてもらいたい。皆さんみたいに時間もお金も出して、千葉(ここ幕張メッセ)に来てくれる思いや行動できる人達がやっていかないと、日本の教育も国も変わりません!」

そう叫んだ刹那。

おそらく最前列の観客からだろうか「そうだぁ!!」と、涙ながら震えんばかりの野太い叫び声が聞こえてきた。

同時に「そうだそうだー!」に混じって、ぐわあーっと拍手の渦が起こる。鳴りやまない。

あの、「こういうことが分かったから」ってのは…その…参政党に関わるいろんな、たとえば今日登壇した講師たちが言っていたようなことを学んでという意味だろうか。

その内容を多くの人に教育して、伝えていく、と。それって「教育」って言えるのかな…。だって参政党が言うことが正しいケースって実はほとんどな(略)

加藤氏も畳みかけにくる。

「上の席の人達、手を振ってください。ご自分がすごいと思いませんか。こうしてお金を払って、時間を使って、参政党のこういうイベントになると必ず『宗教だ』とか『カルト教だ』とか言う人がいる。それを度外視して、みんな時間もお金も使って来ている。日本で、この会場にいる皆さんが日本を変えなかったら誰が変えるんですか。日本を変えたくて集まってるんですよねえ、皆さん!」

観衆 「そうだあぁ!!」(どわあっと超拍手)

同意を求められては叫ぶノーマスク密集中高年さんたちの熱気に白目になりながら、淡々とメモを取る私。

噛み締め続けていた奥歯のあたりが痛い。

もういいだろ。早く終われ。このへんで終わりのはずだ。

…しかし、7時間におよぶパーティーには総仕上げの時間があった。

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