【潜入ルポ】「計画されたパンデミック」「陰謀論でけっこう」ついに開き直った「目覚めた国政政党」の祭典は涙の大合唱で…参政党政治資金パーティー2023④

参政党の第3回政治資金パーティー潜入ルポ④、今回で最後です
黒猫ドラネコ 2023.03.25
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どうも、黒猫ドラネコです。

超・夜型のため朝に予定がある時は寝ずになんとかします。

3月4日に新宿区内でおこなわれた参政党の政治資金パーティー「春のBAN政り(まつり)」。潜入ルポも今回でラストです。

盛りだくさんの内容をなんとか全てねじ込みました。国政政党が、党員メインとはいえ参加者に向けて何を発したか、どんなイベントであったかを公益性のもとに綴ってまいりました。

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(今回のサポートメンバー限定部分)

▽出た!「闇堕ちしたブルーハーツ」!

▽目覚めた観衆は泣きながら歌い…フィナーレは神谷議員が光をまとうあのシーン

長くなりますが、時間のある時にでも読んでください。最後まで宜しくお願いします。それではどうぞー

*********

「この男と命の花を咲かせたい」

 参政党支持者である経営者の鼎談に続いては、「天下一演説会・決勝」だ。

 全国の統一地方選出馬候補者から、先ほどの予選を勝ち抜いたのは3人。青森県弘前市の男性、青森市の元アナウンサーの女性、富山県の元格闘家の男性。ルポ②でも演説内容に触れた面々である。

(パーティーのスケジュールより)

(パーティーのスケジュールより)

 会場から名前での声援が飛ぶ中、弘前市の男性から演説開始。ちょっと川﨑麻世が入ったトレンディな男前だ。「歴史あるりんごの町を守りたい」という内容。先人達が守ってきたものを次の世代に渡したいという。気持ちは分かるのだが、りんご産業を守りたくないって人が青森にいるの? 今さら参政党が言わなくてもいいんじゃね? と、私の心の中の悪い蛇がささやきかけてくる。

 この人は予選で、風力発電建設を止めさせた話をしたのに「大きな風を起こしたんです」とド天然をかました。その風力は決勝戦では見られず、緊張からか話がまとまっていなかった。りんごの話だけに「選挙に向けて一皮むけたいです」とかなんとか言えなかったものだろうか。いや、すまん、これは私が悪い。

 スピーチは制限時間の3分を過ぎてしまい、司会者から強制終了させられた。無念だ。

 続いては、富山県の男性。ゴツい元格闘家である。客席からの声援も野太い。他党の運転手をしていた時に神谷氏に出逢い「人生が変わる瞬間だった」と話す。「目の前に坂本龍馬がいると感じた」「龍馬を支えて今後の人生、この男と命の花を咲かせたいと思った」と熱き思いを静かに紡いだ。拳を強く握り、目には汗か涙か。ドオッと大きな拍手が起こる。ああ怖い。この集会とても怖いよう…。

 そして急に大声になり「幕末から160年の時を超え!大和魂を!我々が引き継ぎます!どうですか!」などと叫ぶと観客席も「うおおー!」と揺れた。ただ、この盛り上がりで最後まで押し切ればよかったものを、蛇足気味に「今動かないと大切な仲間を守れないんです」「家族や友人みんなに迷惑をかけているけど…」と、うだうだ言ってるうちに時間オーバーに。あーあ。

 圧が強くて司会者もなかなか制止できなかったのが会場の笑いを誘った。

 最後は青森放送の元アナウンサーの女性だ。予選でも好評だったさすがのベテランアナの滑らかなトーク。年老いた両親を残しての雪国での政治活動で、その不安や苦悩を語りながら、「それでも!青森の人の絶望を希望に…」。よく通る声を涙で震わせた時、私の右隣のおばあ様はもうすっかりファンになったようで、ハンカチを目に押し当てていた。「参政党という旗を命がけで立ててくれた神谷さん、ボードメンバーの皆さんが日本に希望を与えてくれた…」「ご先祖さまからの日本を最高の形で引き継ぎましょう」と涙ながらも力強い。

 前の二人とは違って落ち着いていて、最後には「ご清聴ありがとうございました」と丁寧におじぎ。なんと制限時間ピッタリ。スクリーンの時間表示を気にしていた会場から拍手と「おおぉ…」との感嘆が漏れた。

 優勝は結局この最後の女性だった。客席から「やっぱりねえ」の声。二人がタイムオーバーしてるんだからそりゃそうだ。

 審査員の武田邦彦氏から上半身ほどもある優勝トロフィーを渡され、副賞として賞金五拾萬円と書かれたデカいパネルを贈られていた。景気良いな参政党さん。

 しかし、なんで賞金パネルがオレンジ色じゃなくて派手な紫色なのか。党のカラーにこだわれよそこは。分かりやすいツッコミどころを作るなよな…。

神谷議員「陰謀論でけっこうです」

 いよいよパーティーも終盤。ボスのご登場である。

 先ほどの演説会を称えながら講演を始めたのは、参議院議員の神谷宗幣氏だ。テーマは「日本政治のタブー」。スクリーンには、脳ミソの気持ち悪い絵をバックにしての「論点1、パンデミック」と書かれた解説文が映された。

(パーティーのスケジュールより)

(パーティーのスケジュールより)

 神谷議員はいきなり得意顔でまくし立てる。

 「国会にいても呆れて怒れないんです。厚生労働省は何を聞いても『色んな意見がある』としか言わない」「自分の周りの国会議員は半分もワクチンを打っていない」「パンデミックが何だったのか。僕はワクチンがすぐにできた段階で怪しいと思っていた」「アメリカが武漢にお金を払ったんですよ」

 2017年に世界銀行がパンデミック債を発行したことなどに触れ、「結局、(新型コロナのパンデミックは)計画されていたってことです。想定されていたってこと。一部の人たちは知っていたってことです」と呆れるように言い放つと、会場中から昇天でもしそうな「わあぁ~…」という声が。ちいかわかよ。

 「計画」と「想定」とでは全く意味が違うのだが、もはや同族のアレな人らにしか通じなくて構わない感じがビンビンに伝わってくる。最高に参政党って感じだ。これよこれ。

 「論点2」として次に映されたのは「薬」だった。神谷氏は「ワクチンを推進した人達には見返りがあったんじゃないですか? 研究費とかもらったんじゃない? ファイザーの株でも買ってんじゃないかと思う」と笑いながら軽口を叩く。

 さらに、抗がん剤や放射線治療も体に悪いのに米国から入ってきたとのデマを口走り、精神疾患が増えていると展開。「大阪のカジノでも、事前に依存症を受け入れる病院まで手配されているんですよ。マンガでしょう? すべてがビジネスなんですよ」とヘラヘラ笑いながら言った。会場からは「えぇーー!?」と、驚きの大声。いいともの客かお前ら。

 この「病院を先に手配」はすごく雑な認識だ。大阪府はIR(カジノを含む総合型リゾート)誘致に向けて「ギャンブル依存症センター」を設置して支援員を配置するよう策定している。自治体の責任として、IR計画と並行して課題となるであろう事象も調整を進めているということであって、何一つも不思議な話ではない。カジノの是非はともかく(ここ大事よ)、むしろきちんとしているのだ。何を裏工作めいた話に持っていこうとしているのか。こういうのも参政党の得意技ではあるのだろうが。

 「色んな人が告発していますから、参政党が情報を集めてぶつけていきましょうね!」と神谷議員が促すと、会場からは絶大な拍手が起こった。今さらながらいいお客さんだなオイ…。

 薬の話はなおも続く。「高校生の自殺も増えている。あれは絶対に薬の影響。高校生で人生に絶望するなんて早すぎますから。世界一薬を飲まされている国民と言っても過言ではない」と持論を述べた。単なる空想を断言している。

 この人のズルいのは、これらの反医療的なトンデモ思考を支持者の前ではギャンギャンに発する癖に、表ではほとんどぼかしてしまうことだ。

 そして話題は「食」について。昨今の話題の「昆虫食」についても、食糧危機になるよう演出されて、培養肉や昆虫に向かわせるとの内容だった。海外資本だか巨大な悪だか知らんが日本人が舐められていると話を持っていくのはお決まりのコース。

 「学校給食からです。彼らは子どもの胃袋を狙う。戦後も子どもに小麦や脱脂粉乳とかチョコとかで日本人の胃袋を変えていった。余った物を日本に、は今に始まったことじゃないんです」

 「モーリー(ロバートソン)さんが『昆虫食はダメだ、は陰謀論だ』と言いました。いつものパターンですよ。ワクチン、食事、それからウクライナ戦争。都合の悪いことは全部陰謀論にする。陰謀論でけっこうですよね。言い続けましょう」

 表では言わない癖に…。いつものことでオイラは慣れてるけど、あーあーむちゃくちゃだよ。

 例の昆虫食についても、もちろん多くの人に嫌悪感や抵抗感はあるだろうが、政府主導で広めようとされていて無理やりに給食にねじ込もうなんて事実は全くないのだ。もしも「奴らは愚民どもに虫を食べさせたい。自分達は肉を食うために」なんてことが言いたいのなら、そんなものはクソ陰謀論である。「おおぉ…」じゃないんだよ客も。

 話題は「戦争」へ。参政党は以前から、とことんウクライナの危機をコケにしている。

 「ウクライナを応援しているのはアメリカの軍事産業。ウクライナが大変だ、焼け野原だというが、みんなレストランとかでご飯を食べていますよ。デヴィ夫人も普通でしたとか言ってたでしょ。それを『行くな』なんて政府が止めて、もうマンガ! これ、国会で言ったらタブーですよね。言いたい!早く言いたいな!こういうこと!」

 早く言え。レイザーラモンRGじゃねえんだぞ。国会で「ウクライナ危機は茶番だ」って言えよ。絶対言えよな。

 「日本は植民地になっている」と述べ、講演は締めに入った。

 「我々は戦わずして負けて間接統治されている。伝統的なアングロサクソンのやり方。顔が浮かぶでしょう。そういう人がワクチンを打て、コオロギを食え、LGBTをやれと言う分かりやすい構図。搾取し分断して文化を破壊して余り物を買わせて、薬漬けにする。今は精神薬、昔ならアヘンやドラッグ」

 もはや立派なヘイトである。それでいて少しだけのリカバーのつもりか「僕はアメリカが嫌いなわけじゃない。だけど、おかしいことはおかしいと言わないと対等にならない」などと言って拍手を浴びていた。

 「洗脳して植民地と分からないようにされる。もう9割方来ているが、最後に土壇場で参政党ができた、と僕は感じている」

 そう言って、次の衆議院選挙で党から5人通す目標を掲げた。自身の参議院議員からの鞍替えも視野に入れているそうだ。

 「そうすればタブーが国会に上がりますから。タブーをタブーじゃなくするのが参政党の役割」

 もっと色んな酷いことを言っていたと思うが、武士(大和魂かどうかは知らん)の情けでこれぐらいにしておこう。政治資金規正法に基づいた国政政党のパーティーの中で、所属議員がこのような内容を話していたのだ。

 衆人環視での国会議員の危ない発言は、「失言」と呼ばれるものである。タブーだのオフレコだの非公開だのの言い訳では済まされない。世間の方々に適切かどうかを判断していただきたく、ここに公開して差し上げた。

ホリエモンに絶縁された男、再び

 さて、ボスが陰謀論フルコンボだドン☆で盛り上げたステージに、CEO(セオ)氏の再登場である。どうやら歌うらしい。さっきの面白くなかった対談コーナーに続いて、会場からの「誰やねんお前」の空気はやや残っている。

 「ワクチンを打ってなくて絶縁されてニュースになりました。ホリエモンにBANされた男です!」「河野大臣にもブロックされてます!」「堀江さんと別れていなかったらこの曲はNHK党から出たかもしれない」と観客に愛想を振り撒いていた。

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