【政治資金パーティー詳報】参政党は「奇跡の党」「311で神の啓示…」(前編)

またしても参政党の政治資金パーティーを見てきました。
黒猫ドラネコ 2024.03.30
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***

 春分の日の都内は冷たい風雨が舞っていた。

 厚手の上着の下にチラりとオレンジ色のシャツなどが見える方々が、商業施設と区民ホールの一体化した会場に吸い込まれていく。

 順番を待って並ぶ人から声が聞こえてきた。

 「●●さん、おはよう!」

 「おはようー!寒いね!」

 この人たちの挨拶って、夜でもやっぱり「おはよう」なんだ…。参政党員が好む「目覚めの言葉」が交わされている。ずっと観察してきたのに今さら知った。再会を喜ぶ記念撮影では、指が三本のピースサインを見せている。

 この震えはきっと寒さのせいだけじゃない。

 参政党の政治資金パーティー「春フェス」は3月20日夜、練馬ココネリホールで開催された。

 私が同パーティーに参加するのは今回で4回目。そこらの党員よりよっぽどお金を払っている「太客」である。

 もしよかったら党員の方々もぜひ私のニュースレターに有料登録していただきたい。

寂しい規模感

 会場後方が入り口。寄付ブースと物販ブースなどあり、大量のチラシも配られていた。

 場内はステージ横に日本国旗、客席の周りに参政党ののぼり旗が立てられている程度で特に飾り気はない。

(参政党政治資金パーティー会場内)

(参政党政治資金パーティー会場内)

 大型スクリーンに近い前方はパーティー用のやや豪華になっている椅子で、ダイヤモンド席2万円、プラチナ席1万1000円、ゴールド席7000円となっている。それらと通路を挟んで普通の会議用椅子で5000円の一般席。

 ざっと椅子の並べ方を頭に入れて数えてみると、全部で500席あまりだった。

 今回は「東京支部」によるイベントで全国に向けたものではないとはいえ、国内の政党で最も収益があるらしい参政党のパーティーとしては過去最小規模。

 2022年第2回幕張メッセの「予祝」(パーティータイトル)には約6000人を集め、昨春のベルサール高田馬場「春のBAN政リ」(同)はおよそ2000人、昨年末には東京ビッグサイトを使っての「Road to 衆院選 HERO's Rising」(同)で3000人ほどが集結したことを考えると、今回はかなり寂しくなっていた。

 (過去のパーティーのレポートはこちらから)


 「前売り券で満席だから席を詰めて」とのアナウンスがあったものの、一般席の後方は最後まで埋まらなかった。最終的には450人ほどの客入りのはず。

 昨秋に起こった党内のゴタゴタ、そして神谷代表の「パワハラ疑惑」の文春砲の影響などもやはりあるのだろうか。

 これまでのパーティーは場内撮影禁止だったが、今回は「講演時間を除いて撮影OK。SNSでの拡散も大歓迎」とのことだった。

 席の周囲をスタッフが立ち見でぐるりと取り囲み、警備担当らしき人もいる。うしろの方では物販ブース周辺のスタッフがぺちゃくちゃ喋っていてうるさい。

衆院東京15区補選の候補者

 18時前、およそ3時間半のパーティーが始まった。

 国会斉唱を終えると少し間があって、何の前触れもなくスクリーンに「緊急速報!」と表示。

 観客が一気に「おおっ」と引き込まれる。

 「衆院選東京15区補選に吉川りなさんの公認が決定しました」

 紹介のアナウンスに、また拍手が起こった。

 今回は、衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)に向けての決起集会のような色合いが濃くなっていた。

 しかし歓声とともに登壇した吉川さんの演説内容は薄かった。

(参政党パーティーHPより。チケットの宣伝にも掲載された吉川りなさん)

(参政党パーティーHPより。チケットの宣伝にも掲載された吉川りなさん)

 実はこちらの吉川さん、昨年の前回パーティー「Road to 衆院選」(東京ビッグサイト)での「演説コンテスト」にも出ていた。

 その演説の際に、「国民の三つの柱。基本的人権の尊重、平和主義………なんだっけ…。えっと…憲法の中にあるものが守られていないので(笑)」と、暗記が飛んだら中学レベルの公民すらダメダメなことを露呈したあの女性である。

 

 あれからさすがに演説にも慣れて日本国憲法の基本原則ぐらいは言えるようになったのだろうか。

 やはり緊張気味の吉川さんが決意表明を始める。

「初めて新橋駅(参政党の聖地)に立ったときは足が震えて帰りたかった。昨年… あ、今日は関西弁でしゃべってもいいですか?(笑)」

 どっと笑う会場。

 いや、ウケとる場合かいな。関西出身なんかしらんけどキミ、「東京」15区に擁立されるんちゃうんかいな。かなんなしかしこれほんまに。

 これまでは東京第1区(千代田区、新宿区)担当だったそうだ。参政党員の夫(東京支部ブロック長)の影響で政治の世界に飛び込んだ「普通の主婦」だという吉川さん。しゃべるのは苦手だそうだが、いまや現役議員を除けば党内での知名度はトップクラスだ。

 「子育てを通してコロナのことでおかしいことが明らかになってきて、LGBT理解増進法のことで、もうこれはいかんと思った時に、旦那のやっていた活動は間違っていなかった、私も参加しなければと思った」

 反ワクチン、反グローバリズム、反LGBTなどを煮詰めて「未来ある子どもたちが危ない!」とばかりに「目覚めて」しまったオーソドックスかつ模範的な参政党にハマる人である。

 昨年からの党内のゴタゴタについても、「士気が下がるようなことがあったと思いますが、選挙を通じて日本中の参政党員のみなさんと士気を高める」などと話す吉川さん。そんなんで大事な選挙を使われちゃたまんねえなとは思ったが、それは寛大な心でスルーしておこう。

 不安はあるようだが、負けず嫌いの性格だと言い、力強い。「神谷さんは『供託金が返ってくる票をとりにいく』と言っていましたが、私は負けたくありません!」と述べると会場は大興奮で、大きな拍手が起こった。

 そんな喝采の中でおそらく私だけは「神谷さんが勝つ気ねえことをバラしてもいいのかよ…」と思った。(まあこれは神谷代表が正しいんだけど)

 また、参政党としては初の衆議院議員選挙に挑む予定となった吉川さんへの「アンチからの攻撃」はずいぶんあるようだ。

 最近では勤めていた美容クリニックのトップが中国人なのではないか(極右的な主張をしている党なのに)ということなどが掘り返されている。

 それについては「ただの主婦なのにどうしてあんなにSNSで批判されないといけないのか。すごく悔しい。私にとっては美容医療も大切な看護師としての仕事です。私は従業員ではありません(?)。SNSのヘイトのようなものに反論できないのは辛いけど、私たち参政党は誰かを批判したり、文句を言ったり、汚く罵る政党ではないんです」

 ただの主婦なのか美容医療の看護師さんなのかはよく分からなかったが、会場からは「そうだっ!」と強い賛同の声も上がっていた。

 15区に足を運んでほしいと語り、吉川さんの決意表明は締められた。

 党員以外の方と神谷代表が感じているであろう通り、だいぶ厳しい選挙になるとは思う。

元代表・松田氏「神の啓示」と「安倍さんも支持」

 さあ、ここから楽しい楽しい楽しいパーティー開幕だよ。

 東京の各ブロックから、次期衆院選に出馬する予定の「国政改革委員」たち12人によるスピーチが始まった。その前半として登壇したのは6人だ。

 それぞれ2分の持ち時間で、まずは東京15区の選挙を党として盛り上げたい気持ちなどを語りつつ、おなじみ反ワクチン的な「何かがおかしいと思った」という主張だけでなく、涙ぐみながら「参政党は奇跡の党だと思います…」と声を震わせる姿まで。

 こうなったらせっかくの機会なので、今回の候補者たちの生の声をここで全て取り上げません。割愛します(へいへいへーい!)

 そんな国政改革委員の皆さんはかなり熱が入っていた。ほとんどの弁士が持ち時間をオーバーしてしまう。

 すると、時間を知らせるように鈴が「チン」と鳴らされるシステムで、その音に「あ、ハイ」とか「すみません(笑)」とか熱が冷めたように言うのがとてもシュールだった。

 いったい誰に向けて演説してんだ君たちは…。

 あと運営側もさあ、客に聞こえるように合図を出してやるなよ。身内だけの会なんだからちょっとぐらいオーバーしてもいいじゃねえか。

 6人の演説が無事(?)終了。ここで舞台袖の「時間が押してるみたいだけど…」との低い声をマイクが拾ってしまい、会場内はややざわつく。

 元代表の松田学氏の声だ。次が出番で「経済の講演」をする予定になっている。

 もしやそれで演説者がチンチンチンチン鳴らされてたんか…。どうか続く言葉は「…私が時間を調整しましょうか?」であってほしいと思った。

(プログラムに掲載された元代表の松田氏)

(プログラムに掲載された元代表の松田氏)

 昨年のパーティーは、党代表を辞めたばかりの立場だった。そこでは「神谷新代表との和解」を演出するように最後の合唱のコーナーのみ、なぜか舞台中央に立たされて所在なさげにしていた松田氏。

 運営の方針などをめぐって対立したのが表向きの辞任理由だったはず。ここにきて「参政党創設メンバー」と紹介され、すっかり党内での名声を取り戻したようになっている。

 このままいけば以前のように政治資金パーティーでチェロ演奏もできるかもしれない。腐らず離党せずに地道に街頭演説などを続けてきたかいがあったのではないか。

 てなわけで、嬉しそうに講演を開始したが、これがだいぶ厳しい内容だった。

 松田氏は前置きもそこそこに「21世紀は800年ぶりの文明の中心が西から東に移る。西洋中心の文明から転換するらしいです」と語り出す。

 参考にしたかは定かではないが、この説は、800年周期で文明移行していくとかなんとかで、ヒカルランドなどを愛読するようなスピリチュアル系の方々が大好きな「ガイアの法則」というもの。

 参政党から出馬経験のある元市議のスピ系講師もセミナーで言っていたことだ。

 松田氏はやや早口でとても楽しそうに解説した。

「911でアメリカ一極支配も終わり、リーマンショックで膨張する資本主義にもNOとなった」

「そして日本で311が起きて、私も被災地に行って『文明は脆いな』と思った。ショックを受けた。そのときに頭に浮かんだのは『日本新秩序』。神の啓示を受けた。というと、カルト宗教みたいになっちゃうな(笑)」

「日本人よ立ち上がれ、この震災をきっかけに目覚めて、地球文明を日本民族がリードする使命を持っているんだ、と。そういう啓示を受けた感じ。そうじゃなきゃ犠牲者が報われないですよ」

 このレターの読者の皆さんはもうとっくに分かっているとは思うが、こういうところがあるのよ参政党の人って。

 あらためて、政治に関わらせたらダメだと強く思う。

 メインの「経済の講演」は、やはりいつも自賛する「松田プラン」とかいうものだった。

 「実は松田プランを一番分かっていた政治家は安倍さんだったんですね。安倍さんが『松田プランには乗れる』と、これは山口敬之さんの証言です。安倍さんが生き残っていたら自民党安倍派と積極財政で連携できたのに、潰されちゃいましたね」と松田氏。

 毎回のように言うのよ、この人たち。なんなら安倍さんが参政党の支持者だったぐらいになっている。そろそろいい加減にしてほしいな。

 そんな元代表はパーティー後半の「教えて松田先生のコーナー」にも出演。

 その勢いで(?)「戦争利権が」「世界統一政府が」「ワクチンを日本で打たせて植民地扱いで」などと連発するもようは、後編にてお届けする…のは「もういいんじゃね」と神の啓示を受けるかもしれない。

 この人、どう考えても参政党にしか所属できんだろうな……。

(以下はサポートメンバー向けの黒猫の雑感など)

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